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※症例は患者様の同医済み.

ストレス性腱鞘炎の東洋医学的治療

2013-06-07 20:43:20 | 運動器(手足.腰.肩の関節と筋肉)
腱鞘炎にもいろいろありますが、一般的に多いのは軽い負荷でも反復的に動かすことで起きる手の腱鞘炎だと思います。
ド・ケルバン病,手根管症候群,ばね指(弾撥指),などとさらに分類されてます。

ある調べでは事務職のビジネスマンがキーボードを叩く回数は1日、10000回以上だそうです。
スマフォの普及でドケルバン病が増えているそうですが、この症状は母子の腱鞘が炎症を起こすもので、スマフォというのはそんなに母子を使うのかと思いました。
マウスのホイール操作ではテニス肘になるそうです。テニス肘とは肘の外側の炎症で上腕骨外側上顆炎というもので、昔はテニスで肘に炎症が起こっていたのでしょうがテニスによるものはほとんど見たことがありません。

まず炎症が起きれば応急処置として冷やすことです。一番いいのが冷水で、これで急場は凌げるはずです。

整形外科では局所のステロイド注射や内服薬による治療がなされますがそれでも治らず痛みが甚だしい場合は手術になるそうです。

腱鞘炎の原因がパソコンなどのデスクワークである場合、首・肩・腕・手・指と頚肩腕症候群が合併した状態になり、「頚肩腕障害」と呼ばれる場合もあります。

ただ現代社会の職場環境から考えると、精神的ストレスや目の酷使、などが症状をさらに悪化させています。

昔からある「書痙」という病気は、速記者・代書人・文筆家などに見られてました。不安・強迫神経症などの心因性であることも考えられていたので、
ただたんに道具がかわっただけで基本的には今も昔も大きな違いはないのかもしれません。

鍼灸治療ではこのあたりも重きをおいて治療しますが局所の治療が同時に首から上の部分にも影響を及ぼすような治療となっていることです。
例えば、バネ指の鍼灸の治療点の中に、労宮、大陵、内関、という経穴(ツボ)があります。
これらは精神科疾患でも使われ、精神状態を安定させる効果もあります。

ド・ケルバン病では、合谷・陽渓・列欠・温溜、という親指側の経穴が使われますが、目や頭部の状態を改善する経穴でもあります。

もちろん、目や首、肩からきているのが強い場合は、頭部、首肩部へ直接治療しリラックスした状態をつくります。

古くは書痙に対して背中の身柱」という経穴が使われていました。これは精神科疾患に使われることからもわかります。

背中には他に直接痛みを減らす経穴が反応として現れます。
その反応点はだいたい膈兪という経穴付近で、言葉では言い表しにくいのですがうまく説明しているのがありました。
「霊台と膈兪を結ぶ三角形の頂点の下付近に現れる堅いこりとそれに伴う圧痛
そこに灸をします。
局所の治療と併用することで相乗効果が期待されます。

ただ、長引いているものの中には鍼灸治療が無効なものもあります。
先日も2回治療しても全く症状が変わらない肩がおられ、
整形外科を受診したところ、本来、2本しかない腱が3本あるということでそれが痛みの原因ということでした。手術をしたところ全く痛みはなくなったそうです。

高齢者の場合は逆に使わな過ぎが原因することもあります。ドアノブやビンの蓋を回すときに痛みが出るのは同じなんですが、炎症が弱い印象です。
東洋医学的には、老化とともに手作業などの日常動作が減り、気血の巡りが衰弱しているところに、痰、または風湿の邪、によって痛みが出ると考えられています。
「関節ばかり太って関節間が細くなるのは“痰”が災いしているか、または血の不測によるもの」と日本の古い鍼灸書に書かれてます。
なので局所の積極的治療より気血を補うような温灸治療が有効だと思います。

指圧や按摩を専門にしている先生は若い内に一回は腱鞘炎を起こされているようです。
この経験がないと一人前ではないと言われる方もおられます。
指に体重をかけるのだから、その負荷は相当な者だと思います。
鍛えている先生は親指で腕立て伏せをするのですが、マネしてやってみるとプルプル震えてきて伏せる寸前でカクンとなり顔面から落ちてしまいました。

鍼灸師が腱鞘炎になることは少ないですが、置鍼している間にパソコンに打ち込む作業はけっこうあって治療が終わると無意識に手を振ったりしてます。
夕方、最後の患者さんを治療したあと手をグッパしたり振ったりしていると、「先生、指が疲れましたか」と気にかけてくださったので、「いやいや、大丈夫ですよ、取り替えたら済むもんで」と言って親指を離す手品をしたら、ぶったまげておられました。

スターウォーズ2でルークスカイウォーカーの腕がダースベーダーにサーベルで切り落とされるのですが、見た目はわからないくらいの義手が、腱鞘炎の手術をするよりも簡単に取り付けられてました。
こういう技術は一日も早く完成してほしいものです。

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