マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

思い出のマグロラーメン

2011年08月15日 | らーめん
今回は「マグロラーメン」の話をしよう。

前にも書いたが、10年以上も前に「まぐろラーメン」のスープを完成させる為にずいぶんとラーメンスープの研究をしたことがある。

どうしても「マグロ」のカブトだけでスープを取ると魚の生臭さがスープに残ってしまう。しかしマグロの中骨だけを使ってスープを取ると、あっさりし過ぎてマグロラーメンとしてのインパクトが無くなってしまう。

そこで、誰が食べてもマグロラーメンだと分かる味でありながら、生臭ささを感じないマグロラーメンのスープをつくる為に「とんこつスープ」「鶏ガラスープ」それに「牛すじスープ」等のスープを別々につくり、いくつもの組み合わせを試したものだ。

また、マグロのカブトを埼玉県の川口市にある「増幸産業」という会社のテストキッチンに持ち込み、砥石による摩擦の技術(そばの実を石臼ですりつぶすようなもの)にて超微粒にし、それを乾燥させて更に粉末にし「マグロだし」をつくったこともある。

(上下の砥石によりそばの実を石臼ですりつぶすように超微粒となる。)
この機械は「マスコロイダー」と呼ばれている。

「増幸産業」さんには何度もおじゃましたが、心よく協力してくれたことを本当に感謝している。

結局「マグロだし」は商品化までは行かなかったが、後に「マスコロイダー」でマグロの骨と中落ちを一緒に超微粒のペースト状にした商品は「つくね」や「ハンバーグ」の増量材として使用していたこともある。

スーパーマーケットでも販売している「OOOのハンバーグ」というヒット商品があるが、あの商品は鶏の骨をこの「マスコロイダー」によってペースト状にして鶏のひき肉に「骨のペースト」を20%位、水と一緒に加えた商品だ。(石臼の加熱を抑える為に水を加える)

カルシウムリッチ(カルシウムが豊富)を謳っているが骨なのだからカルシウムを多く含んでいるのは本当の話で、小学校の給食などにも使われているようだ。

マグロの骨にしても、鶏の骨にしても、このようにペースト状にして食材に混ぜれば多くの「カルシウム」を摂れる食品になる。また、原価も下がるので「廃棄物」になってしまうような骨の有効活用といえる。

さて、また話がそれてしまったので「マグロラーメン」の話に戻ろう。

◆マグロラーメンのつくり方。

1)沸騰した湯の中に「まぐろカブト」と「まぐろカマ」を入れて30分程煮てから流水にて血や汚れをきれいに洗う。(豚骨らーめんの下処理と一緒)

下処理をした後の写真。

2)鍋に1)のマグロとたっぷりの「水」と生姜とネギ(青いところでよい)を入れて強火に掛ける。


3)沸騰したらアクを取りながら弱火で約3時間程煮る。


4)鍋から「まぐろカブト」と「まぐろカマ」を取り出して金網で濾す。

出来上がった「マグロスープ」の写真

5)マグロのカブトから「頭の肉」と「ホホ肉」、マグロカマから「マグロ肉」を取り出して、醤油、料理酒、みりん、砂糖の調味料を合わせて煮る。

醤油1、料理酒1、みりん1、砂糖1/4(少し甘めの味付けで)

6)煮上がったらマグロを鍋から取り出す。

これが「マグロチャーシュー」だ。

7)ラーメンの器を温めて、そこに「醤油ダレ」をお玉に一杯取って入れる。

8)別鍋に「鶏ガラスープ」が3割、「まぐろスープ」が7割となるように2つのスープを合わせ火に掛け、スープが熱くなったらラーメンの器にスープをそそぐ。

9)マグロチャーシューを食べやすいようにスライスしてラーメンの上に並べる。

10)その他、お好みのトッピングを乗せて出来上がり。


さて、「鶏ガラスープ」を使ったラーメンだが、次回はベトナムの「フォー」のようなラーメンをつくってみよう。

実は、最近は日本のラーメンより、もっと澄んですっきりした味わいの、ベトナムの「フォー」やタイの「クイッティアオ」にハマっている。


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