maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

アリーナ・イブラギモヴァ ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ

2013-09-20 11:26:00 | MUSIC
昨日、2013年、9月19日(木)19:00~
銀座の王子ホールにて

ロシアの若き才能、Violinistのアリーナ・イブラギモヴァとピアノのセドリック・ティベルギアンによる、3日に渡るべ―トヴェン・チクルスの中日に行って参りました。



ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24 「春」
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.12-2
********** 休憩 **********
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 Op.96

ちなみに初日のプログラムは

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調 Op.12-1
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第4番 イ短調 Op.23
********** 休憩 **********
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 Op.30-3
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 Op.30-2

そして、最終日である今日、9月20日のプログラムは

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第6番 イ長調 Op.30-1
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 Op.12-3
********** 休憩 **********
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 Op.47 「クロイツェル」

というバランスで・・・。
本当は年代順に始めて、晩年までクロノロジカルに追って行きたかったのだけれども、そうすると最終日にチケットセールスが集中してしまうから・・・とアリーナ。確かに^^;
というわけで、中期、初期、後期をバランスよく配した上記のような演奏会プログラムを組んで、これを一つの定番としてコンサートを行っているとか。
このチクルスの初演は2010年ロンドンのウィグモア・ホールで、アルバムも収録されていますね。

ロシアからロンドンに渡ったのは1996年。
父親はロンドン響に入り、首席コントラバス奏者に。4歳からヴァイオリンを始めていた彼女はロンドンに渡った翌年1997年にメニューイン音楽学校、そしてロンドン王立音楽院で研鑚を積む。
メニューイン・スクール(70人ほどの生徒で、メニューインは1人1人をしっかりと見ていてくれたのだそう)で磨かれた逸材で、今、ヨーロッパでもっとも注目されているヴァイオリン奏者の1人。
最近のクラシック界の流れ通り、古楽器演奏にも意欲的。
ゲオルグ・フォン・オペルから貸与された1738年制作のピエトロ・グァルネリを愛用。

セドリック・ティベルギアンは、パリ国立音楽院で学び、1992年17歳でプルミエ・プリを受賞。1998年ロン・ティポ―国際コンクールでの優勝では、観客賞、オーケストラ賞を含む5つの特別賞も同時受賞という才能ある38歳。

さて、彼女の演奏は・・・。
最初の一音から、非常に伸びやかなフレージングに驚く。
そして思いきりの良さにも。
あまりにも伸びやかに響かせるので、歌うタイプの演奏家なのかな、と思いきや、意外と全体の印象は抒情的であったり熱情的であったり・・・というものではなく、抑制された中での自由さ、とでもいったバランス感覚を見せてくれました。
どちらかというと、演奏者の個性を前面に出してくるタイプというよりも、曲そのものに集中しようという向きには良いかも。実際、ベートーヴェンの作品の変遷をたどり、曲そのものを味わう時間として、とても充実した一時を過ごすことができました。
ただ、好みとして、繊細で抒情的な表現を求める向きにはやや向かないかも。
この若さで、ベートーヴェンの重量級の作品を理解してこなしているという力はひしひしと感じられました。

演奏会は得てしてそうですけど、彼女も後になればなるほど温まってエンジンが全開になっていく・・・・という感じで、明らかに「春」よりも第10番の、そして、アンコールのシューベルトの「ソナチネ」の方が良かったです。

王子ホールの外に出ると煌々と十五夜の月が輝く銀座の夜・・・。
良い季節になって参りました





最新の画像もっと見る

コメントを投稿