本当に心に染み入るような温かい表現の一つ。
私は「お母ちゃん」と呼んでいた。 人前では「ちゃん」付けはさすがにしなかったが、幼い時分から大好きな言い方だったから、大人になってからも亡くなるまで、いや今もって、母に呼びかけるときには「お母ちゃん」だ。
学生時代に仲良し４人組で、「それぞれが結婚したら、似た顔がそばにいるんだろうねえ」「不思議だよねえ」などと言っていたものだ。
確かに似ているなあと思うことがある。 亡くなった実母に「横顔が似ている」「さりげないまなざしが似ている」などと思うことがある。 やはり遺伝子は繋がっているんだろうと痛感。
娘たちは教えたわけでもないが、「母さん」「お母さん」と呼んでいる。 温かい響き・・・。
ふと思う。 学生時代に皆で話したことが現実になり、自身が「母さん」「お母さん」と呼ばれるなんて・・・。 なんだか実に不思議。 自身がこうして生きているということも・・・。
「お母ちゃん、私も、母さん、お母さんと呼ばれているよ」
「そうだねえ・・・良かったねえ」と声がしそうだ。
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