@幕張日記

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靖国問題と対中国外交に思うこと ~前編~

2005-08-04 21:16:46 | @幕張の主張
 5月28日に靖国問題に関するテーマのブログを書きました。
そのブログにトラックバックをいただいたので、御礼と共にコメントを書いたのですが意外と長くなってしまいそうでしたので、今日のテーマとして本稿を書かせていただきました。

TBをありがとうございました。
このコメントが、自分のコラムで靖国のテーマを取り上げるキッカケとなったdoushiさんへのコメントと一部重なる事をお許しください。

最近、会社を辞めてから中国の方とお話をする機会がまったくなくなってしまった@幕張にとって、今の自分の状況はたぶん多くの中国人民と同じ状況にいるのではないかと思われます。

それは中国の情報が氾濫し、その中で何が正しいのか自分で判断する術を持たない私と、国による情報統制がされ、私達が住んでいる日本とは別の“日本小鬼”というイメージこそ真の日本だと扇動された彼の国の国民が、共に「自分で判断する」という真っ当な事をせずにただただ周囲の情報に流されているからであります。

私は以前、旅行会社で来日する外国人を担当していた時期がございまして、その際に中国の副首相や鉄道公司の総裁から観光で来日された一般の中国人民の皆様までお会いする機会がございました。お会いした際に感じたことは、中国の方々は決して理解不能の民族ではないという事です。ただ、その後の情勢を見るにつけ、ここまで国民の個々人と国家との間に印象のギャップがある国も珍しいとは思いましたが。

さるテレビのインタビューで、何人かの中国国民が「日本には行ったことがない。日本について実は何も知らない。」と答えていました。そう、多くの中国人は店で見る日本製品や歴史で学んだ“日本小鬼”という程度の知識、認識で日本を判断しており、そんな認識の中から彼等の心の中には“近くて遠い国”日本に対する興味、憧憬、羨望、妬み、etc.等、あらゆる日本に対する思いが可燃性の油のように渦巻いたのではないでしょうか。そして「中国の誰か」がその油の中に火のついたマッチを投げ込んだ結果が最近の排日運動なのではないかと私は考えています。そして、その結果として「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式に先の大規模デモに発展していったのだと思います。

では、「誰が」マッチを投げ込んだのか。アメリカ在住の華僑だとか、中国政府の高官だとか、中国の財界関係者だとか、日本の新聞、雑誌、テレビではあらゆる情報が錯綜しており、真実は何か判断つきかねる、というのが@幕張の本心です。ただ、明らかなのは中国国民の日頃の不満、鬱憤や何かの非日常的イベント(=変化)の場を求めていた若者達のガス抜きになった事は確かであり、靖国問題が政治的に利用されている側面を示した事だけは確かであります。

なぜ政治的に利用されたと言えるのか、それはそこに中国政府のしたたかさ、狡猾な外交手腕が垣間見るわけですが、その後反日デモが大きくなり、アメリカをはじめ西側諸国が中国政府に対して治安能力に懸念を示した途端に事態を沈静しにかかった。という現象一つを捉えても、つまりは政治的にコントロールできていたのではないかと思わせるものです。

マッチポンプのように「庭の枯葉を集めて焚き火をするよう小僧(人民)に言いつけ、掃除の褒美として焼き芋用の芋を与える。枯葉に火がついたところで母屋の中から団扇で煽り、隣の家まで火の粉が飛んでいくよう煽ったものの、風向きが変わって自分の母屋にも火がつきそうになったので慌ててバケツの水を掛けさせた…」塀の外から見ていれば、母屋の中から小僧にマッチと芋を手渡し、中から団扇で火の粉を煽った人物は塀の外からは見えません。単に庭で焚き火をした小僧が悪いように見えます。
小僧は言いつけ通りに庭の枯葉を集めて掃除をしたものの、褒美の焼き芋が食べられなくなったどころか、火事の犯人にされそうになってしまいます。かくして小僧の不満は一層膨らんでいくのです。どこかの事象に良く似ていませんか?

何か問題が起こっても、子供がやった事なら親が出て行って謝れば良い。子供のイタズラなら大きな問題にはならないだろう…というような思惑が見え隠れしているように思えて仕方ないのです。

そんな中国外交に対して日本外交はあまりにお粗末過ぎ、現在行なわれている六カ国協議でも露呈しているように、口ごもりながらオズオズと他の五人の代表の中に端から手を伸ばす事しかできない、あまりに弱気で貧弱な日本外交が中国政府を思わず勢いづかせてしまった、と言うところが事の真相なのではないかと思うのです。

「靖国」という言葉は現在の中国政府にとって、国際的には日本に対しての打ち出の小槌、国内的には国民へ配る甘い飴玉なのです。国が急激に経済的高度成長を遂げる中国国民にとって現在は自分が裕福になる、または権力を得る最大のチャンスであり、その時流に乗り損ねた、または最初から乗る事ができなくて諦めている人達に対して一瞬の甘美を味わうために国が配る飴玉。もちろん、そのツケはすべて日本が払います。打ち出の小槌としての経済援助、悪役としての日本の存在。

下賎な例えで恐縮ですが、テレビドラマに例えれば、ちょうど中国がヒモで日本が情婦、女のために怪我をした男がその怪我を理由に女にたかり続け、ヒモがチンピラに自堕落したのは自らが原因だと黙って支える情婦、という構図を描けば解りやすいでしょうか。中国が現体制のまま、なし崩し的に自由経済主義化し、現在の権力構造を変えることなく経済を発展させるためには、日本はそれこそ絶好の、何をしても黙って見逃してくれる情婦のような存在になっているのです。
                               (続く)

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