温調のない屋外で幼虫の生産をやっているのでそろそろ生産は終りです。そこで冬用の真鯉の保存餌として幼虫の煮干しをつくりました。今日、初めて煮干しを真鯉に与えてみました。食いつきは非常によく、活幼虫と同じでした。11月は餌の量を減らし、米ぬかペレットを主としますが、幼虫の煮干しも多少与える予定です。
米ぬかペレットですが、米ぬかと少量の小麦粉を混ぜて水でこねてつくったものはすぐ沈みますが、ばらけないで飼育水槽の底に沈殿しています。鯉は食べますが、食いつきはよくありません。食べ終わるのに時間がかかるので、3時間後に食べ残しがあるか調べるようにしています。3時間後には食べ残しはなくなっているので米ぬかペレットは餌として使えます。
幼虫のように食いつきがいい方が望ましいので、鯉の食欲を増すような添加物を工夫します。幼虫の煮干しをハンマーでたたくと簡単に粉末にすることができます。この粉末を少量混ぜると効果があるのではないでしょうか。
米ぬかと幼虫の煮干しの粉末を半々ぐらい混ぜてペレットにし、餌としてこのペレットだけ与えることにすると給餌システムが簡単になりますが、ペレット生産がコスト高になると思います。米ぬか系は米ぬか系として、昆虫系は昆虫系として別々に餌を生産した方がコストは低いと思います。1日2回餌を与える場合、1回目は蛋白質系、2回目は炭水化物系の餌を与えると消化がいいとの説もあります。水温が高い夏場と、低い春秋場で蛋白質系と炭水化物系の割合を変えるといいとの説もあります。別々に餌を用意しておいた方がいいようです。
なお、現在の実験では、餌と鯉の生長の関係の研究はできません。まずはコストの低い餌づくりを考えてみたいと思っています。幼虫も、米ぬかペレットも生産コストが低いと思うので現在実験しています。(注)市販の真鯉養殖用(業務用)餌はkg400-500円もします。これでは装置養殖で、安価な鯉を、大量、市場に供給することはできません。なお、今は米ぬかはただ同様ですが、栄養豊富なので人が食べることができるように技術開発が進んでいます。これから高くなるかもしれません。幼虫が一番安い餌になるのではないかと思っています。