舞姫

ひぐらし日記

今、大切なコロナ治療薬 参照してください。

2020-04-22 | 日記
‎2020/‎03
コロナ治療薬
 
新型コロナウイルスの治療に既存の抗ウイルス薬が有望だとわかり、早期に使える可能性が出てきた。インフルエンザ薬「アビガン」とエボラ出血熱薬「レムデシビル」が特に有望視されている。レムデシビルは4月にも臨床試験(治験)の結果が出る見通しだ。実用化できれば世界規模の死者増加を抑え、経済への打撃を緩和することにもつながる。

「治療の効果は明らかだ」。17日、中国科学技術省の記者会見に世界が注目した。富士フイルムのグループ会社、富士フイルム富山化学が開発したアビガンについて、新型コロナ治療の臨床研究で有効性を確認したと発表した。患者200人に投与し、肺炎などの症状が改善したという。今後、中国の医療現場で患者への使用が推奨される。
新型コロナに有効な治療薬はまだなく、他の病気の治療に使う薬の転用が注目を集める。
アビガン(ウィルスRANの複製阻害)は国内では2014年3月にインフルエンザ薬として製造販売承認を取得し、16年に中国製薬会社の浙江海正薬業(浙江省)にライセンスを供与していた。浙江海正薬業は2月に中国当局から生産認可を得ており、量産を本格化する。日本では治験中、米国でも始める。 日本でも医師の判断によって新型コロナの患者に投与されている。政府はアビガンを200万人分備蓄しており、富士フイルム側は「政府から増産を検討するように要請を受けている」と説明する。実際の増産には原材料の確保などの課題もありそうだ。
レムデシビル(ウィルスRANの複製阻害)エボラ出血熱の治療用に開発されていた米ギリアド・サイエンシズは各国で未承認だが、中国で新型コロナの患者に投与したところ効果が確認され、同社は日米中などでの最終治験を始めた。1千人程度の患者で効果を見ている。
ギリアドは「まず中国で4月にも結果が出る」と説明。厚生労働省が緊急措置として審査を急ぎ、条件付きの仮承認を出すなどすれば、日本でも数カ月のうちに医療現場で使えるようになる可能性がある。商業生産されている薬ではないため、大量供給するには新たに製造体制を構築する必要がある。(腎機能低下)
カレトラ(ウィルスRANの拡大を阻害)米アッヴィの抗エイズウイルス(HIV)薬も中国でコロナ治療に使われ、他の薬剤と組み合わせた治験が進む。 日本では2000年に承認されてエイズ治療に広く使われており、新型コロナで有効性が確認された場合、早期の大量供給も可能とみられる。臨床試験中、米国では治験、中国は使用中。

いずれの薬剤も副作用のリスクがあり、軽症患者の治療には向かない可能性が高い。
アビガンは動物実験で胎児への影響が確認され、妊婦への使用は厳禁だ。重篤な肝障害などの副作用も報告されている。カレトラは膵炎(すいえん)や肝障害が報告されている。
レムデシビルの副作用はまだ不明で、腎機能低下・低血圧障害などの可能性が指摘される。
国内ではこのほか、喘息薬「シクレソニド」(炎症抑制)帝人ファーマは解熱などの効果が見られたとして症例研究が進んでいる。東京大学の井上純一郎教授らは18日、急性膵炎の治療薬「ナファモスタット」(たんぱく質の分解阻害)を試験投与して効果を調べると発表した。

2015年ノーベル受賞大村智が開発した抗寄生虫薬イベルメクチンが新型コロナウイルスの抑制に効果がある。48時間以内にウイルスが増殖しない。 オーストラリアのモナシュ大学発表
 アクテムラ(抗リウマチ新薬)は炎症抑制。スイスのロシュ、中外製薬
 ケプサラ (抗リウマチ新薬)は炎症抑制。仏サノファなど
 クロロキン(抗マラリア、免疫疾患)は炎症抑制。
 ヒドロキシクロロキン(抗マラリア、免疫疾患)は炎症抑制。
 アジスロマイシン(抗生物質)はたんぱく質の合成阻害

新型コロナ治療では既存の治療法も応用されている。コロナから回復した患者の血液を使う「血漿(けっしょう)」を投与する治療法だ。
国内では国立国際医療研究センターが早ければ4月中にも試験的な治療を試みる方針だ。回復者の血漿の成分を活用した「血漿分画製剤」では、武田薬品工業が米CSLベーリングと組み開発を進める。年内の実用化を目指している。
世界の製薬会社や研究所が新型コロナ治療薬開発に既存の薬や技術を応用するのは、有効性が確認されればすぐに医療現場で使えるようになるからだ。新薬をゼロから開発し、実用化するには10年近くかかる。
既存薬は安全性確認など時間のかかる作業が終わっているため、短期間で薬として使える可能性がある。現在、既存薬で新型コロナ薬として期待されているのは十数種類。治験で有効性が確認できれば、各国の規制当局への承認申請に進む。
「治療薬承認に向けあるゆる障壁を取り除く」。米トランプ大統領が新型コロナ薬の早期承認を公言しており、有効性が確認された薬があれば1カ月程度で承認される可能性がある。
欧州や英国でも規制当局が新型コロナ治験支援や条件付きでの迅速承認を準備している。
一方、日本は承認審査スピードを速める「先駆け審査指定制度」があるが最短で6カ月程度だ。日本は薬価が決まるのにも1~2カ月かかり、海外に比べ時間がかかる。

4月18日には国内で新型コロナ感染者が1万人を超えた。世界でコロナ感染者は200万人、死者は15万人に達する。
治療薬への期待は過熱気味で、米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は「(薬の効果は)科学的に有効性を証明しなければいけない。間違った希望は持たないでほしい」と呼びかける。有効性を見極めつつ、副作用リスクや供給能力を慎重に判断する必要性もあるかと。




アビガンは新型コロナに効くのか 比較試験が必要な理由
朝日新聞社 2020/04/20

 新型コロナウイルス感染症に対して効果が証明された薬はいまのところありませんが、多くの臨床試験が進行中です。もともとはインフルエンザ治療薬である「アビガン」は、期待が持たれている薬の一つです。ウイルスのRNA合成を邪魔する作用があり、原理的には新型コロナウイルス感染症に効いてもおかしくありません。アビガンが効いたとする症例報告や、感染したけれどもアビガンを飲み始めたら改善したという芸能人の体験を伝える報道もあります。
 治療薬やワクチンの有効性を調べるための標準的な方法は、ランダム化比較試験です。新型コロナウイルス感染症にアビガンが有効かどうか調べたいなら、患者さんを治療群と対照群にランダムに分け、治療群にアビガンを投与し、対照群には投与せず、回復するまでの時間や回復した人の割合などを比較します。臨床試験を計画し、実行し、結果を発表するまでには時間がかかります。
 「効果がある可能性があるなら、臨床試験の結果なんか待っていないで、どんどんアビガンを使うべきだ」という意見もあるかもしれません。しかし、たとえ劇的に効いているように見える治療薬でも、本当は効果がないかもしれないのです。新型コロナウイルス感染症は、アビガンを使わなくても回復しうる病気です。アビガンを投与して回復した症例をいくら集めても、アビガンのおかげで治ったのか、それともアビガンを使わなくても治ったのか、区別がつきません。だからこそ、ランダム化比較試験はぜひとも必要です。ランダム化比較試験以外で、その治療薬が本当に有効かどうかを正確に知る手段はありません。

 しかも、有効性を評価しないまま薬を使い続けるのは危険なことでもあります。薬にプラスの効果がないだけならまだましで、逆に病気を悪化させるかもしれません。新型コロナウイルス感染症は、自然に回復することもありますが、ご承知の通り重症化して亡くなることもあります。本当は病気を悪化させる薬を、「薬を使って良くなったら薬のおかげ、亡くなったら病気のせい」だと誤認したまま使い続けるようなことがあってはいけません。

 かつての固型がんに対する抗がん剤治療がそのような感じでした。「抗がん剤を使うと腫瘍(しゅよう)が小さくなる症例が一定数ある」ことを根拠に抗がん剤が使われましたが、腫瘍が小さくなるからといって必ずしも患者さんの利益になるとは限りません。とくに副作用に見合うだけの利益があったかどうかは疑問です。そうした点を踏まえ、抗がん剤の有効性は原則としてランダム化比較試験における生存期間によって評価するようになりました。現在では、抗がん剤治療の効果も、副作用の抑制も、ずいぶんと改善されています。
 臨床試験は、患者さんたちの協力なしには成立しません。十分な情報提供、倫理的な妥当性、自由意思による参加が保障されていなければなりません。現在行われている医療技術のほとんどは、臨床試験に参加してくださった患者さんたちのおかげです。新型コロナウイルス感染症についても質の高い臨床試験が行われ、早く有効な治療薬が見つかることを願っています。









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