北岳山麓合唱団

ソウルジャパンクラブ(SJC)の男声合唱団です。毎週火曜日、東部二村洞で韓国の歌と日本の歌を練習しています。

Before and After

2015年02月15日 21時32分52秒 | 韓国

Before and After(ビフォー&アフター)。ソウル在住の方ならご存知ですよね。そう、市内のあちこちで目にする美容整形の広告です!「百聞は一見に如かず」を韓国語でいうと、백문이 불여 일견(百聞不如一見)。とにかく「せわしい」韓国人。即興社会で、じっくり選ぶヒマがありません。余計な“ゴタク”を並べるより、この方が分りやすいと思われたのでしょうか?今やソウルという街の風物詩になってしまった感すらあります。

ところで、このビフォー&アフター広告(비포 앤드 애프터 광고)が今後、街角から撤去されて見られなくなるかもしれないのです

韓国政府はさる2月11日、患者の権利と保護を目的に新しい医療法施行令を準備し、16日から立法手続きを開始すると発表しました。

新しい医療法では、1.ビフォー&アフター広告 2.芸能人の写真や映像の利用 3.患者の治療経験談の利用等を広告に利用することが禁止されるとのことです。でも、ほとんどの美容整形広告はこの3つがすべて。今後、これらが禁止されると、次はどんな広告になるのでしょう?また今後、地下鉄やバスといった交通機関、あるいは若い人が集まる映画館等に広告を出す場合は、事前審議が義務づけられます。表現の自由といった問題はあるかと思いますが、美容整形にまつわるトラブルが増えているのは事実。画像の誇大加工は当然として、2014年は整形関連の紛争が805件を数え、死亡事故も発生しています。報道によれば、事前審査機関には、患者や女性団体にも参加してもらって公共性を高めるとのことです。

新しい改正法案では、広告に関する規制以外に、医師がホームショッピングやトークショーに出演してサプリメントや医薬品、化粧品の効能を説明する行為も規制されます。

少し驚いたのは、「手術室実名制」という制度の導入です。報道によれば、一部の整形外科で本来の担当医師ではない医師による「代理手術」なるものが横行しているそうで、今後は手術同意書に「手術予定医師と実際に手術をする医師が同一人物である」ことを表記することが義務付けられ、さらに疑惑を証明するためのCCTVの設置も義務付けられるとのことです。手術同意書の医師ではない、第3者の医師が代理で手術しているというのは驚きですけど....。

あと、手術室の施設にも基準が設けられました。新しい基準では、人工呼吸器、気管内挿管誘導装置、無停電電源供給装置、酸素飽和度測定装置、心電図測定器等の装備を必ず手術室に保有しなければならないず、かつ感染防止のために空気浄化設備、呼吸装置の安全管理施設なども取り揃えなければならない。というものですが、正直、エエッ!という感じ。要は、人工呼吸器や心電図測定器の設備がない手術室がある(!)という事実を政府が認めたようなものです。あと、無停電電源供給装置の義務化ですが、手術中に停電したら、どうするつもりなんでしょう?

最近、中国語で書かれた整形外科の広告を見るようになりました。統計によれば、昨年、韓国に訪れた中国人「医療観光客」は56,072名。そのなかで4人に一人は「美容観光客」だったとのこと。医療を一つの観光資源ととらえる韓国政府は、今回の規制強化を通じて外国人医療観光客の誘致に乗り出すとのことですが、何はともあれ、人命を預かる仕事。キチンと基本を押さえてほしいものです。

あと、インターネットで見つけたのですが、昔のBefore and After広告です。곰보얼골(あばた顔)が美人形になるとあります。私の経験上、左右を比べて、左側がいいという男性も多いのでは....。昭和の昔は左側みたいな女性を見かけたような記憶がありますが、日本でもいつしか見かけなくなってしまいました。

日本語に「あばたもえくぼ」という言葉があります。韓国語では제눈에 안경이다(私の目に眼鏡)と表現します。視力は人それぞれで、他人の眼鏡は自分の役に立ちません。要は、その人にはその人に合った眼鏡がある。他人にとっては役に立たない眼鏡であっても、その人にとってはイチバンの眼鏡。つまりどんな男女にも、その人に合った相手がいる、という意味です。


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