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maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

「Turandot」というオペラ①

2006-09-23 06:55:37 | OPERA
プッチーニのOperaにはありがちなことですが、このTurandotもまた、登場人物の造形がなんとも感情移入しづらい。

そもそも、謎をかけては求婚者の首をはねるという残酷な姫の動機は、何千年も前に異民族の侵略者に陵辱されて殺された伝説の姫の遺恨、というのだから、すでに??。
勇気ある求婚者、タタールの皇子カラフも、国敗れて流浪の民となった生き別れの父王ティムールにめぐり合った直後、トゥーランドット姫に一目惚れ。父の制止も、カラフの微笑み一つを心の支えとして何もかもを失った老王のために物乞いまでして付き添う女奴隷リューの嘆願も退けて姫と命を賭けた謎々に挑む当たり、国を再建するのが先では?と指導者としての資質を問いたくなります。
見事3つの謎を解いたカラフに、身を委ねるのは嫌だと父皇帝にわがままを言うトゥーランドット。
今まで、何人もの王子の首を刎ねてきたのに今更契約を遂行しないのは王女の名に相応しからぬ詐欺行為です。契約は守られなければならぬ、と言うも、暴走する王女をもはや留められない父皇帝アルトゥム。絶対君主としてあがめられるも娘のわがまま一つ抑えられない情けない皇帝です。
すでに勝利を手中に収めているのに、カラフは自分から謎を出します。
夜明けまでに自分の名を当てよ!
ここで情熱的に歌い上げられるのが有名な「だれも寝てはならぬ」

彼の名を訊き出せ!真夜中にお触れを出された臣も民も迷惑ですが、ここで父王ティムールとリューは捕らえられてしまいます。カラフと一緒のところを見られていたのでしょう。ティムールをかばって名を知っているのは自分だけだと言い張って拷問にかかるリュー。拷問されても名を明かさない強さを「それは愛の力です」と答え、「氷の様な姫君の心も」と死をも恐れない愛の力を訴えて自害。
カラフは一部始終を見ていますがここでは何のアクションも起こしません。
父王はさぞかし失望させられたことでしょう。


答えを強要していたがリューの死にうたれた民衆が去り、2人きりになったところで、怒りと愛に駆られて口づけするカラフ。この口づけで姫の心が溶け、愛の二重唱。カラフは名を告げ、姫に運命を委ねます。
夜明けの広場で民衆と皇帝を前にして、高らかに告げるトゥーランドット姫。
「彼の名は愛!」


・・・書いていて恥ずかしくなってきました。
が、これが、見ていて感動の涙を随所で流してしまう説得力を持つ作品なのですから、全くプッチーニ恐るべし、です。




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3 コメント

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Unknown (ひぐま)
2006-09-27 23:05:17
荒川静香で一躍有名になったトゥーランドットって、こういうオペラだったのですね。音楽は有名だけど、お話の方は中国の話ってことくらいしか知りませんでした。物語の方はかなり無理矢理で滑稽な感じさえしますが、音楽と歌声とこの舞台装置、衣装などすべてが合わさって深い感動を呼ぶのですね。

テレビでオペラを見ても寝てしまう...私ですが、一度本物を見てみたい聞いてみたいものだと思います。

ところであの懐かしい子供番組「ピンポンパン」はここから由来した番組名なのでしょうか...{ショック}{はてな}
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Unknown (maria)
2006-09-28 07:09:07
◆ひぐまさん

おはようございます{ラブ}
OPERA系の記事は反響が少ないので、皆さんあまりご興味がないのかな~と思っていましたが、お読みいただけていたのですね{ルンルン}

そうそう、荒川静香の印象的な演技でグッと有名になったこのOPERA,そのせいか、会場の客層も、「ファルスタッフ」のときとは対照的。若い女性のグループ(お洒落の仕方が結婚式フォーマルのアレンジ、という感じで、OPERAファンの華やかな女性、というのとはちょっと違うのでなんとなく普段いらしてはいない方たちなのかな・・・と)、若い(普通の)カップルの率が高め。「ファルスタッフ」のときは、クラシックファンらしい年配の男性やドイツ系(?)イタリア系(?)のフォーマル慣れした外国人グループやカップルが多いな~と。(こういう公演のときには、わたくしは若造に属します^^;)
まぁ、OPERAファンの裾野を広げる意味では良いことだと思うのですけど、返す返す残念なのは、当日のキャスト表に異例の注意書きがしてあったのにもかかわらず、「だれも寝てはならぬ」のアリアがまだ終わっていないのにフライングで拍手が起こったこと。普通、歌い終わって一瞬の余韻を楽しんでから拍手でしょう(怒{プンスカ})
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Unknown (maria)
2006-09-28 07:11:34
◆ひぐまさん、続きです(笑)

脱線しましたが、そうなんです。ヴェルディのオペラは概して複雑な人間関係の中にも苦悩の理由がはっきりとした人間ドラマとしての彫りが深い作品が多いのですが、プッチーニはどちらかというと突っ込みどころ満載(笑)な感じで、美しすぎるメロディーでそんなことはどうでもいいや!(爆)と思わせてしまうところが魅力なのです{ドキドキ}

ナマOPERAは是非!どういうタイプの作品がお好みかしら?
ドイツ系、イタリア系、メト、とそれぞれ得意分野がありますし、歌手や指揮者でも変わりますので、是非、お好みに合った一流のプロダクションでご覧になっていただくと・・・嵌りますよぉ(悪魔の囁き{ぱんだ})

「ピンポンパン」以前にTurandotは発表されているわけですので、このオペラを見たことのあるプロデューサーがタイトルを決めるときに参考にしたのかしら?
ぜんぜん関係なかったりするかも?ですが、「ひょっこりひょうたん島」なんて井上ひさしの脚本なので、今見るとかなり知的に高度なギャグが満載で、こんなものが子供番組として通っていたのか~と震撼することがありますし、この頃の子供向けTV番組の製作者はあなどれないかもしれませんね{テレビ}{ルンルン}

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