サッカー未経験監督 挑む 日本経済新聞文字おこし 後

2021年令和3年8月23日月曜日、日本経済新聞朝刊、文字おこし

さらに新天地を求めて東京に出た。ただ新型コロナ
ウイルスの猛威の中、多くのチームは活動を休止
していた。オーダースーツの営業などで食いつなぎ
ながら指導者の職を探し続けた。

東京外国語大学サッカー部でついに念願の監督のポスト
を得たのは2020年12月。戦術など全てを決定する重圧は
ある一方、自分次第で、未経験者でも監督が
できることを証明できる立場に立った。

手始めに選手全員と個別にネット経由で面談を行った。
戦術をホワイトボードで説明する動画など、
オンライン指導も積極的に取り入れる。

給料は月10万円。今も3つの仕事の掛け持ちが続く。
それでも「ビジネスシーンで学んだことが監督業に
役立つ場面も多い」と前向きだ。

プレー未経験の指揮官として、日本サッカー界に一石を
投じる。まだ見ぬ大歓声の夢舞台を目指し、今日も
グラウンドに立つ。

文　大倉寛人　　写真　藤沢卓也



東京外国語大学サッカー部 TUFSFC OFFICIAL SITE　引用
木室　孝輔（キムロ　コウスケ）
1997年11月1日（23歳）
大阪府東大阪市
選手歴なし
指導歴
2016～2017年 大阪府立摂津高校
2017～2019年 大阪市立東高等学校
2019年 FC淡路島
指導者ライセンス
JFA（日本サッカー協会）公認C級ライセンス
FA（イングランドサッカー協会）License Level 1



部活指導、20%超が競技未経験

中学校運動部顧問の3割が競技未経験
(出所)日本スポーツ協会

担当教科が体育以外＋競技経験なし　26.9%
担当教科が体育＋競技経験なし　3.2%
担当教科が体育以外＋競技経験あり　51.7%
担当教科が体育＋競技経験あり　18.2%

競技経験と指導の兼ね合いが問題になりがちなのが
学校の部活動だ。日本スポーツ協会によると、
担当教科が保健体育でなく、かつ担当部活動の
競技経験もない教員は2021年に中学校で26.9%、
高校で25.3%に上った。

14年調査(中学45.9%、高校40.9%)よりは減ったものの、
中高ともに3割以上の教員が「自分自身の実技指導力の
不足」を指導上の課題に挙げた。

17年の学校教育法施行規則の改定で、部活動の引率や
指導ができる外部人材の「部活動指導員」が制度化された。
今後は部活動の担当教員と外部人材とが連携して指導力
向上に取り組むといった対応が求められそうだ。





12月4日（土）閲覧数:434PV　訪問者数:316人