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※症例は患者様の同医済み.

「夏が怖い」ぎっくり腰

2013-07-28 08:17:57 | 運動器(手足.腰.肩の関節と筋肉)
スパでオイルによるリンパマッサージを受け、帰りに動けなくなるくらいの腰痛を発症したという話しを聞きました。
国家資格の有無に関わらず、オイルマッサージでこのような激痛を発症するとは考えにくく、ましてやリンパマッサージというのだからそこから原因を考えても無理があります。

非炎症性の急性腰痛に心因性があります。
夏木静子の「椅子が怖い」という本は、その心因性の腰痛を題材にした闘病記ともいえる小説です。
仕事のストレスからくるもので、机に向かって椅子に座ろうとしたときに腰に痛みが起きるものでした。
しかし、この方の場合はストレス解消が目的であって、リラックスした状態からのものなので心因性も考えにくいです。

もともと腰痛がある方は、ちょっとした動作でも起きるのがぎっくり腰というものですが、季節の変わり目で発症しやすいのも特徴です。
熱いときは体の熱を発散し、寒いときは体温を逃がさないようにしたりと、季節などの環境の変化で体が順応するために働くのも自律神経の役目で、大きな変化に対してはそれなりの機関が必要となります。
その間、血流量が増し、それとともに筋肉は防御するように硬くなるらしいのです。
次の季節へ移るために脱皮する無防備なサナギのような状態とも言えます。

8月の立秋の前18日くらいを土用といい、いわゆる季節の変わり目です。
まだまだ暑さが続くのに立秋とは、いかがなものかとも思えますが自然界は秋に入る準備をし、体も無意識にその準備に入ることを暦が教えてくれてます。
ぎっくり腰は温度変化の差が一番大きい秋から冬へ移るときに多いようですが、今年の暑さは尋常ではなく千年に1回の猛暑と言われているので温度差は例年より大きいはずです。

安静にしていたら痛みが軽くなる場合はそうすることが治療になりますが、鍼灸治療は、回復するまでの間の痛みをできるだけ減らし、さらに筋肉をリラックスさせ自律神経を安定させることにより、治癒力を高め回復期間を短くすることを目的とします。
なので時間はたっぷりあって、痛みも我慢できる程度なら鍼灸治療は必要ないかと思います。

ぎっくり腰を起こしやすい方の予防法に、くしゃみをするときには台に手をついたり、ものを持ち上げるときはひざを曲げたりとか、対策がありますが、根底に運動不足による筋力の低下がありますのでやはり日頃の運動が一番の予防ですね。


【鍼灸治療】
急性症でもじっくり四診し、ちゃんと「証」をたて治療しなければならないのでしょうが、足の厥陰肝経の是動病に、「腰痛で身体を反らすことができない」というのがあり、岡部素道の本の中で、足の厥陰の証の症状に、「脈状は弦 痛みは側面 即ち 背部第3行線に発し 側胸部に引きつり 痛みが移動しやすく 足の少陽経に反応が現れる...爪の色が悪く 俯仰しにくく痛みは間歇的であるが相当激しい...きあり腰がその例であり、屈むときや転側時に苦しみ...」ということが書かれてますが、症例も下腿の胆経に筋緊張と圧痛として反応が現れてました。
ということで、この手のぎっくり腰は「足の厥陰の証」ということで対応してます。
そして遠隔取穴による標治法で急性期を、緩解期は再発予防ということで「証」をたて本地法を行ないます。
、治療点は肝経・胆経が中心となります。
肝兪、腎兪、次りょう、章門、風池、陽陵泉、陽輔、中封、行間、環跳、肩井、

「きあり腰」というのがずっとわかりませんでしたが、茨城や千葉県の方言で、ぎっくり腰のことを言っているらしいのです。
岡部素道は富山県出身ですが本格的に鍼灸をやりはじめたのが東京なので納得しました。

また「陽経が実して反応点が多く現れる場合は 治しやすいが 陰陽共に虚している場合は治りにくい」ということも書かれてます。
高齢者や痩せて弱々しい方は長引く印象です。

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