北岳山麓合唱団

ソウルジャパンクラブ(SJC)の男声合唱団です。毎週火曜日、東部二村洞で韓国の歌と日本の歌を練習しています。

入国者数から見る日韓関係

2015年09月28日 23時38分54秒 | 韓国

韓国は今日(29日)まで秋夕休み。私が住んでいる江南のマンション街は閑散としていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

昨日、街路樹通り(カロスキル、가로수길)というちょっとしたファッションストリートに出向いてきたのですが、意外に賑わっていました。ただ、江南の消費文化の象徴ともいえるデパートは29日から開店するところが多く、まだまだ街は秋夕のお休みモードにあるようです。

それから、インドネシアでしょうか?ヒジャブ(イスラム教徒の女性の方が着用している頭部を覆う布)を着用した観光客をよく目にします。

イスラム(이슬람)と呼ぶ人とムスリム(무슬림)と呼ぶ人がいて、統一された呼び方が無いのですが、韓国観光公社によれば、マレーシアとインドネシアからの観光客が多く、2014年にはイスラム圏の国家からの入国者が75万人に達したとのこと。韓国の国際化、いや多国籍化は急速に進んでいます。

興味深いのは韓国への訪問目的。ショッピングと思いきや、韓国で医療を受けることを目的に入国する人も多いのです。韓国では「医療観光」(의료관광)と呼ばれていますが、今や医療は一つの観光産業。日本語のサイトもあるので、興味のある方は一度、のぞいてみてください。

http://japanese.visitmedicalkorea.com/japanese/pt/index.do

久しぶりのブログ。合唱団の上半期の活動について書こうと思ったのですが、観光客の話題になったついでに、韓国への入国者数の推移という切り口で、ちょっと日韓関係の現住所をみてみましょう。

 

まず韓国への入国者のデータです。ご覧のとおり、韓国に入国する外国人が急増していることが分ります。

実のところ、これは我々日本人の先入観とは大きく異なるものです。というのも、(私を含む)多くの日本人の考えは、日本人観光客が激減⇒日本人観光客で賑わってきた街中はガラガラの閑古鳥⇒韓国の観光産業は大打撃、というストーリーだからです。統計が示すところによれば、閑古鳥どころか、大好況です。

ご覧のとおり、アジアからの入国者が圧倒的多数を占めていることが分ります。そこで、このアジアの中身を見てみましょう、と言いたいところですが、その前に我々日本人の入国者数の推移をみてみます。

 

 日本人の入国者は2012年をピークに激減していますが、これは我々ソウル在住の日本人の皮膚感覚と一致しています。ところで、日本人の激減などはどこ吹く風とばかりに、アジアからの入国者が激増しているのです。いったい、韓国でどういう現実が進行しているのでしょうか?韓国への入国者数が特に多い上位6か国を見てみましょう。

 現実はこのとおり。2012年を境に中国からの入国者が「爆増」して、日本人入国者の「激減」を軽く吹き飛ばしてしまった、というのが現実です。韓国の入国者数に占める日本の相対的存在感を示す数値として、入国者全体に占める日本人の比率をグラフ化してみましょう。

結果はごらんのとおりで、2012年頃から急激に下がっています。見やすさを優先して、ここでは分析の対象を2000年以降に限定しましたが、実のところ過去30年以上にわたって、全入国者にしめる日本人の割合は40%代をキープしていました。つまり日本イコール全世界の半分で、韓国における日本人の存在感がそれだけ大きかったのです。

現実の変貌はあまりに急で、人々の意識がそれに追いついていませんが、これからの若い韓国の人はこういった現実を目の当たりに育っていくということを忘れてはいけないと思います。

最後に、中国人の割合も見てみましょう。

現実はごらんのとおりです。これまで入国者の大半を占めていた日本人が減ったのは事実ですが、それをはるかに上回る勢いで中国人の訪韓が激増しました。

今後、訪韓する日本人の数が元通りに回復することはあっても、入国者全体の比率でみると、40%代といった過去の水準を取り戻すことは難しそうです。

入国者数がそのまま貿易や経済関係に直結するわけではないのですが、ひとつの現実として覚えておいて損はないと思います。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿