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【ガイド】南ア/仙丈ヶ岳

2012-08-09 13:44:36 | ガイドのこと

7~8日、南アルプス/仙丈ヶ岳(せんじょうがだけ・3032.6m)のガイドを行いました。

山梨県南アルプス市・長野県下伊那郡長谷
(はせ)村。「新日本山岳誌(日本山岳会編著)」によると、「仙丈」の名は、「千丈」「千畳」に共通して「非常に高い、広い」を意味するという。

南北120km、東西40kmに及ぶ赤石山脈
通称南アルプス最北端に位置する3000m峰。大きく、なだらかな山頂周辺に、藪沢(やぶさわ)カール、小仙丈沢カールなどの氷河地形を抱え、その優美な姿は「南アルプスの女王」とも呼ばれています。カールを中心に残雪が遅くまで残り、水量も豊富で高山植物の宝庫に。

■8日?/晴れ時々曇り
北沢峠・長衛荘-藪沢-馬ノ背ヒュッテ-馬ノ背-千丈小屋-千丈ヶ岳-小千丈ヶ岳-藪沢大滝ノ頭-北沢峠

(所要8時間53分)

4:10 ヘッドランプを点けて出発。
P1130416
5:27 東、仙水峠(せんすいとうげ)からの朝陽。

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標高約2300m、藪沢沿いに残る雪渓。長さ100mほど。通行には支障なし。

P1130423
タカネグンナイフウロ
(高嶺郡内風露/フウロソウ科)が見ごろ。

振り返ると…
P1130424_2
北沢峠を挟んで対峙する甲斐駒ケ岳
(かいこまがたけ・2967m)が大きい。

P1130427
馬ノ背の稜線から、南正面に仙丈ヶ岳山頂
(真ん中やや右の台形状ピーク)と藪沢カールを望む。

北には…
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波のように押し寄せる雲海上に、北アルプスの山並み。写真奥やや左の高くなっている部分が槍・穂高連峰。

P1130439
8:45 山頂着。平日にも関わらず賑やか。気温18℃。

南東方向で…
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日本第一と第二の高峰が揃い踏み。富士山と北岳
(きただけ・3193m=右)

足元に…
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ミヤママンネングサ
(深山万年草/ベンケイソウ科)

P1130444
タカネツメクサ(高嶺爪草/ナデシコ科)

いずれも、亜高山~高山帯の岩礫地や砂礫地など厳しい環境に、へばりつくように生育する種類。小さいながらも、強い生命力に頭が下がります。

P1130445
小千丈ヶ岳へ続く稜線から見下ろす藪沢カール。

この典型的な「お鉢」の姿が、穂高岳の涸沢カール、立山の山崎カールとともに、日本三大カールに数えられています。

P1130446
小千丈ヶ岳
(こせんじょうがたけ・2864m)を経て下山。バックは甲斐駒ケ岳。

今回も、仙丈ヶ岳に登るには時期尚早の参加者が目立ちました。根本的な体力不足で、“目いっぱい”で登っている状態。自然が相手の登山では、天候の急変、落石、転・滑落…予測不可能なことが起こります。その時、体力にゆとりがないと対応することができません。とりわけ中高年者は、日々のトレーニングで体力・筋力の向上を心がけるとともに、決して無理をせず、1/3の余力をもって山に臨んでほしいものです。

足が攣ったら薬を飲み、自ら地図も見ない、場当たり的で人任せな姿勢が多いことも気になります。「仙丈ヶ岳は易しいから
(参加者の一人)…3000m級の山を舐めてはいけません。










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