北岳山麓合唱団

ソウルジャパンクラブ(SJC)の男声合唱団です。毎週火曜日、東部二村洞で韓国の歌と日本の歌を練習しています。

学生街のスーパースター、キム グァンソク(金光石)

2013年03月24日 13時42分26秒 | 合唱

合唱団活動の報告が遅くなりましたが、19日(火)はパン先生の練習日。決算月ということもあって、「出席できません」というメールをたくさん、いただきました。

最終的に私と西ヶ谷さんの2名で練習しましたが、遠くから来て下さる、先生にも申し訳ないので、ご多忙とは思いますが、極力、練習にご参加願います。

19日は、シンガーソングライター、キム グァンソク(金光石)の94年のヒット曲、「立ち上がれ」(일어나)を練習しました。この曲は金光石がギター一本で弾いた曲ですが、歌ってみると、意外に合唱曲としてもイケそうです。

 

金光石は90年代前半に活躍した、学生街のスーパースター。人気の頂点だった96年に31歳の若さで、自ら命を絶ちました。

死後17年がすぎた今でも、金光石は、当時の記憶を共有する30~40台の韓国人に絶大な人気があり、ラジオでもよく曲がりクエストされます。

ソウル在住の皆様。韓国の方とカラオケに行く機会も多いと思います。ぜひ、このクラスの歌を歌って、韓国人の同僚の前で、バシッとキメて頂きたいと思います。

大学路にある、金光石の碑。12周忌の2008年に建立されました。

 

ここでは金光石の数多い代表曲の中から4曲をご紹介します。いずれも、30~40代の韓国人なら、みんな知っている曲ばかりです。(日本語は私の参考訳です。)

 

1. 立ち上がれ(일어나)

今年の練習曲です。私は初めて聞きましたが、落ち込んだ時の応援歌として、けっこう人気があるようです。

作詞作曲:金光石

暗い闇の中に立っていて、一寸先も見えない。どこに行けば、いいのか?どこに、いるのか?ふり返ってみても、意味がない。

人生なんて、川の水の上に、浮き草みたいにさまよった挙句、どこか静かな湖の岸にたどり着いたら、水と一緒に腐っていくだろう。

立ち上がれ!立ち上がれ!もう一度、やってみるんだ。立ち上がれ!春の新芽のように!

終わりもない日々の中で、僕と君は疲れてしまい、もっと別のふるまいで、もっと別の言葉で、自分を安心させようとしたね。

認めあうことが多いほど、新しいことは、次第に遠ざかり、単に行ったり来たりするだけの時計の振り子のように、毎日、揺りていくのだろう。

立ち上がれ!立ち上がれ!もう一度、やってみるんだ。立ち上がれ!春の新芽のように!

軽く生きていくということは結局、自分をがんじがらめに縛ってしまい、世の中がそっぽをむいたところで、僕はどっちみち生きているものを!

美しい花であるほど、早くしおれていき、日差しが指せば、透き通っていた露もあっという間に乾いてしまう。

立ち上がれ!立ち上がれ!もう一度、やってみるんだ。立ち上がれ!春の新芽のように!

立ち上がれ!立ち上がれ!もう一度、やってみるんだ。立ち上がれ!春の新芽のように!

 

2.塵になって(먼지가 되어)

おそらく金光石でいちばん有名な歌。私も大好きで、カラオケでよく歌います。曲の題名について、ここでは「塵になつて」と訳しましたが、要は、ちり、あくた、ほこり、といった粉塵のこと。細かい塵になって、大好きなあなたのもとに飛んで行きたい、という歌です。

実のところ、この曲は別の歌手が87年に歌ったヒット曲でしたが、91年に別の歌手がリメイクして、またヒット。さらに金光石がビートをきかせて、再々リメイクしたところ、これがまたまた大ヒット。先の2曲より有名になってしまいました。

ちなみに金光石はリメイクの名手で、カバー曲だけを集めたアルバムも出しています。その相当数が元の曲より売れてしまい、今では金光石の歌だと思っている人もいます!

ところで、この歌。分かったようで、実のところ、よく分からない、でも素敵な歌詞ですね

作詞:송문상 作曲:이대현

バッハの旋律に浸った日なら、

忘れていた記憶が咲き出るよ。

風に飛んでいった僕の歌も

口笛の声になって戻ってくる。

僕の小さな空間の中に追憶だけがつもり、

訳のわからない涙だけがちらちら見える。

小さな心をみんな集めて

詩を書いてみても、満たされない君。

塵になって、

飛んでいかないと

風に吹かれて君のとなりに

小さな心をみんな集めて

詩を書いてみても、満たされない君。

塵になって、

飛んでいかないと

風に吹かれて、君のとなりに

小さな心をみんな集めて

詩を書いてみても、満たされない君。

塵になって、飛んでいかないと

風に吹かれて、君の横に

スッ トゥルル トゥルル ルール

スッ トゥルル トゥルル ルール

 

3. 広野で(광야에서)

これまたリメイク曲。80年代末から90年代初頭。韓国で学生運動が盛んだった頃、学生たちの間で大ヒットした曲ですが、今ではテレビでも時々歌われています。当時の学生たちの民族感情がよく歌い上げられており、深層心理の理解という観点から、特に紹介致します。

韓国は国土の80%が山岳地で、この歌で歌われているような広い野原を韓国国内で体験することは不可能です。ちなみに、「白い血筋」とは、韓国民族のこと。また、題名でいう「広野」とは、歌詞にある、満州の原野(中国東北部)を指しているそうです。韓国人は、この歌を歌うと、心の中のモヤモヤが晴れて、スカッとするそうですが、実際、晴れやかな表情で歌う人が多いですね。私も時々、歌いますが、不思議と大船に乗ったような、スッキリした気分になります。

作詞作曲:문대현

引き裂かれた心を抱いて

消えていった

この土地に血の泣き声がする。

握りしめた2本の腕に

噴き出る

白い血筋がある。

太陽が昇る東海から

太陽が沈む西海まで

熱き南島から

広々とした満州の原野

我々はどうして貧しいのか?

我々はどうして躊躇するのか?

再び立つ、あの平野で、

握りしめる、熱い土よ。

太陽が昇る東海から

太陽が沈む西海まで

熱き南島から

広々とした満州の原野

我々はどうして貧しいのか?

我々はどうして躊躇するのか?

再び立つ、あの平野で、

握りしめる、熱い土よ。

再び立つ、あの平野で、

握りしめる、熱い土よ。

 

リメイク曲だけで制作したアルバム「もう一度、うたう」。「リメイク=二番煎じ」という社会通念を打ち砕いた金字塔的な作品。金光石によって新たな命を吹き込まれた歌も多く、アクの強いジャケットとともに、再解釈の完成度が大きな話題となりました。

 

4.二等兵の手紙(이등병의 편지)

徴兵制度が存在する韓国では、入隊にともなう、恋人との別れをテーマにした曲がいくつかあります。この歌もリメイクながら、彼の代表曲の一つ。あまり日本に紹介される機会のない歌だと思いますので、韓国社会の理解という観点から、紹介致します。

ただし、この歌で描かれているような光景は、既に過去のものになっているような気がします。本当のところは、韓国の人に聞いてみないと分かりませんが、街中で軍服を見る機会も激減しました。

家を出て、列車に乗って、訓練所に行った日

両親に挨拶をして、門の外に出たとき、

胸の中に何かやりきれない思いが残ったけど、

野草の一本、友達の顔、すべてが新しい。

さあ、新たな出発だ。若い日の人生よ。

友達よ、軍隊に行ったら、手紙を必ず書いてくれ。

彼女との楽しかった日々を忘れぬよう

列車の時間が近づくとき、両手をつかんだ温かさ。

汽笛が遠ざかると、小さくなる姿

さあ、新たな出発だ。若い日の夢よ。

短く刈り上げた僕の頭が最初は可笑しかったけど、

鏡の中に映る僕の姿が、こわばった心まで

裏山に登れば、僕の村が見えるだろうか

ラッパの音が静かに夜空に響けば

二等兵の手紙、大切に折って送ろう

さあ、新たな出発だ。若い日の夢よ。


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