おいみず亭 Family & Friends

美味しい食べ物と知的好奇心、そして楽しい仲間!!

iPodに取り込んだアルバム(その他編)

2005-12-31 19:02:49 | 最近聞いた音楽
ドライブの時のファミリーミュージックとして何枚か取り込んであります。個人的にも嫌いじゃないです。

NARUTO-ナルト-Best Hit Collection
  最近のアニメというのは、新人バンドの登竜門のようになってますね。
Thunder Babies
 Cicada (初回盤Bonus CD)
  槙原のCicadaのおまけについてたものです。おまけです。
槇原敬之
 Cicada
 Completely Recorded
  この人のポップ感覚はちょっと違うなぁ、と思っていたら向こうの世界に飛んでたんですね。復活おめでとう。
Andrew Lloyd Webber
 Phantom Of The Opera
  「オペラ座の怪人」のサントラです。現在は2枚組の完全版も出ていますが、こちらは1枚もの。それでも十分楽しめます。
劇団四季
 CATS
  ロイド・ウェッバーがT.S.エリオットの猫の詩に曲を付けたミュージカル。という説明も、もう不要でしょう。すばらしいです。

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iPodって基本的に、一曲ずつ聞くものなのかもしれません。でも、昔からシングル盤を買わなかった(どうせ買うならアルバムで買っていた)ので、音楽を聴く単位が「アルバム」で計るようにできてしまっています。この凝り固まった考え方を変えないといけないのかもしれませんが、やはり「アルバム」を単位として聴いてしまうという事実があります。iPodも「アルバム」を再生するような機能を増やしてもらいたいです。(メドレーとかライブの再生に考慮してもらいたいですね)

iPodに取り込んだアルバム(ポップス・ロック編)

2005-12-31 18:54:56 | 最近聞いた音楽
つづいて、ポップス・ロック編

Captain Beefheart & The Magic Band
 Trout Mask Replica
  短い曲が28曲も入っている問題作。アバンギャルドという言葉がぴったり。
Cyndi Lauper
 The Body Acoustic
  シンディーローパのセルフカバー。アコースティック作品。
  ジェフベックとの共演が良いです。
Electric Light Orchestra
 A New World Record
 Out Of The Blue
 Discovery
  iPod購入直後に聞きまくりました。
  この3枚の中ではA New World Recordが気に入ってます。
Faust
 Faust
 So Far
  ドイツのプログレバンド。アバンギャルドかと思うと、妙にポップな曲作ったりと、とにかく実験精神旺盛。
Frank Zappa
 You Can't Do That On Stage Anymore Vol.2
  フランクザッパ御大のライブ完全再現版。長いけど、聞いてると気持ちよい。
  観客とのやり取り
   「ウィッピングポストやってくれ!!」
   「ウィッピングポストねよしわかった・・・ああでもまだ練習してないんだ」
Grateful Dead
 American Beauty
  Gデッドの軽い感じの1枚。ポップな曲が魅力的な名盤です。
Jeff Beck
 Blow By Blow
  ジョージ・マーティンが作り上げた珠玉の名作。
Kate Bush
 The Whole Story
  不思議少女ケイトブッシュのベスト版。良質なポップロックに仕上がっています。
King Crimson
 USA
  「太陽と戦慄」を生んだクリムゾンのアメリカライブ。
  ボーナストラックの2曲がとてもよい。なぜこれがLP時代に採用されなかった?
 The Power To Believe
  ヌーボメタルクリムゾンの完成形。宮殿に匹敵する名盤だと思います。
Klaus Schulze
 Irrlicht
  クラウスシュルツのソロ1作目。ドイツのプログレのイメージそのまま。
Led Zeppelin
 Houses Of The Holy
  Zepはなぜかこのアルバムを取り込みました。聞いてて楽しいですよね。名盤!!
Paul Butterfield's Better Days
 Better Days
  ブルースのウラ名盤(?)。Zepも演奏しているNobody 's Fault But Mineが聞けます。
Pink Floyd
 Atom Heart Mother
 Meddle
 Dark Side Of The Moon 
  それぞれ大作ですが、意外にアコースティックな小品に惹かれたりします。
 Relics
  初期フロイドのベスト版。アーノルドレーン、星空のオーバードライブ、どれも美しい。
Queen
 Jewels - Very Best Of Queen -
  説明不要の1枚ですね。編集物では「ロックス」もあわせて聞いてみてください。
Robert Fripp & Brian Eno
 The Equatorial Stars
  12星座をモチーフにしたアルバム。宇宙的な音が心地よい眠りを誘います。
Brian Wilson
 Smile
  名作ですよ、名作。
Robert Wyatt
 Rock Bottom
  ロバート・ワイアット+カンタベリーオールスターズによるお祭り的なアルバム。
  祝祭の時の向こうに、ロバート・ワイアットの情念が見え隠れする。
Ry Cooder
 Ry Cooder
  ライクーダーの音楽の旅の出発点。デビュー版にして名作です。
Santana
 Lotus
  1974年サンタナバンド来日時のライブアルバム。横尾忠則のアルバムジャケットも話題になった名盤。
  最近のカルロス・サンタナに興味があるかたは是非聞いてみてください。良い意味で、ずっと同じ事やってますから。
Soft Machine
 3
 6
  彷徨えるバンドソフトマシーンのエルトンディーン時代の作品。3の「ムーン・イン・ジュン」が出色。
  この時期の作品ではLP時代に買った5が気に入ってます。
Stevie Wonder
 Talking Book
 Innervisions
 Fulfillingness' First Finale
  スティービーワンダー初期3部作。この後、長い療養生活を経て名作「キーオブライフ」を発表します。
  しかし、この3部作も見逃せません。特にインナービジョンを聞くと「ああ、生きている事は素晴らしい事だなぁ」という気分になります。必聴!!
Tangerine Dream
 Td
  「フェードラ1,2」「ルビコン1」「ストラトスファー」がパックになったお買い得品。
  「リコシェ」が入っていないのが残念。
The Allman Brothers Band
 The Allman Brothers Band
 Idlewild South
 At Fillmore East
  1stアルバムの最初の音からオールマンの音ができ上がっています。
  最近はフィルモアライブの完全版が出てるようなので聞いてみたいですね。
The Beach Boys
 Sunflower
  村上春樹のお勧め。ペットサウンドと聞き比べてみたい。
The Carpenters
 Now & Then
  名曲ぞろいのカーペンターズのアルバム。LPのB面にあたるラジオ番組風の作りも面白い。
The Eagles
 The Best Of
  「デスペラード」「我が愛の至上」「呪われた夜」と「カリフォルニア」前にも名曲ぞろいです。
The Who
 Who's Next
 Quadrophenia
  トミーから続く3部作。カラッとした音が、イギリスらしくない。文学青年のようでもあり、パンクのようでもある。
Todd Rundgren
 Singles
  トッド・ラングレンはシングルチャートを意識した事があるのだろうか? にもかわらず、名曲が揃っています。プログレでありアバンギャルドでありそしてソウルフルである。
U2
 How To Dismantle An Atomic Bomb
  iPodといえばU2。不良おじさん達は、カッコいいですね。
Yes
 Tales From Topographic Oceans
  来日したときにインスパイアされて作った詩に基づいた作品。一曲一曲が長すぎます。「海洋地形学の物語」は一度詩をちゃんと読んでみたい。どこかに翻訳は無いか?
 The Ultimate Yes
  イエスの足跡を2枚のCDにまとめたベスト版。「危機」は入ってないが、「悟りの境地」や「同志」のような大作も含まれています。入門用、あるいはお手軽Yesの歴史を振り返るのに良いと思います。

iPodに取り込んだアルバム(ジャズアルバム編)

2005-12-31 18:51:31 | 最近聞いた音楽
年の瀬という事で、総集編です。
8月に購入したiPod。様々な障害を越えて、最近は安定稼働しています。
この4ヶ月で取り込んだアルバムのリストです。

まずは、ジャズアルバム編

Chick Corea
 The Leprechaun
  リターントゥフォエバー+弦楽器による、愛らしい妖精(レプラコーン)の物語。
  チックコリア名義の「浪漫の騎士」か?
Gary Peacock
 Tales Of Another
  キースジャレットスタンダーズの原点。
  これぞECMジャズという名盤!!
Keith Jarrett
 Arbour Zena
 The Celestial Hawk
  ともにウィズ・ストリングもの。ピアノソロの世界観が拡張されています。
 The Koln Concert
 Staircase
 Dark Intervals
 The Melody At Night, With You
  こちらはピアノソロ。ケルンの美しさ、ダークインターバルの荘厳さ、ステアケースのミニマルミュージックのようなピアノ、そしてメロディ~の寛いだ感じと、それぞれ個性が光ります
Keith Jarrett Trio
 Somewhere Before
  初期アメリカントリオのライブ版。リラックスした雰囲気です。
Miles Davis
 Live Evil
  マイルスはなぜかエレクトリックものを取り込んでます。ライブでのキースジャレットが光っています。ドラムはジャック・デ・ジョネット。Tales Of Anotherのさらに原点?
  エレクトリック・マイルスはときどき理解不能なアルバム作りますが、これは大変乗っている時期の作品だと思います。バンドとしてのまとまり感があって、とても良いできになっています。
Return To Forever
 Where Have I Known You Before
  シンセサイザーを使ったロックのような曲の合間に短いピアノソロがはさまれています。
  私にとって「これぞクロスオーバー」という一枚!!
Shakti With John McLaughlin
 Shakti With John McLaughlin Live
  マハビシュヌ・ジョン・マクラフリンとインドのバンド、シャクティとの共演ライブ。全編インド音楽しているジャズが繰り広げられます。
Stanley Clarke
 Journey To Love
  ジョン・コルトレーへのオマージュ。

ツゲ

2005-12-27 02:41:22 | 庭の草花
庭のツゲの木を3本抜きました。

今の庭ができてからずっと毎日ながめていた木なのですが、ここ数年あちこち枯れてきて、枝ぶりがひどい格好になってしまいました。それでもヒコバエがどんどん出るので根っこは丈夫だったのでしょう。
20年一緒にいると、情が移るというのも変ですが、枯れてきたからといって抜いてしまうのもちょっとためらわれていたのですが、あまりにもぶざまな格好をさらしているのもかわいそうなので抜いてしまう事にしました。

毎年お願いしている植木屋のおじさんが、昨日下見に来て「まだ生きているからなぁ」と根っこごとぬくのは大変だというよな顔をして「あした午後から来てやるよ」、と帰っていきました。そして今日会社から帰ってくると3本とも跡形も無くきれいさっぱり無くなっていました。それこそ、感傷に浸る余地も無く、きれいさっぱり抜かれていました。あまりの潔さに、これこそプロの仕事と感心してしまいました。

それにしても3本のうちの1本は2m近くの大木。20年も根を張っていたのを3本も抜いて、手間賃はいくらかかるんでしょう。請求書見るのが怖いです。

SMiLE / Brian Wilson

2005-12-25 03:21:18 | 最近聞いた音楽
僕がロックを聞き始めた頃、既にビートルズは銀幕の中でGet Backの演奏を終えていました。
その頃でさえ、ビーチボーイズという名前は何とな懐かしいオールデイズの様に感じていたものです。

それでもブライアン・ウィルソンは、能天気なアメリカンポップスのように聞かれていたビーチボーイズのハーモニーとメロディーの中に別の可能性を見いだしていたのでしょう。1966年に発表した「ペット・サウンド」そしてそれに引き続き制作された幻の作品「スマイル」は今でも(時を隔てたからこそ)評価が高まっている感があります。

1966年~67年にはビートルズは「ラバーソウル」「リボルバー」として「Sgt.ペパーズ」を発表していますが、ビルボードヒットチャートをではハーブ・アルバートやモンキーズという名前が見られます。1967年にはモンタレーポップフェスティバルが開かれて、時代の流れはポップスからニューロックに移り変わろうとしています。その中で、ビーチボーイズの音楽はレコード会社から見れば「消耗品」に分類されていたのではないでしょうか?  今日のようなサンプリングマシンはおろか、十分なマルチトラック録音もままならない当時、画期的な録音方法を用いて時間と資金を要したと思われる「スマイル」の様なアルバムは、レコード会社にとってみれば無用の長物だったのかもしれません。結局「スマイル」のコンセプトを否定されたブライアン・ウィルソンはその後薬物に溺れ、全うな社会生活も送れないような状態に陥ってしまいます。

しかし、時を隔てて2004年に幻のアルバムと同じタイトルを持った「SMiLE」がブライアン・ウィルソンのソロアルバムとして発表されました。ライナーノウツを読むと、ブライアン自身は「スマイルは捨てられた音楽だ」と当時のスマイルと新しい「SMiLE」が違うものだと言っています。それでも、世間的には「あのスマイルがやっと発表された」というとらえ方をされている事と思います。

先にも書いたようビーチボーイズは、ノスタルジックな音楽としてとらえていたので、実はあまり聞いていません。というか、ヒット曲位しか知りません。それでもこの「SMiLE」を聞くと、これがビーチボーイズ名義で発売されていない事が不思議なぐらいに感じられます。まるで、ブライアン・ウィルソンの空白の時代を埋めていくかのように、アルバムの最初から最後までビーチボーイズ風のコーラスとメロディーが次々と湧き上がっては消えていきます。なんだかとても幸せになるアルバムです。まさに自然と微笑んでしまうような、「ああ、聞いて良かったなぁ」と思えるアルバムです。
アルバムの締めくくりは「グッド・バイブレーション」(日本版はボーナストラックが入っています)。この曲を聴いたときには、ああやはりあの「スマイル」にこだわっていたんだなぁ、と感じました。

確か、今年の最初の頃だったと思いますが、来日したブライアン・ウィルソンのインタビューをテレビで観ました。その時の印象は、やはりこの人は何か大切なものを置いてきてしまったのかな、と思いました。やはり、薬物中毒の後遺症が残っているのでしょうか、どこか遠いところを見ているような目つきでした。でもそれは、時を隔てた活動的だったころのビーチボーイズの時代を見ていたのかもしれません。「SMiLE」によって、空白の時代を取り戻して、今後さらに新しい音楽を生み出していって貰いたいと思います。

SMiLE / Brian Wilson


クリスマスの猫/ロバート・ウェストール

2005-12-23 12:22:44 | 最近読んだ本
クリスマスの夜には、世界中の至るところで不思議な奇跡が起きます。
この本の舞台になっているのは1934年のロンドン。キャロラインは牧師のおじさんの家に預けられています。おじさんの家では家政婦が大きな顔をしておじさんでさえかなう事ができません。キャロラインは家政婦の言いつけで外に出る事を禁じられ、寒い部屋の中に閉じこめられて暮らしています。キャロラインの友達といえば、おじさんの家の馬屋をねぐらにする身重の猫と労働者階級の子どもボビー。力を合わせて猫を守ろうとするキャロラインとボビー。そして意地悪な家政婦と、クリスマス間近だというのにだれにも相手にされない牧師のおじさん。そんな人間界の出来事とはお構いなしに猫は母親になる準備を始めます。
そして、クリスマスの日、猫の出産により、人々の心の底に溜まっていた澱が解消されます。

1934年のロンドンの片隅で起きた、小さな小さな奇跡。子どもたち、孫たちに語り継げるような、心温まるお話。そんなお話を胸に秘めていられることはとても幸せな事かも知れません。


クリスマスの猫

Rock Bottom /Robert Wyatt

2005-12-18 06:12:21 | 最近聞いた音楽
このアルバムを聞くと「情念」という言葉を思い浮かべます。

サイケデリックロック台頭期、ロンドンのUFOクラブでは、シド・バレット率いるピンク・フロイドや、ソフト・マシーンといったバンドが、サイケデリックなポップ・ロックを演奏していたそうです。ロバート・ワイアットはそのソフト・マシーンのドラマーでした。ピンク・フロイドはギタリストがデイブ・ギルモアに代わり、その後大作主義路線に進み、商業的にも大成功を治めました。一方、ソフト・マシーンは、オリジナルメンバーが次々と脱退して、アルバムを出す事にメンバーチェンジを繰り返すという不安定な活動を行いつつも、サックスのエルトン・ディーンの参加とともにジャズ・ロック・バンドとして歩む事になりました。
もともとフリーフォームなロックを目指していたソフト・マシーンとジャズ・ロックに向かい始めたソフト・マシーン、オリジナルメンバーであるロバート・ワイアットと他のメンバーの距離はどんどん離れていってしまいました。ロバート・ワイアットはなにかのインタビューで「リズムというのは、もっと自由なものだ」というようなことを言っていました。ところが、ジャズ・ロックに向かったソフト・マシーンは、反復するリズムの上にサックスが自由に吹きまくるという形をとるようになっていきました。ソフト・マシーンのアルバム「3」「4」を聞くと、初期のフリーフォームなドラムスタイルで通そうとするワイアットと他のメンバーの距離が感じられます。

やがて、ワイアットはソフト・マシーンを脱退して、ソロアルバム「The End Of An Ear」という渾沌としたアルバムを作成します。その後マッチング・モールというバンドをつくり「Matching Mole/そっくりモグラ」「Matching Mole's Little Red Record/そっくりモグラの毛語録」というアルバムを発表します。マッチング・モールは、ギター、ベース、キーボード、ドラムという普通のロックバンドの形をとりながら、即興的ななジャズロックを演奏するというロバート・ワイアットにとって理想的なソフト・マシーンを実現したバンドだったのかもしれません。

マッチング・モールの活動がうまく進みかけたときに、ロバート・ワイアットは2階から落ちるという事故に遭い、ドラマーとして致命的な脊髄の損傷を追い、車いす生活を余儀されなくなってしまいました。

ふつうならここで、ミュージシャンとしての生活をあきらめてしまうのですが、書きためた曲をもって復活したのがこのアルバム「ロック・ボトム」です。復活した彼の元に、マイク・オールドフィールドやニック・メイスンなど縁のあるミュージシャンが集まってこのアルバムが作成されました。

1曲目の「Sea Song」のゆっくりとしたリズムとキーボードが、深い海の底から復帰したワイアットが新鮮な空気を胸一杯に吸い込んで喜びを噛みしめているように思われます。そして2曲目、3曲目と徐々にテンポをあげてLP時代のA面は終わります。

ソフト・マシーンからマッチング・モールまで、どちらかというと自由奔放という感のあったあのドラムはもう聴く事ができませんが、このアルバムでは喜怒哀楽がうまいこと濾し出されたような深みを味わう事ができます。

Rock Bottom(LPはこのジャケットでした)



Rock Bottom


The End Of An Ear


Matching Mole


Little Red Record

四重人格/ピート・タウンゼンド

2005-12-13 02:01:15 | 最近読んだ本
時間があったので、会社の帰りに新宿のサザンテラスにある紀伊国屋に立ち寄った。
閉店時間が迫ってきたが、なんとなく物足りなかったので、三越にあるジュンク堂に行ってみた。
ジュンク堂に寄ったのは2度目だが、書棚の間を歩いていると、まるで図書館にいるような錯覚に陥ってしまう。
レイアウトも図書館的だし、書籍数も図書館並だ。これだけ本があると、ぶらぶらと本を探している場合ではない。気になった書架の前に立ち止まり本を眺め始めたら最後、半日ぐらい優に過ごせそうである。紀伊国屋にしても同じぐらいの本の数を取り扱っていると思うのだが、この店はなんだか落ち着いて、居着いてしまう、そんな雰囲気がある。
が、しかし、時計を見ると閉店まであと15分。少し急いで書架の間を歩いていると、ピート・タウンゼンドの「四重人格」を見つけた。ちょっと気になっていた本なので、閉店時間が迫っていた事もあり、ためらうまもなく購入。

原題は「Horse's Neck」といい、13編の短編が馬と関わりがある物語になっているそうだ。馬は、夢の中では母親のイメージだそうで、つまり各短編の中で、主人公と母親の関係が述べられている。

帰りの電車の中で、最初の数編を読んだが、小説というよりは(翻訳の影響もあるのだろうが)散文詩に近い。短い文章で、夢とも幻想とも付かない場面が次々と展開する。その各場面は、もがいても逃れられない悪夢のように非常に苦しいが、同時に懐かしく美しい。

「QUADROPHENIA」フーのアルバムの邦題は「四重人格」だが、それを原作とした映画「QUADROPHENIA」の邦題は「さらば青春の光」。この「Horse's Neck」も「さらば青春の光」としたほうがぴったりだったような気がするが、それではあまりにも内容を言い表しすぎて、つまらなくなってしまうか・・・

指を切ってしまった・・・

2005-12-11 02:39:16 | 亭主独白
大根の葉っぱを細かく刻んでいたら、ついうっかりと指を切ってしまいました。
指というよりは、爪ですね。左手の人さし指の爪を斜に切ってしまいました。
幸い傷はれほど深くないようなので、痛みは無いのですが、切った爪の先がつながっていて、根本の方が切れた感じです。今後爪が伸びていったらどうなるのか・・・
左手の人さし指が使えないので、キーボードたたくのが大変です。

イルリヒト

2005-12-09 02:19:28 | 最近聞いた音楽
クラウス・シュルツが、タンジェリン・ドリームを抜けた後に出したソロの1作目です。1972年の作品。
タイトルは「鬼火」という意味だそうです。

クラウス・シュルツというと、2つの連続音の作り出す「うなり」のような音が延々と続くというイメージがありますが、ソロ1作目からしてまさに「それ」です。ベースとなる音は、本物オーケストラを使って録音したそうです。当時の電子楽器ではサンプリングしてから加工するなんて無理ですから、延々と同じ音を演奏し続けていたのでしょうか。

アルバムは20分を超える大作「大地」とそれに続く5分の「雷雨」、そしてLPではB面に当たるこれまた20分をこえる大作「マリアの追放」の3曲構成。「大地」ではオルガンかオーケストラかわかりませんが(シンセサイザーのようにも聞こえるが、このアルバムではシンセは使っていないらしい)これが「ぶぉ~ん」というしずかなうなりをあげています。そこに映画のカットバックのようにオーケストラのストリングの音が差し込まれています。それはまるで、夜汽車の中で時々通り過ぎる町の雑踏を聞いているような、ちょっとだけほっとできるような音です。しばらくすると、静かにパイプオルガンの音が聞こえてきます。ただし、1つの鍵盤を押し続けているような連続音。気がつくいくつもの音が積み重なっています。オルガンのおとがどんどん厚みを増して、さして大きくなっていきます。それはまるで、先ほど通り過ぎてきた町の上に覆いかぶさる神の怒りのような聞こえてきます。その音がどんどんどんどん大きくなっていって、最後に雷の音。そして「雷雨」に引き継がれます。
「雷雨」では、今までの静けさが一転して、ガラスをひっかくようなキーキーした音が出てきます。イヤフォンで聞いていると、ちょっと大変な事になります。

が、しかし、実はこんなのが好きです。
延々と繰り返される「うなり」。その「うなり」が、緩やかなリズムとなって、少しずつずれながら繰り返される。そしていつしか違う展開になっていく。こんな曲を聴いていると、つい、自分の家に帰ってきたような気分になってしまいます。こういうの、好きなんです。

イルリヒト/クラウス・シュルツ


ジョン・レノン

2005-12-09 01:36:29 | 亭主独白
12月8日でした。
25年前のその日、僕は千葉県の柏にいました。大学が近くにあったので、友人と柏に出て、ボーリングをしようと思っていたところです。その待ち時間に、近くのレコード屋を覗いてみると、ダブル・ファンタジーのジャケットがディスプレイされていて、その真ん中にジョンがピストルで射殺されたと書いてありました。
何かの間違いである事を望みつつも、家に帰ってニュースを見ると、はたしてジョンの死亡のニュースが流れていました。

そして12月8日、ジョンと同じ日を選んだかのように死んでしまった友人のO。人懐っこい笑顔も、笑い声も覚えているけど、もう聞くことはできない。残されたほうも、けっう辛いんだよ。

慈愛への旅

2005-12-06 03:53:49 | 最近聞いた音楽
スタンリー・クラークの登場です。
スタンリー・クラークといえば、チック・コリアのリターン・トゥ・フォエバーの若きばかテクベーシスト。ソロ4作目の「スクール・デイズ」ではベースをギターのように弾きまくって、それはちょっとやり過ぎじゃないかと思ったのですが、こちらはその一年前の75年の作品。

この「ジャーニー・トゥ・ラブ」には「Song to John」というコルトレーンに捧げられた曲が入っています。チック・コリアやジョン・マクラフリンとスタンリー・クラークがコルトレーンに思いを寄せながら、プレイを重ねていきます。発売当時邦題は「慈愛への旅」となっていましたが、コルトレーンの「至上の愛」を受けての事だと思います。

70年の半ば頃「フュージョン」と呼ばれるような今までのジャズと違った、ロックの香りが溶け込んだジャズがはやりました(いまもはやっているのかもしれませんが・・・)。「フュージョン」がはやるほんの少し前、「クロスオーバー」と呼ばれている音楽がありました。ジャズのミュージシャンと、ロックのミュージシャンがそれぞれ歩み寄ってちょうど出会ったところにあったのが「クロスオーバー」です。呼び方の問題ではありますが、「フュージョン」がどちらかというと洗練された感じであったのに対して、「クロスオーバー」と呼ばれていたものはもう少しファンクッぽい感じがありました。

このアルバムにジェフ・ベックが参加しています。曲によってはベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」とも似ている感じのものもあります。75年当時に聞いたときは、本家リターン・トゥ・フォエバーなとど同じく、とても新鮮な音楽に聞こえました。今、あらためて聞くと、当時の音楽状況がよくわかるような気がします。
といっても、単に考古学的価値だけではなくて、今聞いても十分楽しめるアルバムだと思います。

ジャーニー・トゥ・ラブ/スタンリー・クラーク

CATS

2005-12-05 01:40:45 | 劇団四季
CATSのDVDを買ってきました。ロンドン公演のオリジナルメンバーによるものです。ビデオ用に撮影されたものですが、歌と踊りのうまさに感激して、一気に2時間、家族で食い入るように見ていました。劇団四季版のCATSも良いですが、ロンドン版も良いです。比較して、どちらが良いというのではなくて、醤油のおいしさとソースのおいしさのような感じ・・・といってもわからないですね。曲のアレンジはロンドン版のほうが「バタ臭い」ですね。四季版はぜんたいにあっさりした感じです。
四季版にあった「グロウルタイガー」の話は省略されて、そのかわり「ピークとポリクルの大げんか」が入っていました。「ピークとポリクルの大げんか」に出てくるグレート・ランパス・キャットはスーパーマン風のコスチューム(?)を着ていて、これには笑わされました。日本人的には「そこまでやるか」という感じですが、全体的に一曲ごとのアレンジのメリハリがしっかりしていているようです。

ビデオ作品という事で、ステージでは見れなかった役者の表情をアップで見る事ができるのですが、ラム・タム・タガーというへそ曲がりの不良ネコの顔が、ミック・ジャガーに似ているかな・・・と、気になってしまいました。

それから、オールド・デュトロノミーがとても貫録がありました。このネコは、みんなから尊敬されていて、一緒にいるだけで幸せな気分になれるというキャラクターです。その温かな性格が、見ているこちらにも十分伝わってきて、デュトロノミーが画面に映っているだけでも、見ているこちらまで幸せな気分になってしまいました。

CATSに関しては、歌も踊りも音楽もいろいろな面から感心させられてしまいます。語り尽くせないような魅力を持っています。こんなすごいミュージカルを作り上げたアンドリュー・ロイド・ウエッバーに感謝です。