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松本さんの絵 第468◎ あすは おたちか

2016年01月26日 18時41分59秒 | 日記



図568   おなごりおしや


 いまは故人ですが、かって小説家を目指した知人の作品です。同人誌で北杜夫にも会っています。北氏は斉藤茂吉の次男です。同人誌では、純文学作品を書いていました。そのころ芥川賞をとります。知人は、昭和50年ころになくなりましたが、生前、北氏について、かれは言動が奇抜で、頭がおかしかった、といってました。北氏が、純文学を書いていたときは夜と霧の隅で、悪霊など、暗くてい重たい内容でした。その後、ドクトルマンボーなどベストセラーがヒットしてからフアンになりました。手紙をだしたこともあります。ハガキで返信に、あなたは若いからもっと本を読みなさいと。そんな事もあって、読み着いたのは、井伏鱒二でした。全集から散文まで読み求めてゆくうちに、作者の魅力ある表現力にひかれました。また英文の翻訳をするときにも、単語がよくわからなくても辞書なしで、おおよその表現を類推できることに気づきました。さて、知人の在所は北海道で、親族は北洋漁船の船頭でした。航海にでると、ときに事故や、けんかで、船員が海に落ちたそうです。しけの海から寄港すると、船頭の証言があれば警察は信用しました。船の中では船頭はもっとも怖い存在だったようで、「ワニ」と呼ばれていたそうです。しかし知人は、漁業を手伝わず、東京に出て、アーティストの道をすすみました。孟宗竹に繊細な絵を彫り込んだ作品や、装飾品を外国人相手に東京ヒルトンホテルで販売しました。浮世絵の雰囲気に人気があってか結構買ってくれたようです。この作品は当時の月給の半分ほどの値段でしたが気に入って買いました。手紙の文字がすべて読めます。「あすはおたちか、おなごりおしやー」拡大したら読めるかもしれません。

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