マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

定価はいくら?(仕入れと在庫管理)その3

2008年01月28日 | 中国人の面子とタイ人のマイペンライ
jjkenさんから、またコメントが届いた。いつもありがとう!

「定価」と言うと、絶対に「定価」を崩さないのが高級ブランド商品だ。

ここ4年程、タイや中国など、アジアで生活しているが、日本に帰るといつも思うことがある。

日本の女性は皆ブランド物のバッグを持って、おしゃれで、とっても綺麗なのだが、なんでそんなにブランド物が好きなのか疑問だ。

グッチやプラダやシャネルやエルメスなど、ブランド物は女性のあこがれだということは分かるが、高価なバックだけが浮いてしまっている人も良く見かける。

タイや中国などアジアでは、シャネルのバックを肩に掛けて厚化粧の若い女性は、たいていの場合はクラブの小姐(シャオジエ)だ。

日本人女性のブランド好きは、中国人の「面子」に似ているような気がする。

以前、10年程、ベルギーという国に住んでいたことがあるのだが、ヨーロッパの人は、高価なバックより、まず、靴にお金を掛ける人が多いようだ。

そして、ヨーロッパ人には靴を脱ぐことにものすごく抵抗を感じる人がいて、日本料理店のお座敷に、靴のまま上がってくる人は何度も見かけたことがある。

「絶対に靴は脱がない」と言うので、しかたなくテーブル席に移ってもらう場合も多い。

そういう靴に対する執着心からか、ヨーロッパでは、「履いている靴を見ると、その人の生活が分かる」という。

また、高級ブランドバックを持っている人は、それなりの身分で、収入も高く、家柄も良いという場合が多い。

そして、高級ブランドバックは、母から子へ、そしてまたその次の代に大切に受け継がれることも多いようだ。

だから、日本の若い女性もバックに負けないよう、ヨーロッパ人に笑われないよう、頑張って欲しいと思う。

さて、今回は店の「在庫管理」の話をする。

日本でも、月末にはどこの店でも在庫をしっかり数え、棚卸をしていると思うが、中国では日本以上にしっかり在庫管理が必要だ。

在庫管理をしなければ、当月の利益が分からないということもあるが、とにかく、物は無くなるし、自分のお金で買った物ではないので無駄使いが多い。

だから、店では皿を洗う洗剤やスポンジに至るまで、月間の使用量を分かるようにしている。その為には在庫をしっかり数えることだ。

期首在庫+期間仕入-期末在庫=期間使用数量

この式に当てはめれば、在庫さえしっかり数えれば、すべての物の月間の使用状況を把握することができる。

食材については、毎日、仕入れ台帳を見て把握しておくことはもちろんだ。

利益を多く出す為にしなければならないことが2つある。

1)原価を安くする
2)ロスを少なくする

お客様はバリューのある商品を求めているのだ。

そしてバリューとは「この商品がこの価格で良いの?」とお客さんに喜んでもらうことだと思う。

原価÷原価率=売価

この式で原価を安くしなければならない理由が分かる。

バリューのある商品を提供し、お店も利益を出す為には、上記の2つのことをしっかりりやらなければならない。

原価を安くするということは、良い食材を安く仕入れるということだ。

また、ロスを少なくするということは、無駄を無くすということだ。

尚、一般には粗利の計算式は次のようになる。

売上高-期首在庫+期間仕入ー期末在庫=粗利

しかし、この計算式では在庫が増えると、たくさんの利益が出てしまう。

たくさんの在庫はロスにもつながる。

ロスを少なくし、原価を抑えて、それに付加価値を加え、お客さんに喜んでもらい、お店が儲かり、従業員にたくさんの給料を支払えるようにする為には、在庫の管理はとても大切だと思う。

最近、中国でも物価がものすごい勢いで上がっているし、また、ワーカーの給料も上がってきている。

良い食材を少しでも安く仕入れ、ロスを少なくし、また、良く仕事をする従業員には、それなりの給料を支払わなければ、他店へ移ってしまうだろう。

今、中国のどの都市でも北京オリンピックを前に、日本料理店の開店ラッシュの状況だ。

しかし、最後に残る店は「バリュー」のある商品と、気がつく心あるサービス(おもてなし)ができる店だけだと思う。

次回は、ホールスタッフのサービスについて話しをしよう。。。













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