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出発点に遡行する姿勢

2009-03-21 00:31:22 | ・講演・セミナー・シンポ
★えどカル建築家列伝講座から 
佐藤武夫デビュー作→ ★早稲田大学大隈講堂 竣工・1927
佐藤武夫→★福岡県文化会館 竣工・1964 同年、病気発覚 
比較してみると、クリック 確かに近い。
この2つの建物 「高-低」のコントラスト 似ている。
晩年、出発点に帰ったのですね。建築家の心模様をおもんばかると感慨深いです。

★えどカル 建築家列伝

2009-02-05 23:52:59 | ・講演・セミナー・シンポ
神奈川県立図書館1954 コンクリートの日よけ→ 
これがやりたかったんでしょ、前川さん!! 
師匠ル・コルビュジエの美しいブリーズソレイユから。

えどはくカルチャー建築家列伝講座 を受講しました。
戦前のコンペの重なる敗北から社会的使命を持って臨んだ公共建築へ
前川國男の人と作品がわかる充実した内容で楽しかったです。
米山先生、スタッフのみなさま、どうもありがとうございました。
これから復習します。ひさしぶりにお友達にも会えてうれしかった!!

銭湯建築大研究

2008-11-30 00:36:22 | ・講演・セミナー・シンポ
★たてもの園セミナー゛建築家なしの名建築゛ 楽しい対談でした。

★銭湯建築大研究 メモ
町田忍(庶民文化研究家・庶民文化研究所所長)
        ×
米山勇(建築史家・江戸東京博物館助教授) 

★CONTENTS 1.江戸の銭湯 2.近代の銭湯 3.町田忍セレクション 4.銭湯の未来

『守貞謾稿』近世風俗研究に欠かせない書
米山先生作製CG復元されたすばらしい江戸湯屋を体験させていただく。楽しい。 

関東大震災後、宮大工による宮造り銭湯が増える。
◎千鳥破風と入母屋破風の違いに気をつける。
拝みに付く懸魚は種類が限定→ 三花・猪目・蕪など。
唐破風の場合は兎毛通し、さらに自由闊達な意匠。


★「近代銭湯=劇場」論 米山先生論  なるほどピッタリ。
 ホワイエ→脱衣場 オーディトリアム→高い天井 拡がる空間
 ステージ→湯船  舞台背景→富士山などのペンキ絵

私は子どもの頃から、めちゃめちゃ長湯、長風呂。
何をしているのか、子ども時代は歌ってた、それはワンマンショー♪
昔のわが家のお風呂は音響すばらしくエコーが効いたので、
放っておけばずっとゴキゲンで歌ってる、まさしくお風呂はステージでした。
響くから気持ちいいのよね。

6月に放映米山先生と町田さんのお二人が出演された
アート鑑賞マニュアルNHK「美の壺」
その゛銭湯編゛がいよいよ発刊されるそうです。楽しみです。

゛知るを楽しむ・あー極楽の銭湯史゛も再々放送されるとの告知あり。

町田忍さんはテレビご登場の印象と何らお変わりなく、庶民派でした。
セレクションは全国の銭湯をご紹介くださった。スゴイのがあったりする。
対談も和やかな雰囲気で、とても愉快な気持ちになりました。
昔ながらの銭湯は老朽化の理由などで、圧倒的なスピードでなくなっている。
東京都民のみなさん、1年に一度は銭湯に行きましょうと最後にお話しされていました。
身体も心も洗って、ゆっくりとくつろいでリラックスする、それがお風呂だと思います。
ぜひとも銭湯に行ってみたいなぁ、と思いました。
どうもありがとうございました。

えどカルでコンドルさんサイコー♪

2008-09-26 00:18:16 | ・講演・セミナー・シンポ
秋期えどはくカルチャーを受講してきました!
★好評 米山勇先生の人気講座
゛日本建築家列伝シリーズ特別編Ⅱ゛
ジョサイア・コンドルと明治の建築家たちを語り合う
ゲスト 東京大学工学部建築学科教授 鈴木博之先生

新たな発見もあり、めちゃめちゃ充実した濃い内容で楽しかったです~!!
一番前のお席で先生方のお顔にもスクリーンにもかぶりつきでございました。
→友人が隣りにいらっしゃいとお声をかけてくれてラッキー! どうもありがとう!

日本の近代建築の出発点、コンドルさんの偉大さが具体的によく伝わりました。
週末にかけてゆっくりと調べながら復習します。これがまた楽しいんだな。
コンドルさ~ん、日本に来てくれて日本を好きになってくれてありがとう。

★新海竹太郎作コンドル銅像と伊東忠太作の台座 大正12年  → ↑
そして背後は東大工学部の建物、鈴木先生の研究室があります。

楽しかったです。お二人の先生方、どうもありがとうございました。

次回の建築家列伝講座は★10月23日、テーマは注目の早稲田系列です。
人物も建物も魅力的なヒューマニティーにあふれ、個人的に私は好みです。
かなり面白いと思います。こちらもぜったい見逃せません。オススメです。
★単独お申し込みでも、まだ間に合いますよ。価値あるお得なポッキリ1,000円。
江戸博サイトをチェック。

えどカル講座 建築家列伝★ ご案内♪

2008-09-15 07:15:49 | ・講演・セミナー・シンポ
みなさん、実りの秋、学びの秋にしませんか。
私のお薦め★秋期えどはくカルチャー のご案内です。
★えどはく→江戸東京博物館サイト をクリックして下さいね。

初めてでも楽しめる おもしろい!!
日本建築家列伝シリーズ<特別編>Ⅱ→ たまらなくおすすめ◎なのです。  
日時 全2 回(セット) 14:00 ~ 16:00
① 9月25日(木): J. コンドルと明治の建築家たちを語り合う
②10月23日(木) : 佐藤功一と早稲田の建築家たちを語り合う

会場 江戸東京博物館 1階会議室(定員130名)

講師①米山勇(助教授) + ゲスト:鈴木博之(東京大学教授)
  ②米山勇(助教授) + ゲスト:中川 武(早稲田大学教授)

受講料 1,600円(1,300円→友の会)

講座コード 0809-2-04

応募締切 9月15日(月) *消印有効 
もし本日に間に合わなわないようであれば下記に電話すればよろしいかと。↓
 
お問い合わせ電話番号  03-3626-9974

★往復ハガキに  講座名 日本建築家列伝シリーズ
              コード  0809-2-04
              氏 名
              住 所
              電話番号
  
だんぜんセット受講がお得ですが、一講座ごとの申し込みも可能です。
各ポッキリ1,000円 質の高い内容でしかもめっちゃリーズナブル。うれしさ◎

★宛先は 〒 130-0015
      墨田区横綱1-4-1
      江戸東京博物館 えどはくカルチャー係 

東京には現代建築もさることながら魅力的な歴史的建物が多いです。
日本の近代建築の夜明け、コンドルさんから入るのが一番わかりやすいです。
これを機会にぜひ魅惑の建築系世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
コンドルは鹿鳴館や池之端に建つ岩崎邸を建てたイギリス人建築家です。
講師陣は最高峰の先生方、この分野のご専門でいらっしゃいます。
今回は対談で語ってくださるうれしやスペシャル特別編です。
でも、内容はぜんぜん堅苦しくなく難しくない、そこがさすがプロですね。
よいお話をわかりやすく聞かせていただけるのは実にありがたいことです。
ワタクシこちらの長年常連受講者ですからご安心ください。
自信をもってオススメいたします!! 
今回は平日ですが混みあう土日より逆にラッキーです。
ご都合つけてくださいね、ぜひぜひお申し込みを待ってまーす。
 

涼の六様

2008-08-25 00:18:48 | ・講演・セミナー・シンポ
★特別展 日本の建物 江戸東京たてもの園
★第2部「建物と夏」第3章 涼の六様
展覧会図録冊子および米山先生ミュージアムトークメモより

★6つのキーワードが誘う「涼」の楽しみ 
1.しつらい 建具と家具
2.中間領域 縁とヴェランダ
3.日除け 庇/ルーバー/ブリーズソレイユ
4.探求
5.水庭
6.涼を生む

1.石見銀山世界遺産を構成する熊谷家住宅(重要文化財)1801年に建築された商家
夏とその他の季節で建具をかえる 代々行われてきた知恵
簀戸(すど)→竹で編んだ戸や簾を障子の枠中にはめこんだ戸
大阪格子または大阪障子 けんどん→タテに上げ下げ
畳に網代が敷かれている

2.内と外を 建物と庭のつながり 建物からいかに庭を美しく眺めるか
★森鴎外・夏目漱石が暮らした住宅→
千駄木町から犬山市 博物館明治村移築・公開
★日本最古の洋風建築 旧グラバー邸→クローバー型形状 三方にヴェランダ配す
★明治天皇命名→泉布観→ヴェランダ・コロニアルスタイル トスカナ式円柱
★旧岩崎家庭園洋館 南面のみヴェランダ 1階トスカナ 2階イオニア
上下でスタイルをかえたコンドルのヴェランダは美しく天下一品!
★内部化されたヴェランダ→旧ハンター邸 サンルーム→旧鳩山一郎邸

◎縁側→ヴェランダ→三方→合理化→南だけ
 吹き放ちは冬寒い→内部化→ガラス窓→サンルーム
○高橋是清邸2階 近代和風 内部化されたヴェランダ逆輸入か

3.「日本建築が古来から特質としてきた日除け深い軒の出には、
深遠な陰影をもたらす効果と同時に、夏の日差しから建物内部を守る目的があった。」

★旧山邑邸1924 フランク・ロイド・ライト 「草原住宅」
深い庇 ルーバーの表現がきわめて効果的 光を取り入れつつ遮る
コントロール→半減 四分の一など 外観デザインのための飾りか!?
◎ライトは建てる前に土地をしっかりとみる。土地の起伏をかえることなく・・

モダニズムは垂直に壁が立ち上がる
★ル・コルビュジェ→ブリーズソレイユ(仏語で「日除け」の意)
デザイン論として確立 ルーバーの持つ意匠的可能性を飛躍的に高めた
黄金比に基づくプロポーション→日除け機能の美しい壁→ファサード構成

→★日本でやろう!! コルビュジェ弟子 坂倉準三 直裁的に引用
★塩野義製薬研究所1961 大阪市福島区
★神奈川県庁舎1966
 コル直伝のブリーズソレイユがもたらす造形的効果と陰影の妙が冴える

★丸の内都庁舎 丹下健三 材を鉄に置き換え 軽さ シックさ表現
 ルーバーを介して防音効果など 一石二鳥!!

★出雲大社庁の舎(ちょうのや) 出雲大社の管理棟 菊竹清訓1963
 プレストレス・プレキャスト・コンクリート 柱のない内部空間を実現
 壁に仕込まれたルーバー 光がうつろいでゆく精妙なドラマを生み出す

★パレスサイドビル 林昌二 (イマイチのマイ写真 カメラレンズに雨粒が)↑
 水平ルーバーをどう支えるか→ 縦材が雨樋になっている
 お椀のようなカップが雨を受ける 雨の流れが眼にみえる
 日本の夏の表情にいかす なんとすばらしい! 転じれば豊かなデザインになる


リンボウ先生 !

2008-06-18 01:07:05 | ・講演・セミナー・シンポ
galleryA4竹中工務店東京本店
増田彰久写真展 世界遺産-英国産業革命の精華-「イギリスの文化と建築について」鈴木博之(東京大学大学院教授、建築史家)×林望(作家、書誌研究家)シンポジウム
に参加しました。ズバリ一番の楽しみは初めてのリンボウ先生にお目にかかることでした。ワクワクしていました。ご存じご活躍の林先生のご専門分野は書誌学からオペラ音楽など幅広く、小説や詩をお書きになったり、多芸多才でいらして、源氏物語を題材にしたお能の『葵上』で六条御息所のほんとうの苦しみは何かなど、ご著書で鋭く語っていらしたりするのも興味深く、今日のお話もとても楽しめました。お会いできてうれしかったです。

お馴染みの鈴木先生は19世紀イギリスの建築は装飾性と技術が併存していること、ゴシック様式の建築家ウィリアム・バージェスの存在、その弟子がイギリス人ジョサイア・コンドルで、近代から日本への関わりが大きかったこと。コンドルは日光東照宮のような日本の装飾にも関心があって、自ら絵筆をとって描き残していた。後にドイツ人建築家ブルーノ・タウトが東照宮をキッチュと切り捨て桂離宮こそが洗練された日本の美だと賛美して逆転してしまうのだが、それまで日本の装飾的な建築は評価されていたこと、コンドルは日本は東洋の国であるからまったくの西洋様式ではなく、イスラム、サラセン風を加味して上野博物館などの設計に取り入れたことなどお話しくださいました。

イギリスにはあやとりのような骨組み、鉄骨組みの建物が多いとのお話から、日本の鉄素材のエピソードとして披露してくださったのは、東大の正門(伊東忠太・明治45帝国大学正門)は鉄製からいつのまにかアルミのレプリカに変わったということ。オリジナルはスクラップにされるところを逃れ、現在は鈴木先生が駒場の東大で保存されているそうです。でも使い道はないそうで・・。高さのある門扉は曲線豊かなデザインで菊の御紋が入り、明治天皇がお通りになった。そのときの様子の絵画は聖徳記念絵画館に展示されているそうです。

法隆寺などの寺院は残っているものの、伊勢神宮の式年遷宮のように、日本人は清潔な物を好む傾向にあり、新陳代謝して入れ替えてしまう、新しくしてしまう。古くからの地名なども簡単に変えてしまって残すべきだという意識の高さは見られない。イギリス人のもっている鋭敏な歴史感覚に学ぶべき、風景のなかの歴史を読むこと、この景色がなぜあるのか、通り過ぎないで確かめることが大切。歴史的な建物の中で過ごすと先人たちの苦労がわかる。日本の煉瓦建築だけではなく、コルビジェ(作品)や丹下健三さん(作品)だけではなく、看板建築のような、また何気ないものもひとつの風景として目を向けて、これから遺していくべきではないか、歴史の証人なのだから。そのようなことを林先生はお話しされました。イギリスと日本では目にみえる、目の前にある景色ひとつでも、それぞれ人々の向けられる意識がずいぶんと違うのだと知りました。ただ偶然しぜんとそこにあるわけではなく、壊してはいけないという強い気持ち、ちゃんと意識して遺されているわけです。

危機迫っている東京中央郵便局に関することも話題にのぼりました。なかなか保存をアピールするのはむずかしいそうです。確かに赤いレンガ造りに比べると白いモダニズムのその価値は一般的にはわかりぬくいのでしょう。今月末には建築会館で保存を考えるシンポジウムが行われるので(もちろん鈴木先生です。)私も諦めずに参加したいと思っています。自分のできることをするだけです。


会場には写真家の増田さんもいらしいて、近代建築や近代化遺産を撮り続けて40年、展覧会で展示されている写真のなかの建物は、イギリスという国が歴史を重んじ長年意識して慈しんできたもの、そして、それらを捉えたカメラ、どれも美しいというだけではなく、何より圧倒的な存在感が浮き彫りにされていて、輝いているようでした。当然ではありますが、腕はもちろん、さすがプロの眼はぜんぜん違う、うっとりしながら、そんなことを思ったりしていました。



語りあう 丹下さん

2008-06-08 22:26:18 | ・講演・セミナー・シンポ
★えどはくカルチャー日本建築家列伝特別編 丹下健三を語り合う 米山先生と藤森先生、お二人の建築史家のお話を伺いました。とってもおもしろかったです。どうもありがとうございました。 生い立ちから晩年まで、次から次へとたくさんの画像で作品などを見せていただいて今回も大満足でした。イメージ喚起しやすい豊富な資料、米山先生の講座はこれも魅力のひとつです。東京から広島やあちこち自分の気持ちを飛ばして復習しながら音楽コンサート後みたいに余韻に浸ってる今日一日でした。

丹下さん自身は過去に興味ない人でしたが、過去を語ってくださる先生方がいらしてくださり、私はしあわせ。歴史の研究者、言葉で語る建築史家、ステキな素晴らしいお仕事です。お二人の先生方、お忙しいでしょうがこれからも頑張ってください。でも、お身体は大切になさってください。

丹下さんが尊敬して影響を受けた偉大なる芸術家ミケランジェロともうひとり、偉大なるル・コルビジェ、彼が亡くなる前年に国立代々木競技場(1964)が出来上がった。やっぱり完成を見てもらいたかったかな。ただいまちょうど近くでシャネルモバイルアート開催中で大勢の方が足を運ぶと思いますが、せっかくですから丹下さんの圧倒的な造形力にもぜひじっくりと着目してもらいたいです。

最後に近代建築史のなかで丹下健三さんの位置は?という米山先生の投げかけに、藤森先生は丹下さんは日本が世界に向けて夢を実現した人、建築家だと結ばれました。

★新宿丹下親子競演 →
東京都庁とモード学園コクーンタワー (かなり出来上がってきた) ↑
父・江戸文様と集積回路モチーフ 息子・創造する若者を包み込む繭

イームズと二人のイサムなど。

2008-06-01 00:39:39 | ・講演・セミナー・シンポ
本日、午後からのアクションは2回転の、しかも時間的にタイトなスケジュール。雨が降っていようが決めたことなのでガンバル。
その①チャールズ・イームズ写真展100images×100words
★AXIS GALLERY 

六本木からが近いのか麻布十番か大江戸線車中で悩んだ末、初歩きのルートでゴー。途中左手にガスにけむり聳える六本木ヒルズをみつけカンゲキする、目的であるギャラリートークは小スペースで既に立ち見。デザイナーの「眼」を語る-剣持勇とチャールズ・イームズの接点」スピーカは剣持デザイン研究所(当時チーフデザイナーを務める)所長の松本哲夫さん×デザインジャーナリスト藤崎圭一郎さん。
 
剣持勇(1912-1971)さんは戦後日本のインテリアデザイン界を確立し、牽引した。
ギャラリートークメモを拾い上げてみると・・。
最初に剣持さんのカメラ、眼が捉えたいくつかの写真をスライドで見る。それら残っている写真は当時杉浦康平さんがセレクトしたもの。杉浦さんは東京芸大建築家出身でグラフィックデザイナー、アートディレクターへ、斬新な斜めレイアウト表紙が印象的な雑誌゛銀花゛など作品多数。剣持さんは基本的にモダニストを標榜、スマートなモダンデザイナーで、作品としてのデザインには表れてこないけれども、実は彼のなかにはドロドロしたものがあって、それが写真のなかには出てくる。美的・官能的なものに惹かれ探し求めていた。何も言わず写真をパッパと撮る。ディテールの興味だけでなくモノに深く迫ってテクスチャーなども検証。上流ではモダン、底流でドロドロ、ミックスされているのではなく、二分化、ドロドロが突如として噴出する。(→それに関して神代雄一郎さんが何か言及しているらしい。)一緒に仕事した杉浦康平さんはそんな剣持さんを読み取っていた。横浜のシルクセンター(坂倉さん設計の)で養蚕業を盛り上げたいと生糸を使っての展示を共同で行ったことがある。

21歳でドイツ人建築家ブルーノ・タウトに師事していた頃は、ドイツ語と英語を話せるエリカ夫人を通じて、剣持さんはタウトが何を考えているか知りたくてすさまじい執念で取り組んでいた。タウトはあくまでコンサルタントなスタンス。剣持、タウト、エリカ夫人の3人で仙台で撮った写真も残っている。

二人のイサムのお話も興味深かった。
イサム・ノグチと初めて会ったのは東大丹下研究室だった。広島ピースセンターのモニュメントの仕事をする云々よりずっと以前。意気投合した。二人のイサム展など開いた。今回の写真展にはイサム・ノグチの妻であった山口淑子の足元をとらえた写真が展示。和服姿に足袋、草履。イームズハウスのお茶会に招かれたときで、ゲストには二人の他にチャールズ・チャップリンもいた。昨年、京橋にある国立近代美術館フィルムセンターでチャップリン展が開催された。私はそのときやはり彼らがこのお茶会に参加したときの写真を眼にした。

イームズ夫妻はスマートなアメリカ人というよりもがっちりした西部の農夫イメージで・・。
実は私はここでタイムアップ。残念ながら次の場所へ移動。これから残り10分で本来テーマの剣持さんとイームズの接点のお話を伺えるはずだったろう。おそらく時間オーバーしたのではないかな。トークは剣持さんの人物を垣間見るようなエピソードや彼をとりまく人々も登場して、とても興味深くて面白かった。私は仕事で学童の子どもたちにおやつとしてヤクルトを出すときがあるが、その容器をもってまたジャパニーズ・モダン剣持さんのことを想ってみたりすると思う。イームズ夫妻の椅子などの家具デザインは味わいがあってステキ。2005年目黒区美術館で行われた展覧会にも参加した。今回はプロダクトはなく写真と言葉を通してのみ伝わる新鮮なメッセージ。一部映像もあり。写真の展示は決まったように壁にまわされるのではなく工夫され、アクシスのギャラリー空間の雰囲気とマッチしている。

最後にチャールズ・イームズの言葉から写真は探求や発見を促す。新鮮な目を提供する。

ミースと坂倉さん・・

2008-04-28 00:28:06 | ・講演・セミナー・シンポ
和楽五月号では素敵なお着物姿の女優檀ふみさんが湯河原での晴耕雨読の日々を送る細川護煕さんを訪ねています。その住まい「不東庵」を設計したのは建築家・藤森照信さんです。でも、われわれケンチク好き一般人にはやはり建築探偵であり、建築史研究の藤森先生のほうが長く馴染み深いです。

ちょっとミースぅ、藤森先生がね、ギヤラリーA4木造モダニズム展のシンポジウム基調講演で興味深いことをお話しされていましたよ。ヨーロッパ時代のミースはガラスへの関心が強くて、鉄の水平材を見せることはなかった。ところが戦後のアメリカでの作品では、鉄の垂直・水平材を全面に出している。これはですね、審査委員のオーギュスト・ペレの推薦により、他の二人と並んで万国建築ゴールドメダルに輝いた坂倉さん、坂倉準三さん設計の昭和12年(1937)<パリ万国日本館>からの影響があったのではないか、坂倉さんが世界ではじめて試みた鉄骨の柱梁の構造美に学んだのではないか、と、おっしゃっていました。5月オープンのパリ万博をみてからに同じ年の8月にニューヨークに上陸したのではないか、パリのモダニズム建築界がグランプリに推した作品をミースが知らないわけがない・・。

さて、どうでしょうか。
年譜をたどると、ミース・ファン・デル・ローエは、それまで、レンガのカントリーハウスや、インターナショナルな白い箱を造ってた。バルセロナやベルリンでの博覧会に企画参加などしてますし、デッサウ時代など3年間造形学校バウハウスの校長も経験しています。私もミースは世界の建築情勢にはもちろん疎くはなく、パリ博覧会も気にかけていたのではないかなと思います。ただふと思ったのはミースの大きなターニングポイントとなったのはバルセロナパビリオンだったということです。それまでの壁の箱ではなくて流れる空間へと意識が変わった。その設計は1928年です。パリ万博より以前、9年前です。だからアメリカに移住するより以前に次なる自分の建築プランやイメージみたいなものはそれまでと違って変化して、既に意識の中に芽生えていたのではないのかしら、なんて思ってみたりします。でも、藤森先生がお話しされたように、もしミースが坂倉さんのパリ万博に訪れて日本館を観ていたらと想像するとやっぱりうれしいです。日本の鉄骨の新しい美学が何かしらドイツ人建築家にインパクト、インスピレーションを与えた、その後の鉄骨フレーム構造のレイクショア・ドライブアパートメントビルなどにつながっていったのかもしれない、その可能性がある、そんなふうに思いめぐらすだけで、とても愉快です。

ちょっとミースゥ、ほんとうのところはどうなん? 坂倉さんのパリの日本館みたのかな?
うーん、それはちょっと残念ながらお答えできません、って、シブイお顔ね。

オープンカレッジ★

2008-04-06 00:06:49 | ・講演・セミナー・シンポ
今日は2008年度早稲田大学オープンカレッジの
開校式と記念講演会が大隈講堂であって、
会員である私もひさしぶりに参加しようと思ったわけですが・・・

でもね、高田馬場から歩いて早稲田通りには誘惑が多くて・・・
お気に入りの★セレクトショップがあってね、めっちゃかわいいねん、
雑貨やお洋服も、あれこれみてたらほしくなって、ちょいお買い上げ。
通りをはさんでの古書店、右に左に、横断歩道を渡らなあかんし、
じっくり物色してたら時間かかるねんもん。しょうがないよねぇ。

大隈講堂にたどり着いたけど、白井大学総長のお話は・・
エクステンション所長のお話は・・終わってた。やる気があるのか、わたし?
その前にちゃんとね、キャンパス内の重信さまにはご挨拶したのですよ。
今日は新入生歓迎のサークル勧誘か、本家の学生さんでいっぱい、
にぎわっていましたわ。ああ、若いってスバラシイ。
まぁ、好きな勉強、学ぶことには年齢は関係ないですけど・・。
講堂内は向学心にあふれたご年配の方もたくさんいらっしゃいました。

都の西北♪グリークラブも聴きたかったなぁ。
でもね、特命教授 映画監督 篠田正浩さんのお話には間に合った。
演題は浮世絵から学ぶこと、でした。
大隈講堂の十字天窓、私は遙かなる宇宙に想いがめぐっていました。
そうそう、篠田監督作品で『美しさと哀しさと』川端康成・原作の映画が観たいな。

早稲田のオープンカレッジ、興味ある講座はいくつかあるのですが、
現在はお仕事の関係上、毎週同じ曜日の平日のお休みが確保できないから、
なかなか講座をとれない、受講できないのがツライところです。
したがって単位も増えていません。
修了生として認定されると終身会員になって、会費を支払わなくてもよいのです。
そんなのは遠いけれど、また今度ガンバロウと思います。

ギャラリーエークワッドで♪

2008-04-05 00:20:56 | ・講演・セミナー・シンポ
↓下からの続き、なんと ★GALLERY A4
グッドタイミングな展覧会とシンポジウム
あるではありませんか。
これは興味津々行かねば見逃してはなりません。
(抜け目なくお仕事お休みとったよアタシ)
モダーンアーキテクチュア坂倉準三さんと前川國男さんです。
お二人ともパリで建築家ル・コルビュジエに学びました。
木造モダニズムの旧飯箸邸と前川自邸がとりあげられています。

竹中工務店のギャラリーエークワッドというのは、
正しくはAの4乗なのですが、Aの肩にちっこい4はpc表記できませんよね。
だからしかたなくA4になってしまうのですが・・
そしたら、エークワッドの館長さん、川北さんとおっしゃいますが、
ニコニコ、それでも「えーよん」ですって。クスクスさすが関西ご出身やわぁ。
竹中の東京本店ビルご存知ですか? まだ新しくてすごくモダンな建物です。
外観はフラットな壁面にリズミカルな窓の構成、ブラインドが楽しくてカラフル。
吹き抜け内部空間の階段周りも宙に浮いているようでステキです。
大阪本町の竹中ビルは外観が土木って感じの土色でイメージが全然違います。

ART STUDIES 12

2008-03-15 23:41:46 | ・講演・セミナー・シンポ
★ART STUDIES  日本建築学会 建築会館会議室にて。
20世紀の日本の建築と美術を通史的に検証する講演と討議。

★今回のテーマ<20世紀建築と美術のはじまり>1900~09

建築サイドからのゲストは中谷礼仁さん(早稲田大学 理工学術院 准教授) 。
★テーマ 明治建築の成熟と崩壊 - 空白のメダイヨン
レクチャートークの持ち時間が各自20分なので、毎回ながら、短すぎます・・。
私が興味深かったのは、日本人建築家による西洋建築理解、メダイヨンの近代建築における展開として、片山東熊の京都国立博物館↑などの作品群の検証から、国会議事堂建設をめぐる論争へとつながり流れていったこと。国会議事堂には多数の空白のメダイヨンが息づいている・・。つづく。

語りあう 美しい明日

2008-03-13 23:50:55 | ・講演・セミナー・シンポ
ミュージアムセミナー えどはくカルチャー春2008
お待ちかねのリーフレットが本日届きました。
建築家列伝シリーズ<特別編>F.L.ライトを語りあう
米山先生とライト研究第一人者の谷川先生との対談
やったぁ、2時間だわ。まだちょっと先だけど楽しみです。

もうすぐ自由学園明日館
春の美しい桜と空間を心静かに楽しめます。
昨年、こちらを訪れたとき、
こんな美しい情景をみてしまって、
私はもうすぐ死んでしまうのではないかしら、
死んでもいいわ、と思ったくらい。
でも、生きてたから、美しい明日がやってくる。
また今年も逢える。うれしい。