「３日おきに来院してください」
治療の予定や予約でよく使う言い方です。
だから何だと思われるでしょうが､
患者さんというか人によっては受け取り方が違ってくるらしいのです。
どう違ってくるのかというと､３日に１回なのか､３日あけて来院､すなわち４日に１回なのかということです。
３日おき＝４日に１回にはならないだろうと考える人が多いんじゃないかなと思います。
NHKでもこのことを取り上げています。
・1秒おきに画面がかわります
・山手線は1分おきに来ます
ほとんどの人は「毎秒」「毎分」と同じ意味だと考えるのではと言っています。
しかし､
・1日おきに船が来ます
・1週間おきに通院しています
・「ひと月おきに試験があります
・1年おきにすい星がやって来ます
・1世紀おきに大地震があります
多くの人は「2日に一度」「2週間に一度」「ふた月に…」というように考えるのではないかとも言っています。
「これは正直なところまだ研究の途中なのですが、」とことわりながらも､
「分、秒」のように小さい単位と、「日、週間、月、年、世紀」のように大きい単位とで、解釈が違ってくるが､
その中間に位置する「1時間おきに」は、両方の解釈が生まれてしまうのではないか」という推論をたててました。
卓見だと思いますが､さらに付け加えるとそのことが起きる長さで解釈が変化してくるのではないかと思うんです。
例えば､
「1時間おきに電車は来ます」という場合､1時間に1本くると思うはずです。
これが「1時間おきに雨が降る」となると2時間に1回雨が降るということになります。
少し強引かもしれませんが､電車が来るというのは到着するという時刻､すなわち点であって､
点から点の間が1時間あると考えたら1時間に1本電車が来ることになります。
雨は継続した状態なので1時間降らないにしてもしばらく降り､間に1時間おけば､1時間に1回にはなりません。
ただ「1日おきに来院してください」となった場合､患者さんとしてはあえて毎日と言わなかったと思い､二日に1回来院されるでしょう。
そうなると冒頭の「3日おきに来院してください」は4日に1回ということになってしまいます。
このように「～おきに」という日本語はあいまいであるため､患者さんには使わないほうが賢明だと思います。
では､
「僕は３日まで出てきません」
これはどうでしょうか？
これも人によって解釈がかわってくるらしいのです。
次回はこれについて書きます。
近日中にアップします。
【蛇足」
「ブリ」は４回名前を変えることから出世魚と言われてますということを言ってました。
確かに「ツバス・ハマチ・メジロ・ブリ」と4つの名前がありますが､名前が4つだから名前を変えているのは3回ということになります。でも4つ名前があると､ついつい4回名前を変えると言ってしまいます。
同窓会で､「私は2回名前変えてま～す」と笑いながら言うので､
「じゃあ2回離婚？人生2倍楽しんでるね」と返すと「エヘヘ…」とにこやかにしてました。
言ったあとに離婚は1回かと訂正しようと思ったのですが､本人は気づいてないようで､ニコニコしながらお酒を飲んでました。
【参考】
NHK放送文化研究所「最近気になる放送用語」より
