祝日本新記録

　インカレが終わりました。昨晩遅く帰宅しました。
まだ、昨日の日本記録によっているかもしれません。
生みの苦しみという言葉がありますが、本当に苦しい大会が
続きました。

　世界競泳は１００ｍで予選落ち、ベスト更新も出来ず
スイムオフで敗退し、がけっぷちの２００ｍも記録の
更新は出来ませんでした。５月から、メグの練習を見る為
遠征が続きました。７月以降は、合宿と大会で約２ヶ月ほど
スクールを空けました。その間インハイや全中、そこそこの記録に
ややストレスをため、苛立ちも募りました。

　メグの世界競泳も合宿中からももの調子がいまひとつ
芳しくなく、良いときとそうでないときがはっきりと
していました。２００ｍでは持ち味は出せたと思いますが、
くすぶり続けていました。もやもやがスキットしない、
そんな大会でした。

　トレーナーの黄海先生に世界競泳の間指導を受け、足回りの
リラックスと緊張のトレーニングを続けました。実は、インカレ
初日、朝のアップでキックのかかり方が今までと随分違っていました。
これならいけると思いました。ストロークも伸び、泳ぎが
安定していました。１００ｍは予選から１秒タイムを近く縮める
ベストタイム。決勝はタイムを落としましたが、なかなか良い
泳ぎでした。

　二日目のメドレーリレーもまずまずの泳ぎでした。しかし、
絶対的な自信にはつながってはいなかったと思います。
出来ると思う気持ちと、不安な気持ちがおそらく同居していたと
思います。

　昨日の予選も前半を１０秒を切って入る予定でしたが、切れずに
やや重い感じが残りました。おそらく不安を沢山抱えていたのでは
ないでしょうか。しかし、世界競泳より大きな泳ぎは出来ていました。

　メグの強さは、自分の力を出し切れることだと思います。どのような
場面でも、いざとなった時に力が発揮できるタイプです。ただ、やはり
自信をなくしていたと思います。この自信を回復するには、ベストを
更新することしかないように思いました。

　４月は記録が出ての敗退なので満足は出来ました。８月は記録が
思うように出せず、プレッシャーを感じていたと思います。焦りが
あったかもしれません。そんな状況の中で、よく自分の力を
全部出せたと思います。うまく開き直り、無心で泳げたようです。

　練習は満足がいくところまで出来ていませんが、足が十分
使えるようになればと思っていました。力を出せればベストを
出せるところまで来ていると私は感じていました。

　昨年の１１月から始った彼女との練習ですが、夏場は調子が
あまり良くありませんでした。しかし、この１年近くそれまでとは
桁違いの練習をこなしてきました。自分を信じて、練習を信じて
とにかく自分の泳ぎに集中するように送り出しました。

　無心という心が１００％近い力を発揮させてくれたのだと
思います。予定していたよりもさらに上回る成果です。
ベストが出ればと思っていました。まさか日本記録の
更新が出来るとは、思いもしませんでした。無欲で望めた
結果だと思います。

　　　
　レース後のインタビューに答えるメグ。表彰式、レース後。


　メグのラップタイムです。
　３３：７２　１：０９．７８　１：４６．６６　２：２３．８５
　　　　　　　（３６．０６）　（３６．８８）　（３７．１９）

　素晴らしい記録です。今までの記録は２：２４．１２で２０００年
シドニーオリンピックの選考会で、田中雅美さんが５０ｍ・１００ｍ
２００ｍと３種目で、７回連続ベスト更新、しかも全部日本記録と
すごい記録で泳いだときのものです。神がかりでした。
オリンピック本番では記録更新は出来ず、涙を呑みましたが
その後近づくことさえ遠かった記録です。

　田村選手が２：２４．５０まで伸ばし、記録を更新するのではと、
沢山の人が思っていました。その田村選手に競い勝ち達成した
記録ですからなおさらうれしいです。

　雅美とはマイが中１の時からの付き合いです。雅美の喜びや苦しみを
良く知っています。それだけに彼女の記録を切るのは、メグにさせて
やりたいと思っていました。雅美は同じ北海道出身ということもあり、
メグをかわいがってくれます。そんな雅美に恩返しが出来たようで
とてもうれしいです。

　胸のつかえが一気におりたので、色々と調子に乗って書きすぎました。
来年の４月の選考会でさらに上積みをしないと、まだまだオリンピックでは
戦えません。しばらく休養を取り、リスタートです。

　私は国体モードに切り替えです。ブログの書き込みありがとうございます。
沢山のメールありがとうございました。

　　　
　インカレならではのメンバーと、中大のＯＢ達です。