maruの下手の横好き写真とつぶやき
写真を撮ったり、音楽(クラシック・ロック)をよく聴き、読書は古典(主に哲学中心)がメインです。全体主義社会の動きに警戒。
 



なかなか鋭い内容の本でした。時事ネタの本ですが、

事と次第では今後も残っていく本になるかも。

ちなみに、文庫版が出ていたのでそれを買いました。

以前本屋で観たことがあって、どうせプーチンを

悪の権化みたいに書いてる本だろうと思っていました。

(実際にそういう本は多かった。でもこれは予想が外れた。)

日本でも売れていたのですね。納得です。

最近SNSでみた中で、この本の通りになってるという

指摘があったので、読んでみました。

 

この本では彼を冷静に分析し、もっと警戒しろと言っています。

このような分析がいまのテレビ報道では全く出来てない。

世界のエリートたちの話からも感じられない。

感情論に突っ走り、悪の独裁者は許さないの一点張り。

 

五輪でもロシア(とベラルーシ)は扱いが悪いけれど、

イラクを破壊したアメリカは?

ガザ虐殺のイスラエルは?

経済制裁受けている国と受けない国、

壮大なダブルスタンダードという矛盾を見せられてますが、

これを納得しろというのは、1984の二重思考の世界です。

相対する矛盾と知りながらその両方を受け入れる能力。

強力なビックブラザーの下で生きるための思考法です。

 

因みにウクライナ情勢が始まる前に出た本なので、

その侵攻については書かれていませんが、

現在に至る流れを示唆する内容です。

凄い本というのは、後からジワジワと評価が出ます。

でも、この本のメインはウクはありません。ドル崩壊です。

 

なるほど、確かにプーチンは恐るべき人物として

書かれているのですが、恐怖の極悪人というより、

その能力の高さ・・・視野の広さ、先を見通す力、

冷静(冷徹)な決断力に特に優れた人物として、

書かれていました。まさにそう思っています。

感情諭でみると、単なる冷徹な独裁者ですが、

それこそ危険な発想です。

ですが、それを理解しようとしないアメリカ政府。

米に従う欧州(日本も)と困惑する中東。

ウクライナはロシアの御荷物として書かれています。

 

これまでのプーチンは敵もいた訳ですが、彼のやり方は

冷静に耐えるべき処は耐え、行くべきところで行く。

これは一貫したプーチンの姿勢です。ぶれてない。

ウクライナでも突発的に侵攻したように見えて、

そうではありませんよ。テレビでは分からないけど。

よく侵攻はNATOの結束を固めてしまい失敗だと評論家は

言いますが、逆に反米(欧)がまとまり動き出してる事は

言いませんね。

 

結論はアメリカの稚拙な外交(全世界相手)の隙をついて、

脱ドル決済を進めるプーチンを警戒しろという内容です。

そこに至る過程で、その稚拙さの説明が納得させられる。

イラクやリビアの脱ドル化とアメリカの報復も書いてある。

(未だに知らない人が多い)

 

いまの欧米は感情で外交やってるとしか思えない。

ロシアに一泡吹かせてやるとか、懲らしめてやるとか、

ロシアアレルギーが強すぎる。

もしかすると、それを承知で何か考えているとも思えるくらい。

 

日本人の多くが、これまた感情的な判断しか出来てない。

メディア情報がそうだから仕方ないのですが、

仕方ないで済まない話もありますからね。

こうやって、煽られて敵対心だけを植え付けられていく。

その先は戦争しかないでしょ。いつか来た道です。

 

この手法、よく中国や北朝鮮の説明で言ってましたよね。

国内をまとめる為に敵が必要だから・・・って、

今、欧米日がまさにそれをやってませんかね。

本来、日本はそこに加わる必要などなかったのに加わってる。

敵、敵、敵、憎め憎め憎め・・・・

小説「1984」に出てくる2分間憎悪みたいな報道には

うんざりですが、それでも生きていかなければならない。

目と耳を塞いでも、そこには意志があるから物事は進む。

こういう時だからこそ、芸術は必要なんだなあと思い、

最近はとくにクラシックに戻って色々聴いてます。



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