ダイナマイトをはじめ、様々な爆薬の開発、生産によって巨万の富を築いた。しかし、爆薬や兵器を元に富を築いたノーベルに、一部から批判の声が上がっていたとされる。
遺言で「前年に人類の為に最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」とある。
遺言はノーベルに対して批判がある事への策だと考えられるが、道具と言うものは使う人によって、人の役にも立ち、危害を加える道具にもなる。人類はノーベルがダイナマイト類の爆発物を発明しなくても、遅かれ早かれ誰かの手によって爆発物が発明された可能性はあるだろう。
ノーベル賞に関して批判的意見や都市伝説的意見の考えもあるが、「人類に貢献した人」と遺言を残した。
その精神に沿っているのが、今回受賞した赤崎さんだと思う。赤崎さんは自らを「愚直」と表現している。
愚直・・正直過ぎて気のきかないこと。馬鹿正直。
赤崎さんは職業を転々と渡り歩いた人であり、人生経験が豊富で受賞コメントでは、今までお世話になった会社、人に感謝の言葉を述べていた。
人間は生きることもそうであるが、何かを成し遂げるまでには、色んな人のお世話になっている。青色発光ダイオードが生まれた元は、赤崎さんの存在だろう。
赤や緑の発光ダイオードも赤崎さんの発明だそうである。
その方が、協力者やお世話になった人への感謝を述べた事は、その行為にも 表彰される価値があると思う。
人間は兎角、成功すると自分ひとりの力だと錯覚しがちであるが、自分は成功した人が周囲の人への感謝を述べることに価値を感じる。
人が成功するには、会社からの資金援助、装置、助言、環境などがあって初めて成功するのである。
今回、受賞した別の人のコメントに対価の発言があったが、会社側としては援助や投資をしている間は、成功するかどうかは分からなくても援助している。
最初から対価目的で研究しているのであれば、その個人は最初から自分の力で研究に挑戦するのが筋だろう。
ノーベルは罪の意識から財団設立を行ったと思うが「人類の為に貢献した人」の精神に沿って愚直に精進もらいたいと思う。