おいみず亭 Family & Friends

美味しい食べ物と知的好奇心、そして楽しい仲間!!

深紅之道標・寄道之二回

2006-10-31 04:16:27 | King Crimson
Still / Pete Sinfield(1973)



寄道の2回目は、「Still」と決めていたのですが、すっかり忘れていました。LPを引っ張り出して、予習してから書こうとおもったら、見つからない。う、売ってしまったのか・・・。それでは、とwebで検索。yahoo.comで検索したら、3,4番目にevergreenさんのIronRoseが見つかりました。

ピート・シンフィールドの「Still」。イグアナの口の中でまどろむ少女。ちょっと「蛇に飲み込まれるヒバリの舌」みたいですが、なんともロマンチックなジャケットです。

このアルバムは、クリムゾンを脱退した後に発表したソロアルバムです。といってもクリムゾンの特に「宮殿」のような世界を求めていると、肩透かしをくいます。なにしろ「Islands」までたどり着いてしまった人です。気持ちの良い楽園の孤島で、のんびりと自分の世界をつくりあげていくような、なんとものびのびとした解放感のあるアルバムでした。

オープニングは「Song of the Sea Goat」。カモメの声から始まるあたりいかにも南の島です。大海原から昇ってくる山羊座のように雄大な曲です。

アルバムのA面のラストだったと思いますが、タイトル曲の「Still」前半はシンフィールド、後半はその歌声をグレッグ・レイクが引き継ぎます。このアルバムの中で、もっとも有名な曲がこの「Still」だと思います。私は、この曲にまいって、このアルバムを買いました。

ピート・シンフィールドというのは不思議な詩人です。彼の書くいくつかの詩は、それを読むものを詩人にします。この「Still」もそんな詩の一つだと思います。

 川の流れであることとは、
  どのようなことであろうか
 闇のなかから沸き出でて
  苔むした水車を回し
   海への道をたどり始める。
 その流れに身をゆだねるときには、
  物事を識別する必要もないということか。
   ―私にはまだ解らない。

 木としてあるということは、
  どのようなことであろうか
 季節を司る妖精達に傅かれ
  大気の流れに枝を揺らし
   冷たい風を身にまとう。
 その年輪を読み解くときには、
  理性を封印する必要もないということか。
   ―私にはまだ解らない。



機会があったら、もう少し読み込んでから、ちゃんと訳してみたいと思います。でもその前にCDを買おうか・・・



[Still]
1.The Song Of The Sea Goat
2.Under The Sky
3.Will It Be You
4.Wholefood Boogie
5.Still
6.Envelopes Of Yesterday
7.The Piper
8.A House Of Hopes And Dreams
9.The Night People



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秋の庭

2006-10-31 01:52:14 | 庭の草花
昨日は、久しぶりに庭の手入れをしました。
といっても午後遅くから始めたので、庭の片隅の草を抜いて、買ってきた苗を植えただけ。それだけなのに、今日は体中筋肉痛。疲れたけど、久しぶりの土の感覚がうれしかった。

今日植えたのは、アリッサムとオレガノ。タイムも一株。冬の寒さに耐えて無事育ったくれるといいのですが。

夏の前に掘り出したチューリップの球根が、保管していた場所に湿気があったのか、良い感じで根が出ていました。急きょチューリップを植える場所を作ってやりました。

夏のあいだ茂りに茂ったドクダミはいつの間にか姿を潜めていました。でも、根っこがはびこっているので、来春が大変。去年あたりからはびこり出したのが、ヘクソカズラ? あちこちの木に絡まっているので、これをすこしだけど取りました。松にもモクレンにも百日紅にもからまって、もうたいへんです。何故急にはびこり出したのか不明。

月桂樹が延びていたので、枝を刈り取って、少量を陰干しし始めました。良い香りがするといいのですが・・・月桂樹って葉がすごく密に茂るので、どうやって剪定した良いのかよくわかりません。適当で良いのだろうか。

1メーターぐらいに延びてしまったシソが二株。葉が落ち始めたので抜こうかと思ったのですが、種をもとめてかスズメ達が集っているのでやめました。

ダチュラがまた蕾をつけていました。1ヶ月ほど前に3度目の花を咲かせたのに、今年は4回目。開花を重ねるごとに香が濃厚になっていきます。4回目はどうなることでしょう。

雑草が枯れてきた秋から冬にかけて、花は終わったけど、庭の手入れはこれからが本番です。

ブラッカムの爆撃機 / ロバート・ウェストール

2006-10-28 03:33:26 | 最近読んだ本



クリスマスの猫」からほぼ10ヶ月、2冊目のウェストールは「ブラッカムの爆撃機」
久しぶりのウェストールですが、我家では梨木香歩と並んで「出たら買う」作家です。とはいえ、この作家を知ったのはかなり最近、一昨年子どもが塾からもらってきた受験のための推薦図書。そこに「ゲド戦記」などと並んでウェストールの作品が何冊か載っていました。

ウェストールの作品は、戦争を扱ったものが沢山あります。第二次世界大戦を背景とした児童文学、それがウェストールのイメージです。本の装丁もなんとなく古くさい(?)感じがします。てっきり第二次大戦で従軍した年齢のかたかと思っていました。作品を読むと、それぐらい戦争の時代をリアルに感じることができます。
ところが、実際は1929年生まれ。10代で第二次世界大戦を体験しています。現代の作家だと知ったときは、びっくりしました。イメージと実際のギャップ。それだけ実直で力強い作風なのかもしれません。

「ブラッカムの爆撃機」は、宮崎駿のマンガによる作品紹介と解説が本文を挟んでいるます。一粒で2度おいしい作りになっています。さらにウェストールのパートナー(?)だったリンディ・マッキネルによって、彼の生い立ちが語られています。お買い得感いっぱいの一冊です。

全部で222ページ、前後に宮崎駿と解説があるので、本文だけだともっと薄い本です。本は薄いのですが、中身は厚みがあります。表題作はウィンピーというイギリス空軍の爆撃機でドイツまで夜間爆撃に出撃するクルーの通信士が主人公。常に死と隣り合わせという切迫感。ドイツ軍の戦闘機のパイロットの死によって、主人公にとって死はより現実感のあるものとして迫ってきます。

ウェストールは、戦争の悲惨さを描くわけでもありません。もちろん、ヒトラーと戦うイギリス軍を美化するわけでもありません。まるで、実際に経験したこと語るかのように丁寧に描いています。その丁寧な描写によって、読者も個性豊かな爆撃機のクルーとして、一緒に出撃しているかのような気分になります。
クルーと一緒に出撃し、ああ今日も生きて帰って来ることができた、と感じる瞬間。でも、自分の生きている代わりに亡くなっていった人がいます。生と死の取引。一歩間違えば、今度は自分が死のカードを引くことになります。気がついたら、戦争の中で生きるということを、主人公と一緒に考えていました。さすがにウェストール。派手なところはありませんが、骨太の児童文学です。




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A Young Person's Guide to King Crimson (Vol.4)

2006-10-23 01:08:39 | King Crimson
Red(1974)



デビッド・クロスがメンバーから抜けてしまっい、トリオ状態になったキングクリムゾン。ある意味、クリムゾンの一番クリムゾンらしい核の部分がメンバーとして残っているとも言えます。

この「Red」では、クリムゾンの核に、デビッド・クロス、イアン・マクドナルド、メル・コリンズらの同窓生が参加しています。マクドナルドとコリンズの演奏がまとめて聴けるという意味では、お買い得と言えます。

名曲「Red」で始まるこのアルバム、もう一つのインストルメンタル曲「Providence」(かなり即興的ではありますが、この曲も好きです)の2曲の他は、ジョン・ウェットンの男臭いボーカルを聞くことができます。ジョン・ウェットンファンにはたまらない1枚だと思います。
特に、というか、やはり同窓生が共演している「Starless」の演奏は素晴らしい説得力を持っています。クリムゾンファンの中でも、このアルバムが好きだという人は多いと思います。

ですが、私はこのアルバムが嫌いです。
タイトル曲「Red」はともかく、他の曲があまりにも普通すぎます。歌詞の内容も気に入りません。「Fallen Angel」だの「One More Red Nightmare」だのと、クリムゾンに言われてもちょっとピンと来ません。「Starless」の歌詞は次のように始まります。
 Sundown dazzling day
 Gold through my eyes
 But my eyes turned within
 Only see
 Starless and bible black
「太陽と旋律」にあったような、未来に向かう力が感じられません。この曲ではマクドナルド&コリンズを含めた白熱の演奏が聴けるのですが、それもこれも全てがクリムゾンの「終焉」に向かっています。いや、実際にラストアルバムなので仕方ないこととは言え、全てのベクトルがそちらに向いているというのが、いやらしいというか、詐欺師先生の思うつぼというか・・・

とにかくこのアルバムを聞いて、星のない闇に向けられたキングクリムゾンの目はもう二度と開かないものと思っていました。
それにしても、いろいろな意味で悲しすぎるアルバムをラストアルバムとしてくれたものだと思います。


USA(1975)



このジャケット、シンプルですがとても好きです。同じデザインで「UK」と書かれた海賊版(?)を見たことがあるんですが、UKには自由の女神無いでしょ、といいたくなりました。

1974年、タイトル通りアメリカのアズベリーパークでのライブ。オリジナルのリリースは1975年。2002年にCD化されたときに、オープニングの「Walk On - No Pussyfooting」と「Fracture」「Starless」が追加されています。
さらに、LP時代「21世紀」にかけられていた妙なエフェクト処理がなくなって、聞きやすくなっています。CD化でちょっと期待したのは「Easy Money」。LPではフェードアウトされていたので、ひょっとして最後まで入るかと思ったのですが、やはりフェードアウトしていました。

まぁ、とにかく、完璧じゃないでしょうか、このアルバム。演奏といい、バランスといい、これ以上望めないのではないでしょうか。でも、そんなところが、クリムゾンの行き詰まってしまったところなのかな、と感じています。このアルバムで聞く「21世紀の精神異常者」。もう手慣れたもので、なんとなく熱を感じないんです。そんなところがちょっと気になって、LP時代は購入せず、テープで聞いていました。

CD化されたとき、購入の決め手になったのが「Asbury Park」。この曲をもう一度聴いてみたいとずっと思っていました。この曲では、ノビのあるフリップのギターを聞くことができます。あのアタック音が少なく、管楽器ののような響きの独特のギター、この曲では即興なのかもしれませんが、弾きまくっています。この頃のフリップは、テープレコーダーによるエコーを利用したフリッパトロニクスなんていうアナログなデバイスを使っていたと思います。この曲でもそういうステージの上でのエコー処理をしているのではないかと思いますが、フリップのギター弾きまくり状態のこの曲、実はその次の次ぐらいの活動に繋がっているのではないかと思います。




[Red]
1.Red
2.Fallen Angel
3.One More Red Nightmare
4.Providence
5.Starless

Personnel:
 Robert Fripp (guitar, mellotron)
 John Wetton (bass, voice)
 William Bruford (percussives)
with thanks to:
 David Cross (violin)
 Mel Collins (soprano sax)
 Ian McDonald (alto sax)
 Robin Miller (oboe)
 Mark Charig (cornet)


[USA]
1.Walk On - No Pussyfooting
2.Larks' Tongues in Aspic Part II
3.Lament
4.Exiles
5.Asbury Park
6.Easy Money
7.21st Century Schizoid Man
8.Fracture
9.Starless

Personnel:
 Robert Fripp (guitars, mellotron)
 David Cross (violin, keyboards)
 John Wetton (bass, vocals)
 William Bruford (percussions)
with:
 Eddie Jobson (violin on Larks' Tongues in Aspic Part II and 21st Century Schiziod Man, piano on Lament)

A Young Person's Guide to King Crimson (Vol.3)

2006-10-22 10:45:37 | King Crimson
Larks' Tongues in Aspic(1973)



しばしの活動休止の後に発表されたのがこの「太陽と戦慄」。オリジナルタイトルは「蛇に飲み込まれようとしているヒバリの舌」(あるいは、「ヒバリの舌のゼリーよせ」?)。なんとも不思議なタイトルではありますが、その同じタイトルでパート4(もしくはレベル5)まで作られます。フリップの中ではこのタイトル曲は、重要な位置づけにあったのでしょう。

バンドとしても、フリップ・ウェットン・ブラッフォード・クロスという安定したメンバーが固まり、音楽的にも安心して冒険ができる条件が整いました。
ということで、クリムゾン入門としては、このアルバムあたりから入るのが無難なのではないでしょうか。


尤も、このアルバムでは血と狂気のパーカショニスト、ジェイミー・ミューアが参加しています。いろいろな理由で、クリムゾンをクビになったみたいです。以下、想像ですが、パフォーマンス的にかなり問題があったミューアですが、この人が持ち込んだ「間」が、その後のクリムゾン、特にビル・ブラッフォードのドラムスタイルに大きな影響を与えたのではないでしょうか。この時期以降のクリムゾンの持つただならぬリズム感覚、この「間」を受け入れられるか否かで、クリムゾンへののめり込み度が変ってくると思います。ジェイミー・ミューア、短期間しかクリムゾンに在籍していませんでしたが、いかにもクリムゾンらしい「間」を生み出したということで、実は影の功労者ではないかと思います。

アルバムはブライアン・イーノとの共作「太陽と戦慄パート1」で始まり「太陽と戦慄パート2」で終わります。「太陽と戦慄パート2」は、あたかも活動休止期を越えたキング・クリムゾンの凱旋を謳い上げているかのように聞こえます。



Starless and Bible Black(1974)



インクが染み出したようなジャケットカバー。裏ジャケットは、インクの染みで読めなくなってしまった聖書の1ページ。「This night wondes time」という文字が浮かび上がります。
中ジャケットは、連続模様でデザインされたクリムゾンのロゴ。明るい色使いなのですが、人が近づくことを拒む、天上の世界のようなイメージがあります。
ということで、このアルバムはキリスト教が支配した中世の暗黒時代を象徴しているといわれます。いままでのアルバムに比べて、短い曲が多いのも、再起したクリムゾンが早くも方向性に迷いが出たからではないかと言われていました。

それでも、私の中では長いことこのアルバムがクリムゾンのNo1でした。どの曲も魅力的なのですが、特に好きだったのが「Fracture」。「太陽と戦慄パート2」の焼き直しと言えないことも無いですが、「太陽と戦慄パート2」がどちらかというと「太陽」の部分に焦点が当てられていて「月」の部分が見えなかったのに対して、「Fracture」(「突破口」という身も蓋もない邦題でしたが・・・)では、迷いを振り切って方向性を定めたような曲の構成が気に入っていました。アルバムのラストでこの曲を聴くと、なかなか気持ち良いものを感じていました。

このアルバムが、実はライブの音源をベースにしていると聞いたときには驚きました。ファンの間では有名だった「アムステルダム・ライブ」という海賊版、これがこのアルバムの音源となったライブの海賊版としてかなり出回っていました。
1997年に、音源発掘シリーズのなかで「The Night Watch」として発売されています。ライブの音源をほぼそのまま使ってオリジナルアルバムを作ってしまう、クリムゾンの演奏の技術には本当に感心してしまいました。




[Larks' Tongues in Aspic]
1.Larks' Tongues in Aspic Part One
2.Book of Saturday
3,Exiles
4.Easy Money
5.The Talking Drum
6.Larks' Tongues in Aspic Part Two

Personnel:
 David Cross (violin, viola, mellotron)
 Robert Fripp (guitar, mellotron, devices)
 John Wetton (bass, vocals)
 Bill Bruford (drums)
 Jamie Muir (percussion and allsorts)


[Starless and Bible Black]
1.The Great Deceiver
2.Lament
3.We'll Let You Know
4.The Night Watch
5.Trio
6.The Mincer
7.Starless and Bible Black
8.Fracture

Personnel:
 David Cross (violin, viola, keyboards)
 Robert Fripp (guitar, mellotron, devices)
 John Wetton (bass, voice)
 William Bruford (percussives)

ピクルスの4回目

2006-10-21 09:44:46 | クッキング
ピクルスシリーズ4回目。

カリフラワーが安くなっていたので、カリフラワーのピクルスを作りました。

漬けたのは、カリフラワーとニンジン。
例によって軽く茹でて、ピクルス液に漬けます。

ピクルス液は前回とほぼ同じ。
 白ワイン     130cc
 白ワインビネガー 100ccぐらい
 赤ワインビネガー  50ccぐらい
 ブラックペッパー 10粒ぐらい
 オールスパイス  5粒より多かったような・・・
 ローリエ     2枚
 クローブ     2個
 赤トウガラシ   1本
 ニンニク     1片
 粒マスタード   大サジ1杯ぐらい
赤ワインビネガー少し少なくしてみました。やはりクローブは少なめでOKです。
ブラックペッパー、オールスパイスの量はかなりいい加減になってきました。

毎回「少し濃いめかな?」と思うピクルス液ですが、カリフラワーにはピッタリでした。次回はワインを少なめにしてみようかなと思っています。

流れ者の狂詩曲

2006-10-19 02:55:09 | 亭主独白
と、いうことで、クイーンのあの曲を自由訳。というのかな?
新宿二丁目のお兄さん・・・おねえさん? の喪失と再生の物語。と、感じていただければよいろしいかと 

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薬かって?
そんなものやらないわよ。
酔ってるだけよ。
こうでもしなくちゃ毎日が・・・
そんなこといいじゃないの、ママ。

先のことをちゃんと考えろですって?
そんな、やさしくしてくれなくていいのよ
あたし、つまんない男だったんだからさぁ。

そりゃ、いいときもあったけど・・・
でもね、良かったり、悪かったり。
もう、そんなこといいじゃない。

ね、ママ。あたし男殺してきたの。
こう銃口を向けて。バーン!!
聞いてるママ? あたしの人生、もうおしまいなの。

ママ、ううん、泣かないでね。
明日あたしが来なくても
いつもどおりお店は明けててね。

あら、お酒が切れてきたのかしら
体が震え出した。
幸せな時間も、もう終しまい。
死にそうにつらい現実に舞い戻るのね。

助けてママ
死んじゃう勇気もないのよ。
いっそ、生れてこなきゃ良かったのかな


ね!! だれかいるわょ!!
道化師よ!! 道化師!!
ねぇ、ファンダンゴを踊ってよ!!
きゃあ、雷!! 怖くてふるえちゃった。

ガリレオ、ガリレオ
ガリレオ・フィガロが導いてる

誰かいる。痩せ衰えた男が、そこに。
誰もあたしのこと好きになってくれなかった
あそこにいる貧相な男みたいに
でも、あの人を助けるために、
 何か手助けしてあげられないかしら

なんかこう、ちょいちょいとやって、
そう、ちょいちょいとできるようなこと、

だめだ!! そんなことさせない。 お願いよ!!
だめだ!! そんなことさせない。 だれか助けてあげて!!
だめだ!! そんなことさせない。 よし、あたしが助ける!!
だめ、そんなこと、させはしない。
いいえ、私の気がすむようにさせてもらう!!
だめ。いいえ。だめ。いいえ。だめ。いいえ。だめだめだめだ

ママ、ママ、どうか力を貸して
神様、ヤツらをどこかに追っ払って!!
どうか
あたしに力を貸してぇー

そうやって、あたしのこと見下してる気でしょぅ!!
そうやって、あたしのこと独りぼっちにする気でしょ?
そんなのもう、平気なんだから。
もう出てってやる。
出てくから。
出でく。今すぐ、ここからね!!


あら、やだ
思ったより簡単だったわね。
たいしたことじゃなかったわ。
あとは、そうね、風任せかな・・・

自由訳イマジン / 新井満・訳

2006-10-18 04:25:52 | 最近読んだ本
Imagine there's no heaven
it's easy if you try
no hell below us
above up only sky
imagine all the people
living for today...

あまりにも有名なこの歌詞、改めて自分の言葉で訳そうとした新井さん、すごいものだと思います。



しばらく前に、この本を読んで、感想を書かなくては・・・とおもいつつ今に至っています。

新井満による「自由訳」イマジン。なるほどこういう方法もあるんですね。自由訳も読んでみたかったのですが、それより洋子さんとの対談に興味があって読みました。

対談の中で、新井満と洋子さんは、キップリングの詩を引用して、ジョンとヨーコの関係は西と東の出会いだと話していました。もともとジョンにはタオ的なところがあって、それがヨーコ=東洋と出会って、ジョンの作品や生き方がますます老荘思想的になっていったとか。

ま、一番身近な洋子さんがそう言うのですから、これは間違いの無いことでしょう。ジョン自身がタオイズムだということは気がつきませんでした。
面白かったのは、新井満が「大器晩成」について話したこと。老荘思想で言う「大器晩成」とは「完成するようじゃ大物じゃない」ということらしいです。つまりいつまでも未完成であり続けること、これが大器晩成だそうです。
ビートルズといまだ若い時期に功を成したジョン。そしてその後のソロ活動でも、数々のヒットを生み出しています。若くして大成したようなジョンですが、「ダブル・ファンタジー」で、それまでのわだかまりを捨てて、新しい姿を見せてくれたました。多くの成功を収めてきたようなジョンですが、これから新しいジョン・レノンとして活動しようとしたその時に、志し半ばでこの世を去ってしまいました。洋子さんが「大器晩成」型だといっていたジョン、生きていたらそれまでのわだかまりを捨てた、本当のジョン・レノンとして様々な作品を聞かせてくれていたことでしょう。

ところで、私はジョンとヨーコの関係、西と東の出会いというよりも、男性と女性の出会いではなかったかと思っています。どちらかというと女性的な感性のジョンと、男っぽい感性のヨーコさん。男性的・女性的という二元的な物ではなくて、男性的なものと女性的なものがうまく融合して、そしてでき上がったのが「イマジン」ではないでしょうか。
今の社会は、どちらかというと男性的な考え方に支配されていますが、「イマジン」のように、男性的なものと女性的なものが出会って、また違った考え方の社会になっていくと面白いんじゃないかなって思っています。

you may say I'm a dreamer
but I'm not the only one
I hope someday you'll join us
and the world will be as one

A Young Person's Guide to King Crimson (Vol.2)

2006-10-15 13:28:19 | King Crimson
Lizard(1970)



クリムゾンの全アルバムの中で、「変なアルバムコンテスト」を行えば、断トツの1位ではないでしょうか。
A面は、ゴードン・ハスケルの不安定なボーカルと、暴れ回るメロトロン。B面全部をつかった大作「Lizard」では、イエスのジョン・アンダーソンがボーカルをとります。高校時代に、友人にこのアルバムを貸したところ「よかったのは、ジョン・アンダーソンのボーカルだけ」という感想を述べていました。

でも、1曲目「Circus」ゴードン・ハスケルの歌う一節を思い出すでだけでもゾクゾクしてきます。この曲はこのアルバムの中でも大好きな曲です。
それに続く「Indoor Games」引きつるような笑い声で続く「Happy Family」。この不気味さがなんとも言えません。今にして思うと、PJクルックの描く、最近のクリムゾンのジャケット、この絵にも似た不安感とユーモア、それに近いイメージではないかと思います。
「Lady of the Dancing Water」はメル・コリンズのフルートが印象的な曲。ゴードン・ハスケル、ソロアルバムは折っていないのですが、クリムゾンよりも、こういうアコースティックでファンタジックな世界の方が似合っているのではないでしょうか。

B面はアルバムタイトルになっているリザードの組曲。先に書いたように、ジョン・アンダーソンがボーカルをとる「ルパート王子のめざめ」から物語始まります。
全体で20分を越える大作ですが、オーボエ、コルネット、トロンボーンというちょっと変った楽器によるアンサンブル。ジャケットの絵と相まって、どこかアラビアの王宮の庭を歩いているようなイメージです。

King Crimson和訳集のサイトにLizardの訳が載っていました。この訳を読んでいると、雰囲気が伝わって来ます。


Islands(1971)


クリムゾンに嵌ったのは、このアルバムを聞いてからでした。「Sailor's Tale」この曲が決定的でした。この曲で聞けるフリップのジャージーなギター、緊張感のあるサックスとのからみ、そして次第に盛り上がっていく構成。何度繰り返して聞いたことでしょうか。

アルバムのB面には「Islands」。詩人のたどり着いた楽園の風景でしょうか、ボズ・バレルのボーカルが、透明な世界を歌い上げます。
この曲に限らず、ボズ・バレルの歌声は、このアルバムの魅力の一つです。

「Islands」の前には短めの曲「Prelude: Song of the Gulls 」があります。これが、前作「リザード」同様オーボエ、コルネットなどによる、室内楽。ロックアルバムの中に、こういう曲を詰め込んでしまうところが、クリムゾン流のユーモア感覚なのでしょうか
そして「Islands」の後、無音の部分をおいて今度は、先程の室内楽団のチューニングの様子が聞こえてきます。チューニングが終わり、カウントが始まり、さてこれから演奏。ここでアルバムが終わります。

私が買ったのはアメリカ版のLPでした。イギリス版の中ジャケットが、ジャケットになっていました。

当時の輸入盤、アメリカ版はイギリス版より安いのですが、盤の品質が悪いということがありました。私の買ったものは比較的できが良かったのですが、「Islands」の曲のところにちょっとした突起がありました。曲の後半、コルネットのソロで南の島の静かなビーチのような風景を奏でると、ポコン、ポコンというノイズが入りました。例の突起のせいです。
今CDで聞き返していても、ここの部分になると、このノイズが聞こえてくるような錯覚を起こします。最初に聞いたときのイメージが残っているんですね。


Earthbound(1972)



Earthbound、「Ladis of the Road」のところにも書きましたが、最初聞いたときは音の悪さと、演奏の熱さに驚きました。
フリップは、クリムゾン解散時にUSAやこのアルバムとなぜかライブアルバムを出します。レコード会社との契約のためでしょうか、次の活動のための資金集めでしょうか。
理由ともかく、このアルバムではバンドがバラバラになっていく様子を伺い知ることができます。クリムゾンは、フリップのワンマンバンドだということが良く言われていました。しかし、ここまでのアルバムを通して聞いてみると、決してフリップが全てを掌握していたわけではないと感じます。フリップ自身、クリムゾンについて様々な模索をしていて、そのイメージがメンバーにうまく伝わらない。そのもどかしさによって、メンバー間の軋轢が生じていたのではないでしょうか。

その軋轢の頂点に達したような「Earthbound」ですが、このアルバムの「21世紀の精神異常者」この演奏が好きです。「キングクリムゾンの宮殿」「USA」でも「21世紀」を聞くことができますが、このアルバムの演奏が一番熱くて、人間臭い演奏ではないかと思います。
この時期、メンバー間の人間関係が良かったとは思えません。でも、どういうわけか、頻繁にそのような状態の中で名盤が生まれるものです。「Earthbound」もそのような一枚だと思います。



[Lizard]
1.Cirkus
  including Entry of the Chameleons
2.Indoor Games
3.Happy Family
4.Lady of the Dancing Wate
5.Lizard:
  Prince Rupert Awakes
  Bolero - The Peacock's Tale
  The Battle of Glass Tears
   ・Dawn Song
   ・Last Skirmish
   ・Prince Rupert's Lament
  Big Top


Personnel:
 Robert Fripp (guitar, mellotron, electric keyboards, devices)
 Mel Collins (flute, saxes)
 Gordon Haskell (bass guitar, vocals)
 Andy McCullough (drums)
 Peter Sinfield (words, pictures)
with:
 Robin Miller (oboe, cor anglais)
 Mark Charig (cornet)
 Nick Evans (trombone)
 Keith Tippett (piano, electric piano)
 Jon Anderson (vocals on Prince Rupert Awakes)



[Islands]
1.Formentera Lady
2,Sailor's Tale
3.The Letters
4.Ladies of the Road
5.Prelude: Song of the Gulls
6.Islands

Personnel:
 Robert Fripp (guitar, mellotron, Peter's Pedal Harmonium, sundry implements)
 Mel Collins (flute, bass flute, saxes, vocals)
 Boz Burrell (bass guitar, lead vocals, choreography)
 Ian Wallace (drums, percussion, vocals)
 Peter Sinfield (words, sounds, visions)
featured players:
 Keith Tippett (piano)
 Paulina Lucas (soprano)
 Robin Miller (oboe)
 Mark Charig (cornet)
 Harry Miller (string bass)



[Earthbound]
1.21st Century Schizoid Man
2.Peoria
3.The Sailor's Tale
4.Earthbound
5.Groon

Personnel:
 Robert Fripp (guitar)
 Mel Collins (alto, tenor, baritone sax, mellotron)
 Boz Burrell (bass, vocals)
 Ian Wallace (drums)

Hot Rats / Frank Zappa

2006-10-13 01:54:26 | 最近聞いた音楽
フランク・ザッパ名義の2作目がこの「Hot Rats」。マザーズと離れて、超絶技巧バンドへと向かい始めたFZ。クリムゾンの「宮殿」、「マクドナルド & ジャイルス」に続く不気味系赤ジャケットシリーズ、ということで。


ある伝説によると、ずっとヒットチャート1位を走り続けていたビートルズの「アビーロード」それを引きずり下ろしたのがクリムゾンの宮殿。さらに「宮殿」を引きずり下ろしたのがこの「Hot Rats」といわれています。

ジャケットはちよつと不気味ですが、中身は良いです。思いっきりジャズロックしています。ジャズロックというより、クロスオーバーとかフュージョンといっても良いような、斬新な音です。それでいながらフランク・ザッパ。どこから見てもフランク・ザッパなのですが、血中フランク・ザッパ度はかなり低いです。初めての人でも聞きやすい一枚だと思います。

1曲目「Peaches en Regalia」。名曲。
イントロからしてフランク・ザッパです。
フランク・ザッパの音というと、マリンバ。しっかり入っています。ブラス楽器のユニゾン。もちろんあります。いろいろな楽器が、テーマを追いかけるように現れては、消え、次の楽器が引き継ぎ、そしてまた次の楽器が現れて、その次に引き継ぐ・・・、アルバム全体の序曲のように、そしてその後のフランク・ザッパの大活躍を約束するかのように唄いあげます。
音を一つ一つ解きほぐしていくと、緻密にして、大胆。濃密にしておおらか。ポップにしてアバンギャルド。ロックだのジャズだのプログレだの、さらには時代さえも軽々と飛び越えてしまう。名作たる所以だと思います。

しかし、やはり恐るべきフランク・ザッパ。この名作アルバムでさえ、フランク・ザッパの入り口のほんの一角にしか過ぎません。FZにのめり込みたい人には、格好の入門盤だと思います。


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アタゴオル物語 1巻 / ますむらひろし

2006-10-11 04:59:02 | 最近読んだ本
あのヒデヨシがアニメになるというので、アタゴオル物語を引っ張り出して読んでみました。

頻繁に読むわけではないのですが、本棚の一番手前においてあります。「アタゴオル物語」がそこに並んでいるのを見るだけで、なんだか気持ちが和らぐような気がします。

久しぶりに会った、タクマ、テンプラ、ヤニパンツ、そしてヒデヨシ。最初の5話ぐらいまでは、同人誌から出てきましたといった感じの絵と、無理やり作ったファンタジーの世界といった感じでちょっと居心地がよくありません。第一話の発表が1976年。この時代特有の絵も、好みの分かれるところでしょう。でも、しばらく読んでいると突然力が抜けたのか、自然にファンタジックなアタゴオルの世界を描いています。

アタゴオルは猫の国です。そこになぜかタクマやテンプラのような人間も一緒にすんでいます。特にはらはらどきどきする事件が起こるわけでも無く(ほほ笑ましいちょっとした出来事は起こります)、手に汗握るようなアクションが繰り広げられるわけでもありません(ちょっとした冒険はあります)。
「力ではたどり着けないところ」そこがヨネザアドにあるアタゴオルの森です。

ますむらひろしというとアニメ映画「銀河鉄道の夜」がありますが、そこに出てくるネコ達のふるさとがこのアタゴオルにあると思います。先に書いたように絵を見ただけでは、好き嫌いがはっきりと分かれるかもしれませんが、この不思議な透明感のある世界はなぜか好きです。
主人公(?)のヒデヨシが、酒好きで時々ビートルズを口ずさむような音楽好きというのも惹かれるところです。

そのヒデヨシ君が突然アニメになってやって来ます。なぜ、今、突然? という気持ちもあります。うーん、映画館まで会いに行くかなぁ。。。アタゴオルを読みながら考えてみます。

A Young Person's Guide to King Crimson (寄道の1)

2006-10-09 11:58:32 | King Crimson
Mcdonald & Giles (1971)

クリムゾン脱退後のイアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルスのアルバム。幸せそうなジャケットの写真ではありますが、色調が「宮殿」風で不気味です。



音は、クリムゾンを牧歌風にした感じ。って、どんなだ!? LPでしか持っていないので、最近聞いていていないのであいまいな記憶頼りですが、(クリムゾン - フリップ + フォークロック)といった感じでしょうか。仕方のないことですが、クリムゾンを飛び出していながら、クリムゾンを引きずってしまったのが本作の不運だと思います。

2曲目の「アイビスの飛翔」はクリムゾンの「ポセイドン」に収録されている「ケイデンスとカスケイド」と同じ曲。イアン・マクドナルドのこの曲に、別の歌詞をつけて、アレンジもかなりさわやかなものになっています。

クリムゾンと同様、B面は大作。「バードマン」はその名の通り空を飛ぶことを夢見る男の話。イアン・マクドナルドの幻想的なフルートと、マイケル・ジャイルスの相変わらずのドラムが、ストーリーを紡ぎます。
LPのB面全体を使ったこ大作。クリムゾンというよりはどちらかというとピンク・フロイドを連想します。でも、残念ながら、マクドナルド&ジャイルス、曲を練り上げる時間がなかったのか、パートのつなぎに荒さが目立ちます。もっと時間をかけて練り上げていたら、原子心母とならぶ名作になっていたかもしれません。


1. Suite in C
  including  Turnham Green, Here I Am and others
2. Flight of the Ibis
3. Is She Waiting?
4. Tomorrow's People - The Children of Today
5. Birdman
  involving  The Inventor's Dream (O.U.A.T.),
  The Workshop,
  Wishbone Ascension,
  Birdman Flies!,
  Wings in the Sunset,
  Birdman - The Reflection



この時期のクリムゾンものでは、1969年のハイドパークと記されているものを持っています。1969ハイドパークというと、ローリング・ストーンズの前座としてクリムゾンのデビューコンサートがありました。オリジナルメンバーによる演奏なのですが、その時の演奏なのか、信じて良いものでしょうか・・・ 。
アルバムでは、絶妙なアレンジとタイミングで演奏を聞かせてくれますが、この海賊版ではかなりバラバラでした。これがトラウマ(?)となり、「Epitaph」出ても買おうという気になりませんでした。
1969のハイドパークライブ、クリムゾンのライブ音源発掘を行っている、コレクションシリーズで発売されているようです。

追記:
「組曲C」はタンジェリンドリームでした。
こちらは「組曲ハ長調」でした。evergreenさんのTBで気がつきました)

コーラスライン / 劇団四季

2006-10-09 04:21:09 | 劇団四季
劇団四季ファン一家、今度は劇場「秋」で始まったばかりの「コーラスライン」を見てきました。ヱビスビールのCMで有名になった「One」のミュージカルです。

「コーラスライン」は、ミュージカルのコーラス、つまりバックダンサーのオーディションの話です。舞台の上でダンサー達のオーディションが行われます。
このオーディションが一風変っています。演出家は、もとダンサー。オーディションに集ったダンサー達の歌や踊りを見て、男8人女9人の一次審査の合格者を選びます。そして、この17人から、男4人女4人の合格者を選ぶのですが、ここで演出家は17人のダンサー一人ひとりに質問をします。「なんでもいいんだ、履歴書に書いてないこと。君自身のことを話してくれ。そうだな、なぜダンスを始めた?」ダンサー達は、この質問に戸惑いながらも自分の生い立ちについて話し始めます。演出家は、ダンサー達の生い立ちを聞きながら、忘れてしまった自分もダンサーの時代に持っていた舞台への情熱を思い出そうとしているようでした。

舞台には、セットはいっさい無し。開幕前の幕も黒一色。舞台も黒。ただ、舞台の一番奥に、ダンスのレッスン室にあるような大きな鏡があります。セットといえば、この鏡ぐらいです。
鏡が閉じている時は、黒い壁になっていますが、場面によって回転して客席を映し出します。この鏡がダンサー達と客席を映して、舞台のこちら側と向こう側を逆転させます。観客は、時には演出家の視線で舞台を見たり、時にはダンサーの視線で客席の方をみたりすることになります。

実は、四季の「コーラスライン」を見るより前に、アッテンボロー監督の映画を見ていました。マイケル・ダグラスが、ビジネスライクに割り切った、冷たい演出家を演じています。映画の場合、カメラ割によって、客席で質問する演出家と、舞台のダンサーを映すことができます。でも舞台ではこのような奥行きがありません。どのように演出するのかと思っていたのですが、鏡を使って視点を変えるというのは面白い演出だと思いました。
また、鏡はダンサー達も映し出します。時にはスポットライトが当たってできた光の輪郭を、またあるときはダンスシーンを映します。実像と鏡像が相まって、幻想的なシーンを作り出します。

舞台は、ダンサーが一人ひとりが質問に答えて生い立ちを話す合間に歌が入ります。ミュージカルといっても普通の会話の部分がかなり長い時間を占めます。目の前で繰り返されるダンサー達の生い立ちを聞いていると、自分もダンサー達の仲間のような気分になっていきます。そんな気分が最高潮に達したときに、エンディング「One」が始まります。
ピアノのイントロに載って、ダンサー達が一人ひとりステージに現れます。今まで着ていた稽古着を、きらびやかなステージ衣装に着替えて。その表情を見ていると、今まで舞台で演じていたダンサー達と、出演者一人ひとりが重なっていくような思いがします。鏡に映し出されたダンサーたちと、舞台で踊る出演者。二重に映し出された姿に、四季の出演者一人ひとりが舞台で踊ることに喜びを感じることができました。出演者一人ひとりの気持ちが伝わってくるようで、久々に感動しました。

四季:コーラスライン

追記:
日本語で歌うミュージカルは、なんとなく気恥ずかしいなぁ、と思うのですが、「CATS」やこの「コーラスライン」のような、ダンス中心のものだと、それほど違和感を持たないと思います。ミュージカル入門には良いと思います。

A Young Person's Guide to King Crimson Vol.1

2006-10-08 05:51:48 | King Crimson
In The Court Of The Crimson King (1969)

クリムゾンもまもなくデビュー30年になるんですね。30周年ツアーでも計画してくれると良いのですが・・・

クリムゾンの代表作というと、まずこの「宮殿」があげられます。クリムゾンの、というよりは、歴史的な1枚だと思います。
あまりにも有名なので、ジャケットはこのぐらいのサイズでも存在感十分でしょう。


最初に聞いたクリムゾンは、多分このアルバムでした。フランク・ザッパのところで出てきたY君から借りたものでした。
LPをターンテーブルに載せて針を下ろすと、悲鳴のようなサウンドエフェクトのあとに、「21世紀の精神異常者」の分厚いイントロが爆風のようにとどろきました。

赤と青のジャケット、脅えているような顔、そしてこの音、何度も歌詞を読みながら、何度も何度も繰り返して聞き入りました。
が、最初の印象は、あまり良いものではありませんでした。全体的に「死」に結びついた未来的なイメージ。そして、灰の中から世界が蘇ってくるような、はかない希望。
クリムゾンのこと、特に作詞とイメージ作りを担当していたピート・シンフィールドを知るようになって、だんだんこのアルバムの凄さが理解できるようになっていきました。

それにしても、ジャケットも含めて強烈なアルバムです。いきなりこのアルバムからクリムゾンに入ろうとすると、消化不良を起こすねではないでしょうか。
もしも、クリムゾンをこれから聞いてみようかな、と思っているのであれば、このアルバムは後回しにしたほうが良いかもしれません。クリムゾンに対する免疫ができた後に聞いても、このアルバムの凄さは変りません。むしろ、クリムゾン入門後に聞き返したほうが、このアルバムの良さが理解できるかもしれません。


In The Wake Of Poseidon  (1970)



ポセイドンの目覚め」にも書きましたが、タイトル曲の「ポセイドンの目覚め」は名曲です。クリムゾンの中でも、是非聞いてもらいたい曲だと思います。フリップのアコースティックギターが印象的に響きます。アコースティックギターとメロトロンが作り出すゆったりした音が「宮殿」になかった安らぎのようなものを演出しています。

アルバムB面に進むと、キース・ティペットのピアノが暴れ回る「CatFood」。これは、フリーフォームなインプロビゼイション中心の曲。ジャズ風のアレンジというと、「Island」のSailor's Taleという曲があるのですが、そこまでかっちりとまとまらない、ちょっとばかり習作のような曲です。
続く、「The Devil's Triangle」。キューブリックの「2001年宇宙の旅」にインスパイアされたそうです。宇宙的ではありますが・・・。「宮殿」も「ポセイドン」もB面には苦労させられます。

アルバム全体をしめているのが、3部に別れた「Peace」。A面1曲目、B面1曲目、そしてアルバムのラストに収録されたこの曲。グレッグ・レイクの透き通った歌声と、フリップのアコースティックギターによって、アルバム全体のイメージを、夜明け前の透き通った空気のように包み込んでいます。



[In The Court Of The Crimson King]
1.21st Century Schizoid Man
 including Mirrors
2.I Talk to the Wind
3.Epitaph
 including March for No Reason
 and Tomorrow and Tomorrow
4.Moonchild
 including The Dream
 and The Illusion
5.The Court of the Crimson King
 including The Return of the Firewitch
 and The Dance of the Puppets

Personnel:
 Robert Fripp (guitar)
 Greg Lake (bass guitar, lead vocals)
 Ian McDonald (reeds, woodwind, vibes, keyboards, mellotron, vocals)
 Michael Giles (drums, percussion, vocals)
 Peter Sinfield (words and illumination )


[In The Wake Of Poseidon]
1.Peace - A Beginning
2.Pictures of a City
 including 42nd at Treadmill
3.Cadence and Cascade
4.In the Wake of Poseidon
 including Libra's Theme
5.Peace - A Theme
6.Cat Food
7.The Devil's Triangle
 i) Merday Morn
 ii) Hand of Sceiron
 iii) Garden of Worm
8.Peace - An End

Personnel:
 Robert Fripp (guitar, mellotron, and devices)
 Greg Lake (vocals)
 Michael Giles (drums)
 Peter Giles (bass)
 Keith Tippett (piano)
 Mel Collins (saxes and flute)
 Gordon Haskell (vocal on Cadence and Cascade)
 Peter Sinfield (words)

Yellow Shark / Frank Zappa,Ensemble Modern

2006-10-06 03:43:16 | 最近聞いた音楽
どうやら、フランク・ザッパが好きみたいです。

高校のころ、友人のY君から、何枚か借りて聞いてたのですが、最近なんだか無性に聞きたくなります。
ということで、家にあったフランク・ザッパのCDをiPodに取り込んで聞いていました。
このあたりのアルバムについては、追々紹介したいと思います。

なんども繰り返して聞いているうちに、やはりあれを聞かなくてはいけないかな。聞いてみたいな、という気分が高まって、衝動買してしまいました。最もかなり前から一度聞いてみたいと思っていたので、衝動買というわけでは無いと思いますが・・・

「Yellow Shark」は、Ensemble Modernという現代音楽専門の室内合奏団との共演です。そして、フランク・ザッパ自身の最後の作品となってしまいました。

フランク・ザッパというと、どうしてもシニカルで、下品で、卑猥なイメージがつきまといます。意識的にそういうイメージの作品を作って、常識に凝り固まった物の見方を覆そうとしていたのでしょう。そして、ザッパ自身が超絶技巧なギタリストであり、なおかつバンドのメンバーも絶技巧なつわものばかり、ブルースからロック、ポップはもちろんジャズや現代音楽の領域まで、境界を越えた演奏をライブで瞬時に切り替えるという離れ業をやってのけます。それも、軽々と。しかも、それが音楽的にも優れている、という名指揮者であり名コンポーザーでもあります。
ほとんど何でもこなす、しかも完璧にこなす天才といていいでしょう。20世紀最後の偉大なミュージシャンだと思います。

そんなザッパが最後に選んだパートナーが、Ensemble Modernでした。内容は、当然現代音楽です。通して聞くと、ちょっときついなぁと思うこともあります。が、会社の帰り道、ちょっと疲れたなぁ、というときに聞いてみたら、これがなかなか沁みてきました。
ザッパの弾くあのギターは聞こえませんが、ザッパらしいアルバムだと思います。

でも、ジャケットがちょっと悲しいです。そんな悲しそうな目で見つめないで欲しいです。ザッパはグラミー賞を取った86年のJazz From Hellから、93年のYellow Shark間での間、矢継ぎ早にライブアルバムを発表していました。そのおかげで、素晴らしいライブを聞くことができます。でも、ガンに冒されていた自分の運命を知っていたのでしょうか。まるで、自分のしてきた活動を振り返って整理していたかのように思えます。



Intro
Dog Breath Variations
Uncle Meat
Outrage At Valdez
Times Beach 2
3 Revised
The Girl In The Magnesium Dress
Be-Bop Tango
Ruth Is Sleeping
None Of The Above
Pentagon Afternoon
Questi Cazzi Di Piccione
Times Beach 3
Food Gathering In Post-Industrial America
Welcome To The United States
Pound For A Brown
Exercise # 4
Get Whitey
G-Spot Tornado