北岳山麓合唱団

ソウルジャパンクラブ(SJC)の男声合唱団です。毎週火曜日、東部二村洞で韓国の歌と日本の歌を練習しています。

韓国でこれ以上の刺身を賞味することは不可能である

2013年03月07日 01時36分44秒 | ソウルライフ

韓国料理というと、焼肉、キムチ....でしょうが、魚料理は如何でしょうか?

徳島育ちの私にとって、韓国の魚料理は非常に近づきがたいものでした。徳島では太平洋や瀬戸内で獲れた暖流系のお魚がメイン。一方、韓国は寒流の魚。お刺身なら、引き締まった白身のオンパレード。鍋ものなら、スケソウダラ、アンコウ、と馴染みのない、お魚ばかり。加えて、香草のせいでしょうか?鍋のスープに独特の臭いがあり、それなりの気合がなければ、食べられない料理でした。

そんな私でしたが、今は大の魚料理好き。韓国の味は、(肉料理ではなく)魚の鍋料理にあると、確信しています。私の韓国駐在は、今回で3度目(!)。私の韓国体験は、いつも落雷のように、やってくるのですが、お魚料理もそう。お客様の嗜好で、嫌々注文したなべ料理をガマンして食べている最中に、「あれっ、美味しいな!」と思ったのです。あれほど嫌いだったのに....。

 

今日は、そんな私、とっておきのお魚料理の店をご紹介します。ソウル在住の方は、韓国人のお客様の接待にお使い下さい。韓国人にとって焼肉はありきたりで、接待に使えるような江南のお店は非常に高価。その点、魚料理はお値段も手ごろで、お客様から、「○○さん、何でこんなお店をご存知なんですか?」と感心されること、うけあいですよ。

 

大きな魚の看板が目印の「ピョンウネ」というお店です。

丸い看板には「海が恋しくなったら、ピョンウネに来てね‼」とあります。木魚のような魚はオオニベというお魚。「にべもない」のニベです。ニベの浮き袋で作ったニカワは非常に粘着力が強く、「ニベもない」→粘着力がない→愛想がない、取り付く島もない、と転用されたとか....。

ネットの市場魚介類図鑑によれば、「天然ものは稀で秋から冬が旬。天然ものはあまり手にはいりやすいわけではないが、みつけたら購入をすすめる。値段もやすい。刺身にしたときの色合い、そして味ともに抜群である。白身魚としてはもっとも味のある魚のひとつだろう。今回は握り寿司に仕立ててみたが、寿司職人の折り紙付き。」とあります。

 

なにはともあれ、料理を見ていきましょう。まずは、魚料理の代表。魚のアラでだしをとった、辛いクッパ、メウンタン(매운탕)。日本ではあまり知られていませんが、韓国人のあいだでは非常に人気のある料理です。

うっ!真っ赤で、見るからに辛そうですねえ....。でも、見かけほどには辛くないので、ご安心下さい。

ところで、肝心のお魚はどこに....。ちょっと、混ぜてみましょう。すると、出てくる。出てくる....。卵巣から、内臓、肝臓に至るまで、一匹まるごとを煮込んだ感じ。

魚独特の臭いがあり、つい数年前まで「嫌いな韓国料理」でしたが、今は一番好きな韓国料理の一つです。人間の嗜好って、本当にある瞬間を境に、180度、変わりうるものなのですね....。

実際には、こんな形で出てきます。(私一人のために、これだけのおかずを出してくれました。)一番、左に見えるものは、明太子のような魚のタマゴ。なんとも珍味でした。

おかずや調味料は、この店で手作りしたものです。発酵食品は温度管理が大切。かめを保温材でたいせつに巻いています。

天日に干された魚。イシモチでしょうか....。

お待たせしました。次は、この店の看板料理、オオニベを見てみましょう。

ほんのりと赤みがかった。見事なお刺身!一見すると、鉱物混じりの石のよう。韓国で長く住んでいますが、「韓国で、これ以上の刺身を賞味することは不可能である!」と、断言致します。

味は....言葉で表現するのは難しいのですが、「魚肉を熟成させるために、数日寝かせる」とのことで、独特のしこしこした、心地よい噛みごこちがあり、噛めば噛むほど、旨味が出てくるといった、奥深い食べ物です。

例えば、新鮮なハマチのお刺身はコリコリした噛み心地。大トロなら、口腔内にジュワーと広がる噛み心地。一方、このオオニベは、(誤解を恐れずに言うと)、分厚いビーフジャーキー(干し肉)を噛んでいるような、独特の弾力感....。こんな経験は初めて....。

「お刺身は新鮮さが一番」という人もいますが、魚肉を熟成させるというのは、興味深い話。韓国広しといえども、これだけの刺身は、そう出会えるものではありません。駐在員の方はぜひ、お好みの刺身醤油をご持参して頂きたいと思います。

宝石箱といった感じのおかず。これがまた、エラい、美味しいんですわ。

盛り付けも終わって、いよいよご賞味ですわ。これくらい、料理がでたら、お酒も旨いねエ....。

刺身が終わったら、次は珍しい魚のチヂミですわ。一度きりの人生やけん、これぐらいのモンは食べんと、値打ちないねエ....。

最後は、ニベチリですわ。一応、お世話になった日本人の中村さんの送別会いうことで、辛ろうないチリにしてもらいました。

味は絶品やったけど、正直、胃袋の限界ですわ。もう、アカン。食べれん!ちょっと、もったいなかった。

 

最後は徳島弁によるご案内になってしまいましたが、ご主人の趙社長はもともと木浦(モッポ)という韓国南端の都市で日本料理店を経営していました。7年前から江南でモッポ料理の店を開店。3年前から現在の地に店を移し、ニベ料理の専門店として再出発されました。ちなみにピョンウネという、聞きなれない店名ですが、ご主人のお名前と奥様のお名前を組み合わせたとのこと。お値段は上記のコースで一人4000円ほど(酒代込み)。ソウルの観光スポット、三清洞付近にあるので、三清洞に行かれた際は、ぜひご利用下さい。(日曜日はお休みです。)

ニベ料理 ピョンウネ

ソウル特別市鐘路区八判洞(팔판동)14

02-720-9397

 

 


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