maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

コンサート「ペール・ギュント」グリ-グ尽くし

2007-04-28 03:01:46 | MUSIC
26日、木曜日、王子の北とぴあさくらホールにて、
東京ニューシティ交響楽団第50回定期演奏会に行き、グリーグの4つのノルウェー舞曲、ピアノ協奏曲、そして組曲「ペール・ギュント」を聴いて参りました。


ノルウェーの作曲家、グリーグの今年は没後100年にあたる年らしく、珍しくグリーグ尽くしの演目。
レアな試みだ・・・と思いきや、曲は耳にすると、あぁ、この曲!と膝を打ちたくなるような親しみ深いメロディーの数々。
ピアノ協奏曲は、病弱だったグリーグが結婚し娘が生まれて幸せ一杯の時期に書いたという、ロマンチックかつドラマチックなもの。”北欧のショパン”と言われていたのも納得で、今回のピアニスト三輪郁さんもしっかりとした演奏で良かったのですが、これはルイサダやブーニンのような、やや硬質の華麗な音を出すショパン弾きで聴いてみたいかも・・・と思わせる曲でした。

また、「ペール・ギュント」と言えば、小学生の音楽の教科書にも出ていたのでだれもが思い浮かべる「朝」の旋律が有名ですが、聞いていると他にも名曲がいっぱいで楽しい!
「アニトラの踊り」って5年ほど前のローザンヌでマリナ・シトロヴァというウクライナからたった一人で来たという15歳の女の子が(この年スカラシップと視聴者賞を取った)自作の「蜘蛛」という作品で使っていた曲ですね!(と、こんなところでもワクワク

今回、珍しい試みがありました。舞台上で、「ペール・ギュント」の物語のモノローグが俳優の柄本明によって演奏の合間に挿入されたのです。
原作はイブセンですが、もともと民話を採取して再構成したハナシでとても奇想天外で面白い。


おちぶれた豪農の息子ペールは母オーセに溺愛されている。
ある日、良い仲だったこともあるイングリが結婚すると聞き、式に赴きそこで純真な娘ソールヴェイと出会う。彼女に惹かれながらも酒のいきおいでイングリをさらって山に逃げるが飽きて捨て、緑の衣の美女に出会う。「山の魔王の宮殿にて」
豚に乗って美女の宮殿に行くとそこはトロルのドブレ王の地。美女は王女であった。
仲間にされそうになり抵抗するペール。すんでのところでオーセが鳴らした教会の鐘の音でトロルは消え去る。
イングリ誘拐の罪で財産を没収され森に小屋を建てるペール。そこに現れたのはペールと人生をともにする決心をしたソールヴェイ。しかしトロルの娘がペールとの息子を連れて登場。逃げるぺール。
逃亡の前に母を訪ねるが、オーセは病床にありペールの腕の中で息絶える。「オーセの死」
故郷を離れた彼は、奴隷貿易を始め、長い年月の間にあこぎな商売で財をなす。
仲間の裏切りで一文無しになるが、砂漠で貴族の馬と衣装を手に入れ、族長の娘アニトラを誘惑しようとするが、だまされて身包みはがれ、故郷に帰る。「アニトラの踊り」彼を柄杓に入れて溶かし、ボタンにしてしまうと言う死神が現れる。ペールは、自分を十把一絡げにチンケな悪党と一緒にされては困ると去勢を張るが、彼が偉大な悪人であるという証人は現れない。
山に帰ると老女になったソールヴェイが彼を信じて待っていた・・・・。「ソールヴェイの唄」



(曲名をクリックするとMIDIでメロディーを確認出来ます)

とまぁ、なんというお話なのでしょう。・・・突っ込みどころ満載です~
これを柄本氏の絶妙の語り、そして山瀬理桜による珍しいハルダンゲル・ヴァイオリンの演奏も挿入され、しばしノルウェーの山野をそして七つの海を駆け巡る海の民、バイキングの子孫、ノルウェー人の心の故郷にふれる思いのひと時でした。

今回はA氏のお誘いで、この演奏会を知ったのですが、A氏の高校時代の同級生でいらしたという指揮者の曽我大介氏がこのオーケストラの首席指揮者であり、今回の演奏会の企画・脚本作りも なさったとか。

ウィーンを拠点に、ルーマニアの国立オーケストラの指揮を長年されているそう。中々の才人ですね。HPにてほぼ毎日更新されているブログも面白いですよ。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひぐま)
2007-04-28 20:30:50
ペール・ギュントって本当に音楽の玉手箱のようなすばらしい組曲ですよね。

あ~ん、これも、そっかこれもそうだったのか!って感じですよね。義父母が北欧旅行に行った時のお土産はフィンランド製のセーターとCDだったのですが、CDはお土産用のものなのかとも思いますが、シベリウス、ニールセン、グリーグの有名どころの曲が入ったものでした。実は全然聴いていなかったことを思い出し、探したら出てきたのであとで聴いてみようと思います。

いいですよねえ~透き通った冷たい空気感が北海道ともリンクするところがあります。

高校に入って、次女はクラリネットからオーボエに転向したのですがオーボエやるなら「朝」のソロのところを吹ける」くらいになってほしいなと思います。
返信する
Unknown (maria)
2007-04-28 23:46:03
ひぐまさん

そうなんですよ~。なかなか全曲通しで聴く機会がないものですから、わーと思ってプログラムを見たら、なにやら怪しげな(笑)物語が・・・。
・・・ダイナミックですね。
故郷を追放されたらいきなりアフリカで奴隷貿易ですもの。
全く、バイキングの子孫はやることが・・・{ショック}(とあきれたフリしてワクワクするわたくし{ラブラブ})

グリーグってなかなかのメロディメイカーで、聴衆の心をつかむキャッチーなフレーズ満載。ピアノのトリルの後でオーケストラでワッと盛り上げたり、構成の勘所をつかんだ作曲家ですね。ひとつひとつの曲が趣深く、大変楽しめました!

お土産のCD、フィンランド、デンマーク、ノルウェーをそれぞれ代表する作曲家で、スカンジナビア諸国歴訪の旅のお土産にはピッタリですね{ルンルン}
フィンランドでシベリウスパークを訪れたことがありますが、おだやかな3月だったのに、なぜかその記念公園だけ強風が吹き荒れていた思い出がありますxxx


お嬢さんオーボエですか!(頭の中には黒木くんが・・・{爆弾})
いいですね{ラブ}
是非、いつかひぐま家ファミリーコンサートで「ペールギュント」を!
返信する

コメントを投稿