ソウル駐在の方限定で、質問です。「韓国で一番、高いビルはどれですか?」
この質問に「汝矣島(ヨイド)の63ビル」などと答えているようでは、「日本で一番高いビルは?」と聞かれて「霞ヶ関ビルです」と答えるようなものですよ。
正しい答えはソウル市永登浦(ヨンドゥンポ)にある、第3ソウル国際金融センター(285m.55階)です。それでは2番目は?
答えはソウル江南にあるサムスンタワーパレス3(264m.73階)です。なかなか、63ビルが出てきませんね。もっと行きましょう。3番目は?
答えはソウル市木洞(モクドン)にあるハイペリオンタワー(256m.69階)です。じゃあ、4番目は?お待たせしました。日本人にはおなじみの63ビル(249m.60階)です。
あれっ。63ビルでしょ!63階じゃないの?違います。地下3階。地上60階で合わせて63ビルです。
63ビルが施工されたのは80年代前半。当時、某国にサン〇ャイン60(240m.60階)という建物がありました。当時はその国で一番高いビルでしたが、仮に63ビルを「60ビル」と名づけると、韓国の威信をかけて建設する超高層建築がお隣の某国と同列ということになり、色々な不都合が生じたのです...。
もちろんこの話は都市伝説ですが、信憑性があります。当時の韓国には「東洋で一番、〇〇」という表現がありました。当時の世界で世界一を名乗ろうとすると、アメリカ、ヨーロッパを視野に入れた競争になり、それは土台ムリ。ならば、隣国との競争に勝って、東洋一を名乗ろうと。
それから20年以上の歳月が過ぎて、今は2014年。世界は多極化、グローバル化し、中国や中東、東南アジアに次々と超高層ビルが建設され、いつしか「東洋一」という表現そのものが死後になってしまいました。
63ビルについて、もう一つのトリビアを。実のところ、63ビルの正確な階数については、韓国人の間でも議論があります。「63ビルには44階が存在しない。」ホントかウソか?興味のある方は、63ビルに行かれた機会に確かめてみてください。
写真は蚕院(チャムシル)に建設中のロッテワールドタワー。完工時には、555m.123階で、世界で6番目に高い建物となります。2016年10月完工とのことですが、完成したあかつきにはソウルの新しい観光スポットになるでしょう。
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