少し前の事、美狂乱を聞きながら渋谷を歩いていると、神様の声が聞こえました。
神様は、耳元でこう言いました。
Elvis Has Just Left The Building
老水的音楽の神様、いえば一人はマイルス・デイビス。言わずとしれた、ジャズの神様。名プレイヤー、名アレンジャーは数々いますが、ジャズという音楽の枠組みをあそこまで拡張したのは、神様の成せる技だと思います。
あ、老水的神様の条件は、鬼籍にリストされている必要があります。
ロック界での神様といえば、フランク・ザッパ。Elvis Has Just Left The Buildingと言われてしまえばしょうがないでしょう、久しぶりに「Broadway The Hard Way」を聞いてみました。
実はこのアルバム、ちょっと苦手でした。
マザーズ、あるいはソロ名義で出されたアルバムは、アバンギャルドな雰囲気の中にも、ブルースフィーリング、ロックらしいコンボとしての音がありました。
ところがこのアルバム、Make a Juzz NoseおよびThe Best Bandと同じ音源。ホーンセクションを含めた、ビッグバンド構成でおこなったツアーの模様が、前述の3枚に収められています。最初に聞いたときに、分厚い音が、ものすごく暑苦しく聞こえてしまいました。どうも、その印象がいつまでもまとい付いているようで、このアルバムきくと「あー、疲れるんだよなぁ、この音」っていう思いが先に出てきてしまい、楽しめませんでした。
しかし、流石に神様。
今回は、ドンピシャリのタイミングを指定してきたみたいです。iPod(疲れるというのに、何故かiPodには取り込み済み)で再生してみたところ、1曲目のElvis Has Just Left The Buildingから、もう楽しくてつい微笑んでしまいました。
いや、いままでも、ちゃんと聞いてたんですよ。
ビッグバンド構成のツアーメンバー。これは、アルバムで繰り広げているザッパワールドの再現には必要な構成だったのではないでしょうか。アドリブ、ということはあり得ないと思いますが、バンドの演奏は緩急自在。ギター中心のストレートなロックから、シニカルでコミカルな曲、さらにはジャズロックまで、見事な演奏を繰り広げています。
ザッパの持っているいろいろな面がバランスよく取り込まれたこのアルバム、聞き所満載ですが、個人的には11曲目Stolen Momentsから12曲目のMurder By Numbersへかけてのジャズ的な流れ。Murder By Numbersではゲストとしてスティングが加わり、スティング節を聞かせてくれます。カッコいい。
先の3枚のアルバム、それぞれテーマのようなものを持って編集されています。このアルバムは政治的な歌詞の曲が中心に収められたとか。ジャケットも、ザッパものにしては珍しく、ちょっとカッコつけたポートレート。
実はザッパは、88年の大統領選挙に立候補する事を大まじめに考えていたそうです。88年と言えば、パパ・ブッシュとデュカキスの年。本当に立候補していたら・・・ま、いいか。
[Broadway The Hard Way]
1. Elvis Has Just Left The Building
2. Planet Of The Baritone Women
3. Any Kind Of Pain
4. Dickie's Such An Asshole
5. When The Lie's So Big
6. Rhymin' Man
7. Promiscuous
8. The Untouchables
9. Why Don't You Like Me?
10. Bacon Fat
11. Stolen Moments
12. Murder By Numbers
13. Jezebel Boy
14. Outside Now
15. Hot Plate Heaven At The Green Hotel
16. What Kind Of Girl?
17. Jesus Thinks You're A Jerk
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神様は、耳元でこう言いました。
Elvis Has Just Left The Building
老水的音楽の神様、いえば一人はマイルス・デイビス。言わずとしれた、ジャズの神様。名プレイヤー、名アレンジャーは数々いますが、ジャズという音楽の枠組みをあそこまで拡張したのは、神様の成せる技だと思います。
あ、老水的神様の条件は、鬼籍にリストされている必要があります。
ロック界での神様といえば、フランク・ザッパ。Elvis Has Just Left The Buildingと言われてしまえばしょうがないでしょう、久しぶりに「Broadway The Hard Way」を聞いてみました。
実はこのアルバム、ちょっと苦手でした。
マザーズ、あるいはソロ名義で出されたアルバムは、アバンギャルドな雰囲気の中にも、ブルースフィーリング、ロックらしいコンボとしての音がありました。
ところがこのアルバム、Make a Juzz NoseおよびThe Best Bandと同じ音源。ホーンセクションを含めた、ビッグバンド構成でおこなったツアーの模様が、前述の3枚に収められています。最初に聞いたときに、分厚い音が、ものすごく暑苦しく聞こえてしまいました。どうも、その印象がいつまでもまとい付いているようで、このアルバムきくと「あー、疲れるんだよなぁ、この音」っていう思いが先に出てきてしまい、楽しめませんでした。
しかし、流石に神様。
今回は、ドンピシャリのタイミングを指定してきたみたいです。iPod(疲れるというのに、何故かiPodには取り込み済み)で再生してみたところ、1曲目のElvis Has Just Left The Buildingから、もう楽しくてつい微笑んでしまいました。
いや、いままでも、ちゃんと聞いてたんですよ。
ビッグバンド構成のツアーメンバー。これは、アルバムで繰り広げているザッパワールドの再現には必要な構成だったのではないでしょうか。アドリブ、ということはあり得ないと思いますが、バンドの演奏は緩急自在。ギター中心のストレートなロックから、シニカルでコミカルな曲、さらにはジャズロックまで、見事な演奏を繰り広げています。
ザッパの持っているいろいろな面がバランスよく取り込まれたこのアルバム、聞き所満載ですが、個人的には11曲目Stolen Momentsから12曲目のMurder By Numbersへかけてのジャズ的な流れ。Murder By Numbersではゲストとしてスティングが加わり、スティング節を聞かせてくれます。カッコいい。
先の3枚のアルバム、それぞれテーマのようなものを持って編集されています。このアルバムは政治的な歌詞の曲が中心に収められたとか。ジャケットも、ザッパものにしては珍しく、ちょっとカッコつけたポートレート。
実はザッパは、88年の大統領選挙に立候補する事を大まじめに考えていたそうです。88年と言えば、パパ・ブッシュとデュカキスの年。本当に立候補していたら・・・ま、いいか。
[Broadway The Hard Way]
1. Elvis Has Just Left The Building
2. Planet Of The Baritone Women
3. Any Kind Of Pain
4. Dickie's Such An Asshole
5. When The Lie's So Big
6. Rhymin' Man
7. Promiscuous
8. The Untouchables
9. Why Don't You Like Me?
10. Bacon Fat
11. Stolen Moments
12. Murder By Numbers
13. Jezebel Boy
14. Outside Now
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17. Jesus Thinks You're A Jerk
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