記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

絵葉書アーカイブスと不思議な縁

2007年09月20日 23時26分39秒 | 昭和の観光学
 博多は放生会(ほうじょうや)も終わったというのに、連日猛暑である。
先週末でゼンリン地図の資料館の企画展「昭和レトロ博覧会」が終わり、
17日に豊後高田へ展示品を返却に伺った。

 この日は3連休の最終日ながらあいにくの雨模様。それでも昭和の町に
は観光客が次々に訪れてくる。駄菓子屋の夢博物館の小宮館長と、懐かし
い給食を食べさせてくれるお店へ行き、1時間ばかり歓談した。

 その数日前、ゼンリンの企画展最終日に北九州の松本清張記念館に伺っ
た。館の方から連絡をいただき、私の所有絵はがき画像を活用させてほし
いとの依頼だった。著書「ふくおか絵葉書浪漫」も購入いただいていると
のことで恐縮である。

 所有の絵葉書の一部を持参し、必要なものを選んでいただく間に館内の
展示を堪能した。松本清張の小説はいくつか読んだことはあるが、その生
涯については印刷会社に務めていたくらいの知識しかなかった。恥ずかし
い限りであった。

 小倉の印刷会社で版下工、画工(デザイナー)として20~30代は活
躍し、小説家として本腰を入れたのは42歳になってからと知り、自分と
の共通項が多いことに驚いた。作品を創作する際の取材手法や独創性にも
共感する部分が多く、特に歴史考察には感銘を受けた。

 作品のバックボーンを知って改めて作品を読み返したいと思い、いくつ
か図録と文庫本を買って帰った。秋の夜長に今年は松本清張作品を楽しも
う。

 18日、久しぶりにカメラマンの遠江氏のスタジオへ立ち寄った。丁度
馴染みの方々も来ていて、さらに初めてお会いするカメラマンさんもいた。
絵葉書の話となり、私の「ふくおか絵葉書浪漫」を見ていたその方が「こ
の写真はうちの祖父が撮影したものです」と言うので驚く。聴くと船小屋
温泉の近くで代々写真館を営んでいるという。

 昭和初期に撮影された船小屋温泉の写真は、写真館の2階に備え付けら
れていた印刷機で絵葉書として印刷していたそうである。どうやら今もそ
のまま残っているらしく、機会があれば拝見したい。絵葉書がいくつか残
っているが、原版写真は謄写する際に使い物にならなくなるそうだ。

 絵葉書会の平原氏より、氏所有の絵葉書や古写真のアーカイブ化の承諾
を得て、順次アーカイブ化を始めた。3年前に氏のコレクション中心に本
を編纂した際にあった絵葉書が随分無くなっていた。聴くと本を見て絵葉
書を譲ってほしいという方もよく来るそうである。西南学院大学も記念誌
作製の際に明治末の大名堀割時代の校舎の絵葉書を所望され、譲ったとの
こと。この絵葉書は手彩色でもあり、なかなかお目にかかれない。

 私自身も収集家なので判るが、絵葉書は購入以外にお互いにほしいもの
と交換しながらコレクションを増やすのが普通だ。互いに収集範囲が違う
のだが、古書店や骨董市などで見かけた際に自分が集めているものでなく
ても「会員の○○さんが集めていたな」と手頃な価格であればついでに購
入して交換したり譲ったりして互いに情報交換する訳である。

 少しずつサイトに氏の所有画像も公開中。私の所有品で足りないものや
資料が薄いエリアを中心に資料提供いただく。サイトはやっと1000点
突破!しかし掲載点数に比例して閲覧数はうなぎ登り!福岡県中心だが、
他エリアも少しずつ追加していく。

今日の写真は、戦前東公園内にあった福岡市記念動物園。
昭和天皇の御大典記念に市民の寄付で開設したが、戦時下の昭和19年
猛獣などは射殺され園そのものも閉鎖された。

アンティーク絵葉書に観る懐かしの風景・町並み
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鳥瞰図絵師・前田虹映
オールド地図鳥瞰図コレクション・吉田初三郎ほか

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