真鯉の水槽飼育で水が濁るので砂濾過、目のこまかい不織布フィルター濾過を試みてきたが、この種の濾過はすぐ目詰まりが起こり、実用的ではありませんでした。そこで地下茎が絡み合った芝生をいっぱい入れた長角型プランター利用の生物浄化装置をつくって取り付けたところ、数日して浄化能力をもったバクテリアなどが芝生の根や地下茎に生成付着し、増えたようで劇的に飼育水槽の水が透明になりました。
絡み合った芝生の地下茎は目があらく、市販の目のあらいフィルターと同様、目詰まりをおこしません。しかし、水槽出の汚水中の微粒子状浮遊物はよく根や地下茎に付着するようです。そしてバクテリアによって分解されます。アンモニアなどもバクテリアの栄養となり、除去されます。芝生の根もアンモニアなどをとっていると思います。浄化装置出の水は、透明で肉眼で見るかぎり微粒子はありません。この浄化装置が何日問題なく稼働するかまだわかりませんが、1か月はもちそうです。現在芝生は生きていて葉は生き生きとしています。いつかは枯れて腐るのではないかと思いますが、今はフィルターとして十分使えます。なお、実際の養殖装置では目のあらい市販フィルターを使います。
昆虫系の餌はさなぎや成虫の状態で与えると、消化できなかったかすを口から出すようで、水をよごします。形が大きいので水中ポンプの水の入り口につけたフィルターに引っ掛かります。ポンプのメンテの頻度が上がる原因になります。幼虫の状態で与えると消化がよく、口から出すものは減るようです。なお、ポンプにフィルターをつけないとどうなるかはまだ実験していません。ポンプ内部にかすがつまるとポンプが故障しやすくなると思います。
ペレット状にした米ぬか系の餌は、消化できなかった微粒子状のかすが口から出るようで、水を汚します。これは微粒子状浮遊物で浄化装置に流れてそこで除去されます。
今のところ飼育水槽の底にたまる汚泥は少ないようです。鯉は底を引っかき回すように泳ぎます。すると汚泥が湧き上がります。浮遊微粒子はポンプで浄化装置に行き、そこで除去されます。結果、底にたまる汚泥は減ります。非常に少ないという印象です。
浄化装置の底にどの程度汚泥がたまっているかまだ装置のメンテをやっていないのでわかりません。1か月でメンテをやって様子を見ます。