雪の浅間嶺(西多摩郡檜原村、902m)で、気になるものを見つけました。
鳥の足跡…?
にしては小さ過ぎるし…(左下が私の指)、色も茶色です。
さらに拡大すると…
少しは見当がつきましたか?実はこれ…
この木の落とし物…堅果(果実)です。
ミズメ(水目)。カバノキ科の落葉高木。サクラ似の樹皮が剥がれたようになっているのが特徴です。
3裂した翼のある堅果(約3mm)は10月ころ熟し、風により散布されるのだそうですが、私は初めてお目にかかりました。雪で地面が白くなっていたからわかったものの、普段はまず気が付かないのではないでしょうか?
このミズメ、樹皮を傷つけるとサルチル酸メチル、つまりサロンパスのような匂いの樹液を出します。これが(個人的には)とても良い香りなのですが…なぜか、「夜糞峰榛(ヨグソミネバリ)」なんて不名誉な別名が付けられています。
さらに、三つ目の名前も…長野県の上高地を流れる梓川(あずさがわ)をご存知ですか?この川の上流は昔から、朝廷に献上する弓や家具の材料となる、この「梓(アズサ)」の産地だったそうですよ。
奥多摩では、標高1000m以上の高い場所で時折見かける程度。
雪山での、小さな果実との思わぬ出会いから広がったお話でした。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます