おいみず亭 Family & Friends

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意味がなくてはスイングはない / 村上春樹

2006-01-31 03:04:42 | 最近読んだ本
最初の出会いは、糸井重里との共作(競作?)「夢で会いましょう」でした。
当時、ちょっとばかりペンギニスト本読んでいて、糸井重里につられて読んだのですが「この村上春樹って鋭いなぁ」と思い、そこから初期3部作に浸りました。
(とはいえ、いきなり「羊」から入ったもので、「ねずみ」というのが何者か、なかなかわかりませんでした)
そこから一気に、短編集、「世界の終わり/ハードボイルドワンダーランド」「ノールウェイの森」と突き進み、「ダンス・ダンス・ダンス」を数ページ読んで突然村上春樹が読めなくなりました。長編も、短編も、エッセーも、翻訳物もとにかく村上春樹のいっさいを読む事ができなくなりました。過剰摂取によるアレルギーみたいなものだったのかもしれません。

読めなくなった、けど、気にはなるわけで、新刊が出ると、本屋で眺める事はしました。でも、買う事はありませんでした。
やっと、なぞの村上春樹アレルギーを、「読みたい」という意志が克服したのが「アフター・ダーク」。
ところが「東京奇譚集 」はこれまた、過剰反応で手に取らず、なぜか「意味がなくてはスイングはない 」なんて買ってしまいました。この本、村上春樹度が薄いのかもしれません。

こういうブログやっているので、音楽の紹介の方法に興味があったという事もあります。村上春樹が好きなミュージシャン/演奏家について、好きなように料理したこの本。じっくり時間かけて紹介するのって、いいなぁ、と思いつつもそんな余裕があるはずも無く。なにか一つ、ちゃんと文献とかあたってからブログ書いてみようかな。大変相だけど。

で、「意味がなくてはスイングはない」ですが、実のところ迷いました、買うかどうか。
なぜならば、紹介しているミュージシャンが、僕がカバーしていた範囲と全く違う。とうか知らない。かろうじて、ブルース・スプリングスティーン(でもアルバム通しで聞いた事ない)と「SMiLE」で気になっていたブライアン・ウィルソンぐらい。
もっとも、知っているミュージシャンだったら、わざわざ村上春樹に解説してもらうまでもないですよね。でも、自分でも知っているミュージシャンを村上春樹がどう料理するのかは、知りたいですよね。知らないミュージシャンであってもあの「夢で会いましょう」の村上春樹が、どう料理して紹介してくれるのかが楽しみですよね。
つまり、紹介しているミュージシャンを知っていても知らなくても、結論はおなじ、村上春樹がどのような魅力を伝えてくれるか、それが楽しみ。だったら、買ってみるしかない。なんとも自己正当化のための理論ではありますが・・・

12月25日のSMiLE / Brian Wilsonから読み始めているので(電車の中で眠りながら読んだとはいえ、1ヶ月というのは長いですね)それ以前のものと変化があったとすれば、この本の影響のはず。うーん、影響されていても、筆の力が全然及んでませんね。


1月の映画のトドメ

2006-01-31 02:39:32 | 最近見た映画
カメラやさんの店先でみつけた500円DVD。解説もなんにもついてないで、ただ箱のうらに水野晴郎さんの短いコメントが・・・
どうやら発売元はここみたいです。

タイトルは、昔の「キングコング」や昔の「オペラ座の怪人」などカメラのニイムラというところに、全商品リストが載っていました。ああ、ローレンス・オリビエのハムレットもいいですねぇ。

500円ならば、ということで、チャップリンの「街の灯」と「独裁者」を買いました。
夜も遅い時間だったので、今日は観ないつもりでしたが無理でした。つい、「独裁者」を観てしまいました。ついで、てんでその後に「街の灯」。でもこちらはいろんなことしながら見ていたので、途中で止めました。やはり落ち着いてみてみたいものです。

「独裁者」ヒトラーとナチを笑い飛ばしたプロテスタント映画ですが、昨今の小泉政権末期症状的ニュースと妙にダブってみてしまいました。ナチを徹底的に笑いものにするという映画なので、笑いはちょっと表層的な感じがしました。でも、最後の演説はすごいですね。ポツリポツリと自信なさそうに話し始めて、いつの間にか力強いメッセージを述べる、床屋。そして、ふと我に返って、静かに恋人のハンナに語りかける。大勢の聴衆の前で、英雄で終わるのではなく、一人の人間として語りかけることを選んだチャップリン。ここはいつみても感動します。

「街の灯」は、トーキーでありながらも台詞無しの音楽と字幕の映画。おなじみの山高帽の放浪者チャーリーが登場します。チャーリー、かっこいいですね。それに笑いの質が上品ですね。何度みても笑えますね。

映画三昧だった1月を締めたのは、2枚で約3時間半1000円のDVDでした。
安上がりな誕生日プレゼント。