マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

魚を煮る時の出汁を覚えて欲しい

2007年12月31日 | お玉で出汁を覚えよう
お玉で覚える各種の出汁も「かつを出し」「天丼の出汁」「天つゆ」まできて、今回は「濃い味の煮物の出汁」のつもりだったが、今日は「魚を煮る時の出汁」を教えることにしよう。なぜ気が変わったのかって? 実は今日、大連のうちの店の系列店の中華料理店のコックが「カラスカレイのかぶと煮」を教わりたいと来たのだ。中華の店はこの店の近くなので、よく出前はするのだが、お客さんの評判が良いので自分でつくってみたいとのことだった。

この「魚を煮る時の出汁」だが、魚以外にも「鶏の照り焼き」や「鴨のロース煮」にも使えるのでしっかり覚えて欲しい。

うちの店では写真の「カラスカレイのかぶと煮の他」にも、「アイナメの姿煮」や「サーモンのかぶと煮」や「鯛のあら煮」といった煮魚のメニューがあるが、ほとんどが骨付きだ。

最近では『骨が付いた魚は食べるのがめんどうだ』という人が多いようだが、魚の骨からしみでる旨みが魚の煮物を美味しくすることを忘れないで欲しい。

さて、まずは魚の下処理だが、エラと内臓を取り、よく水洗いする。細かなウロコのある魚はさらに熱湯にくぐらせ冷水に取り、きれいにウロコを取り除く。
厚みのある魚の場合には火が通リやすいように、包丁で1~2箇所の切れめを入れておくといいだろう。

さて、調理に取り掛かることにする。

鍋に「魚を煮る時の出汁」の分量の酒、醤油、みりんを入れる。配合は覚えているだろうか?
お玉で、酒が3、醤油が半分とみりんが半分。それに砂糖が半分の半分で1/4だ。
そこに、ネギの青い部分約3cmに数箇所切れめを入れたものと、生姜のスライスを2枚程入れて上から魚を置く。姿煮の場合には鍋のふちに尻尾が触れていたら、焦げ付いて取れなくなってしまうので、笹の葉やクッキングシートをあてておくとよいだろう。
さて、火を付けて煮始める。出汁は魚の3分の1位の高さまで有るだろうか?もし、出汁がそこまでなければ水を足してやれば良い。
水を足して大丈夫?と思うかも知れないが、最後に煮汁が少なくなった時には、しっかりとした味に詰まっているから水を足しても大丈夫だ。しかし、一度魚を煮始めたら後から絶対に水を足さないこと。ここがポイントだ。なぜなら、後から水を足してしまうと鍋の中の温度が急に下がって、魚の表面のたんぱく質が凝固して、それ以上は旨みが出てこなくなってしまうからだ。
そして、あとは落とし蓋をして中火で煮ていこう。汁が少なくなってきたら、蓋をはずして、汁をまわしかけながら煮詰めれば出来上がりだ。

できれば、「ごぼう」(皮を剥いて5cmに切り、縦に4つ割りにする)を一緒にいれてやる。魚の旨みがしみこんで美味しいし箸休めにもなる。同じように途中で椎茸を一枚入れるのもいいだろう。ただし、椎茸は最初から入れると魚が煮えた頃には小さくなってしまうので、必ず途中から入れて欲しい。

さて、今回は「魚」を煮たが、同じように「鶏の照り焼き」や「鴨のロース煮」を作っても美味しいので、次回、説明しよう。

今、大連のお店の外では、そろそろ、花火が打ち上げられている。あと1時間半程で、2008年のスタートだ。

12月22日から始めたブログで、誰にも話をしていないのに、既に多くの人がこのブログを見てくれているようで、とてもうれしいし、感謝の気持ちでいっぱいだ。

どうか、皆さん良い年をお迎え下さい。。。

謝謝!





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