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父島*1989年*その6*あっという間の・・

2011-09-19 14:13:22 | 小笠原・父島*1989年

小笠原・父島*1989年・3月*

昭和から平成になったこの年、

時間があれば、色々な所を旅していました。

1月には飛騨高山、2月には北海道、そして3月に父島・・・。

北海道、それも宗谷岬で最北を体感し、

その半月後には半袖でいられる父島にいるのですから、

なんともフリーダムな時代でした。

学生だけど、本業バイトくらいに働いて、

世の中はディスコブームでしたが、そちら方面には興味はなかったもので、

旅費くらいはすぐに貯めることができました。まっとうなバイトです。

さて、小笠原が世界遺産登録になったのは、

島固有の動植物が評価されたということらしいですが、

我々が父島に行ったときには、

動植物について「これを見なければ」という意気込みなどはありませんでした。

ただ、緑に発光するきのこ(グリーンぺぺ?)など、

見られたらいいなぁと思っていた程度。

父島に着いた日の翌日、

せっかくきれいな海に来たのだからと、

朝、早起きして一人で大村海岸に行ってみました。

残念ながら曇天で薄暗い朝。

変わった貝など落ちていないかと思いましたが、

白いチョークのような珊瑚が浜一面にあって、そこに寝っ転がってみました。

誰もいない海。

話は前後しますが、

バナナ荘の面々と南島の遊覧から戻ってきたところで、

誰からともなく「小笠原まで来て、海で泳がないのはいかがなものか」、

・・・ということで、8人位で、

宿から近い大村海岸へ繰り出すことになりました。

卒論を書く為に来ていた同部屋のTさんにも声をかけてみると、

一緒に行くことに・・・そうそう、息抜きしなくちゃ

父島に来て三日目、ずっと曇天で、涼しく、

正直、水着では寒かろうと躊躇しましたが・・・海に入りました。

やはり・・・寒かった

このときに撮った写真は、寒さのためか、皆、身をすくめている。

早々にバナナ荘に戻りましたとさ

この日の夜が父島での最後の夜で、

夕食の後、父島のおみやげ物を見にお店をまわったりしました。

現代のようにもっと情報があれば、

うまいこと父島を回れたのかもしれませんが、

あっという間に時間が過ぎてゆきました。

翌日がおがさわら丸が東京に戻る日。

おがさわら丸の出航までは、宿の周りを散歩して過ごしました。

出航は確か11時か12時だったかな。

今は港のターミナルも立派になっているようですね。

父島を出航するおがさわら丸を見送るために、

追走する小船の光景は、今では知る人ぞ知る・・・ですが、

実際に見送られてみると、なんとも心に響くものがあります。

旅行者でさえこのような気持ちなのですから、

住民だった人が島を出る時にはいかばかりか。

桟橋には同部屋だったTさんも見送りに来てくれました。

あと、南島に一緒に行った、KさんとGさんも。

もう一サイクル残れるのが羨ましかったなぁ。

出航して、人々はしばらくデッキにいたまま海を眺めている人が多く、

すると、「あっ、鯨かも」という声が。

見送りの感傷に浸っていた人々も、「鯨」の声に色めきたち、

海原に目を凝らす。

・・・が、そう簡単には見えることはなく、

自分も、「ひょっとして今くじらの潮吹きだった?」くらいのが見えた程度でした。

東京に向かうおがさわら丸は、場所の指定はなかったので、

バナナ荘で一緒だった面々と車座のようになり、

・・・しかし、自分は船酔いが心配で、

念のためずっと横になって過ごしておりました。

この時、我が妹はトランプやおしゃべりで時を過ごしたようですが、

接待役を妹に任せられて正直助かった~

自分は結局船酔いはしなかったのですが、

父島から東京までの約28時間の記憶がほとんどないので~す。

とりあえず、日の入りと日の出は見たいと思って、

デッキには出たけれども、やはりに阻まれた・・・と思う。これもあいまい。

自分の中では昼頃父島を出航して、その数時間後の夕方、

東京に着いた感覚なのです。

竹芝桟橋に到着して、

バナナ荘の面々と記念撮影。

(この写真が偶然検索でヒットしたN先生のホームページにあって、驚いた

その後、すぐには別れがたく、浜松町駅の喫茶店でお茶を飲んでから別れました。

この、五泊六日の旅は、異空間にいたような不思議な旅でした。

南の島に行ったのに、ずっと曇天でブルーグレーの空。

静かな海、観光客も少なくて、世の中の情報からも離れ・・・。

ちょっと変わった旅だったなぁ。 ~ つづく ~


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