ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

激怒する人

2015-11-11 | 社会
近年、高齢者の暴言や暴力がしばしば指摘されている。
病院やスーパー、電車の中、あらゆる生活の場で
ちょっとした事に激怒する「キレる高齢者」の目撃情報を聞く度に、
そんな人もいるんだ・・・くらいに思っていた。

何故、こんなことを書き出したかと言うと、
先日、私も初めて、まさにそんな人にキレられたのだ。
こんな時は、どう対応すればいいのだろうか?



それは、朝の人もまばらな静かな公園。
Zionを連れて散歩していた時のこと。

Zionは園路の隅っこで草の匂いに魅かれている。
しばらく立ち止まっていると、こちらに向けて突然、
高齢男性の激怒した声が聞こえてきた。

「クソしたろうがっ!」

私は唖然としながらも、真面目に答えた。
「していませんが、すれば取ります」

すると、今度はこう言ってきた。
「こんな所にそんな大きな犬、連れて来て!」



全く、訳が分からない。
でも、どんな理屈を言うのか聞いてみたくもあった。
「何か問題ですか?」

お爺さんはさらに声を荒げて、こう言った。
「危ないじゃないか!」

短いリードで、おとなしく歩いている犬が危険と言う。
「この仔が何かしましたか?」

お爺さんは興奮して、イライラしたように言葉を続けた。
「あんたがひもを放したら、威嚇して噛みついて来よるじゃろうがっ!」



お爺さんの経験や見聞がどんなものかは知らないが、
大きな犬は全て凶暴、飼い主は全て無能と決めつけていた。

私は腹式呼吸をひとつしてから、声を出した。
「マナーを守って散歩していますよ。失礼ではありませんか?」

もっと良い対応の仕方があったのかもしれないが、
人として尊重するのが精一杯だった。

お爺さんは憮然としてその場を去った。



Zionが私の顔をじっと見ていた。

毎日、一日先延ばしにしたいこと・・・それは、老化。
もうこれ以上延ばせない時、天寿を全うする・・・
そんなふうに生きた人たち、生きた犬たちのことを思い、
心を取り戻そうと思った。

Zionがひらりと方向を変えた。
とりあえず、行ってみようよ。
明日、知らない道・・・

そう言ったような気がした。
そうか・・・そうだよね。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




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