これまで何回か続けて「らーめんスープ」の話をしながら乳化についての説明をしてきたが最初に「とんこつラーメンとぺペロンチーノはどちらも乳化が決めて」という表題にしたのは、二つとも「W/O型」( ウオーター イン オイル)という水の中に油の粒子が小さく混じりあった乳化状態だからだ。
乳化状態のよくない「とんこつラーメン」は水っぽかったり、舌にベタっと脂がまとわりつく。
「ぺペロンチーノ」もまったく同じで、乳化に失敗すると食べられたものではない。
オリーブオイルをたくさん使うのでベタベタとした味になってしまい、食べた後の皿にはオイルがたっぷり残ってしまう。
下の写真は「ぺペロンチーノ」の完成写真だが、お玉半分以上のスープと大さじ3以上のオリーブ油が入っているのに完全に乳化している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/5f/10f11196d715f37822957401058cdcf5.jpg)
パスタつくりの中でも、この「ぺぺロンチーノ」が一番難しいとされているのは、「ぺペロンチーノ」には乳化を助けてくれる具材(たとえば豚骨スープならば豚骨)のような乳化剤がなく、オリーブ油とパスタの茹で水(パスタの小麦粉から溶け出した僅かなサポニン)だけを乳化剤として乳化させなければならないからだ。
次回は「ぺペロンチーノ」のつくり方を紹介するが、「乳化」の原理をしっかりと理解しないと美味しい「ぺペロンチーノ」をつくることはできないので、今回は「乳化」ということについてもう一度詳しく話をしよう。
本来、水と油は混ざり合うことはない。仲の悪い人達の例えに『あの人達は水と油だから』という表現もある。
では、何で水は砂糖とか塩とは混ざり合うのに油とは混じり合わないのだろう?
水と油が分かれている「ドレッシング」も、よく振ってあげることで一時的には均一に混ざるがいつのまにか上下に分離してしまう。
いくら混ぜ合わせてもいつのまにか上下に分離してしまう理由は、水と油では「比重」が違うからだ。
話を分かり易くする為に水を「水くん達」、油を「油くん達」と呼ぶことにしよう。
「ドレッシング」もよく振ってあげることで、「水くん達」と「油くん達」は、お互いの分子が小さくなって一緒にいる状態になる。
しかし、時間がたてば水くんは水くんの分子、油くんは油の分子とお互いに引っ張り合う力が強いので、仲間達が集まりあって元の状態に戻ってしまう。
「水くん」と「油くん」達は、どんなに目に見えないような小さな分子になっても絶対に混ざり合うことはない。
そこで、「水くん達」と「油くん達」の仲が悪いのを見かねた「乳化剤くん達」が仲を取り持つことになる。
この「乳化剤くん達」には、2種類のタイプがあり、「水くん達と仲のよい乳化剤くん達」と、「油くん達と仲の良い乳化剤くん達」だ。
たとえば、「水くん達」がたくさん泳いでいる水のプールがあったとしよう。そこに「水くん達」より人数の少ない「油くん達」が泳ぎに入ったとする。
「比重」が違うので「水くん達」と「油くん達」が混じりあうことはない。また、それぞれが引き合う力も強い。
そこに、「乳化剤くん達」がやってきた。今回の「乳化剤くん達」は「水くん達」と仲のよいタイプだ。
「乳化剤くん達」は早速、プールに入ると1人1人の油くんの周りを何人かで囲んでいく、そうすると、「油くん」と「油くん」が一緒に集まることができなくなって、プールの中には「油くん」が別々に点在している状態になる。
(これをW/O型)エマルションという。(ウオーター イン オイルで、水の中に油が粒子となっている)
食品でいえば、牛乳、マヨネーズ、アイスクリームなどがこの「水中油型」だ。
逆に「油くん達」がたくさん泳いでる油のプールがあったとしよう、そこに「油くん達」より数の少ない「水くん達」が泳ぎに入ったとする。
今度は「油くん達」と仲のよいタイプの「乳化剤くん達」が現れて1人1人の水くんの周りを何人かで囲んでいく、そうすると、「水くん」と「水くん」が一緒に集まることができなくなって、プールの中には「水くん」が別々に点在している状態になる。
(これをO/W型)エマルションという。(オイル イン ウオーターで、油の中で水が粒子となっている)
食品でいえば、バターやマーガリンなどがこの「油中水型」だ。
このように、水の中に油が粒子になっている状態と、油の中に水が粒子となった状態を「エマルション」といい、「エマルション」の状態にさせることを「乳化」または「乳化させる」という。
さて、次回は「ぺペロンチーノ」のつくり方を説明するが、通常は「パスタの茹で水」を乳化剤として、また、鍋を振ることで乳化させるが、「パスタの茹で水」の代わりに「乳化した鶏ガラスープ」を使うことにしよう。
もう、理解してくれたと思うが、あの「乳化した鶏ガラスープ」のゼラチン質が乳化剤となり、何度も鍋を振らなくても簡単に「ぺペロンチーノ」をつくることができ、また、スープの旨みも加わる。
尚、余談になるが、日本では「ぺペロンチーノ」というと、このシンプルなスパゲッティーを指すが、「ぺペロンチーノ」とはイタリア語で「唐辛子」の意味だ。
もし、イタリア旅行に行ってレストランで「ぺペロンチーノ ぺルファボーレ(お願いします)」などと注文すると山盛りの唐辛子が出てくるかも知れないので気をつけよう。
正式な料理名は「 Spaghetti Aglio Olio e Peperontino 」(スパゲッティ アッリオ・ オーリオ・エ・ペペロンチーノ)と言い、ニンニクオイルと唐辛子のスパゲッティーだ。
そして、一般的には、このスパゲッティーには「コショー」は使用しないという。
なぜなら、昔、「コショー」はとても高価だったので、その代用品として「唐辛子」を使用するようになったからで、「コショー」を使ってはダメという人もいるが、この料理は日本の「お茶漬け」のようなもので、レストランで食べる料理ではなく、家庭料理なので自分の好きな味で食べればいいと思い。
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乳化状態のよくない「とんこつラーメン」は水っぽかったり、舌にベタっと脂がまとわりつく。
「ぺペロンチーノ」もまったく同じで、乳化に失敗すると食べられたものではない。
オリーブオイルをたくさん使うのでベタベタとした味になってしまい、食べた後の皿にはオイルがたっぷり残ってしまう。
下の写真は「ぺペロンチーノ」の完成写真だが、お玉半分以上のスープと大さじ3以上のオリーブ油が入っているのに完全に乳化している。
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パスタつくりの中でも、この「ぺぺロンチーノ」が一番難しいとされているのは、「ぺペロンチーノ」には乳化を助けてくれる具材(たとえば豚骨スープならば豚骨)のような乳化剤がなく、オリーブ油とパスタの茹で水(パスタの小麦粉から溶け出した僅かなサポニン)だけを乳化剤として乳化させなければならないからだ。
次回は「ぺペロンチーノ」のつくり方を紹介するが、「乳化」の原理をしっかりと理解しないと美味しい「ぺペロンチーノ」をつくることはできないので、今回は「乳化」ということについてもう一度詳しく話をしよう。
本来、水と油は混ざり合うことはない。仲の悪い人達の例えに『あの人達は水と油だから』という表現もある。
では、何で水は砂糖とか塩とは混ざり合うのに油とは混じり合わないのだろう?
水と油が分かれている「ドレッシング」も、よく振ってあげることで一時的には均一に混ざるがいつのまにか上下に分離してしまう。
いくら混ぜ合わせてもいつのまにか上下に分離してしまう理由は、水と油では「比重」が違うからだ。
話を分かり易くする為に水を「水くん達」、油を「油くん達」と呼ぶことにしよう。
「ドレッシング」もよく振ってあげることで、「水くん達」と「油くん達」は、お互いの分子が小さくなって一緒にいる状態になる。
しかし、時間がたてば水くんは水くんの分子、油くんは油の分子とお互いに引っ張り合う力が強いので、仲間達が集まりあって元の状態に戻ってしまう。
「水くん」と「油くん」達は、どんなに目に見えないような小さな分子になっても絶対に混ざり合うことはない。
そこで、「水くん達」と「油くん達」の仲が悪いのを見かねた「乳化剤くん達」が仲を取り持つことになる。
この「乳化剤くん達」には、2種類のタイプがあり、「水くん達と仲のよい乳化剤くん達」と、「油くん達と仲の良い乳化剤くん達」だ。
たとえば、「水くん達」がたくさん泳いでいる水のプールがあったとしよう。そこに「水くん達」より人数の少ない「油くん達」が泳ぎに入ったとする。
「比重」が違うので「水くん達」と「油くん達」が混じりあうことはない。また、それぞれが引き合う力も強い。
そこに、「乳化剤くん達」がやってきた。今回の「乳化剤くん達」は「水くん達」と仲のよいタイプだ。
「乳化剤くん達」は早速、プールに入ると1人1人の油くんの周りを何人かで囲んでいく、そうすると、「油くん」と「油くん」が一緒に集まることができなくなって、プールの中には「油くん」が別々に点在している状態になる。
(これをW/O型)エマルションという。(ウオーター イン オイルで、水の中に油が粒子となっている)
食品でいえば、牛乳、マヨネーズ、アイスクリームなどがこの「水中油型」だ。
逆に「油くん達」がたくさん泳いでる油のプールがあったとしよう、そこに「油くん達」より数の少ない「水くん達」が泳ぎに入ったとする。
今度は「油くん達」と仲のよいタイプの「乳化剤くん達」が現れて1人1人の水くんの周りを何人かで囲んでいく、そうすると、「水くん」と「水くん」が一緒に集まることができなくなって、プールの中には「水くん」が別々に点在している状態になる。
(これをO/W型)エマルションという。(オイル イン ウオーターで、油の中で水が粒子となっている)
食品でいえば、バターやマーガリンなどがこの「油中水型」だ。
このように、水の中に油が粒子になっている状態と、油の中に水が粒子となった状態を「エマルション」といい、「エマルション」の状態にさせることを「乳化」または「乳化させる」という。
さて、次回は「ぺペロンチーノ」のつくり方を説明するが、通常は「パスタの茹で水」を乳化剤として、また、鍋を振ることで乳化させるが、「パスタの茹で水」の代わりに「乳化した鶏ガラスープ」を使うことにしよう。
もう、理解してくれたと思うが、あの「乳化した鶏ガラスープ」のゼラチン質が乳化剤となり、何度も鍋を振らなくても簡単に「ぺペロンチーノ」をつくることができ、また、スープの旨みも加わる。
尚、余談になるが、日本では「ぺペロンチーノ」というと、このシンプルなスパゲッティーを指すが、「ぺペロンチーノ」とはイタリア語で「唐辛子」の意味だ。
もし、イタリア旅行に行ってレストランで「ぺペロンチーノ ぺルファボーレ(お願いします)」などと注文すると山盛りの唐辛子が出てくるかも知れないので気をつけよう。
正式な料理名は「 Spaghetti Aglio Olio e Peperontino 」(スパゲッティ アッリオ・ オーリオ・エ・ペペロンチーノ)と言い、ニンニクオイルと唐辛子のスパゲッティーだ。
そして、一般的には、このスパゲッティーには「コショー」は使用しないという。
なぜなら、昔、「コショー」はとても高価だったので、その代用品として「唐辛子」を使用するようになったからで、「コショー」を使ってはダメという人もいるが、この料理は日本の「お茶漬け」のようなもので、レストランで食べる料理ではなく、家庭料理なので自分の好きな味で食べればいいと思い。
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