藤沢周平の時代小説を映画化したんですが、やはり先日読んだ原作とは少し違ってました。
映画の中に奉納試合が無かったので、興津新之丞が登場しない。
秘剣村雨の伝授場面がないので、加治織部正が登場しない。
杉内道蔵が登場しないので、ふくが大八車を押し、欅御殿へ乗り込むときに布施鶴之助が居ない。
後半の山場、秘剣村雨で刺客を倒す場面もない。
と云うように、長編の多くの部分を削って作られていますが、2時間の映画に収めるにはやむを得なかったんでしょうね。
映画としては、月日の経過を美しい自然で見せるところは気に入りましたよ。
しかし、蝉しぐれの夏の暑さが今一伝わって来ない。文四郎(市川染五郎・子役石田卓也)が謀反人の子として周囲から虐げられている描写が少ない等、全体的に説明不足のように思います。
加治織部正が登場しないので、ふく(木村佳乃・子役佐津川愛美)を匿う先を追っ手が見張っている危険がある横山邸にしてしまったのは少し安易だったかな。
五間川を舟で下り城下の横山邸へ向かう際、橋の上に与之助を出したのは演出の失敗でしょうな。
身分制度の厳しい時代にお互いを想いながら別々の道を歩まなければならなかったふたり、二十年の時を経て結ばれたラストシーン、それを映像に表さなかった手法は観る者の感性に任せたということか。
緒形拳(父・牧助左衛門)、原田美枝子(母・登世)、大地康雄(青木孫蔵)等の脇役の演技が良かっただけに、ふかわりょう(小和田逸平)、今田耕司(島崎与之助)の演技にはがっかりですな。しかし、子役の佐津川愛美の演技には胸を打たれるものがありました。
折角の良い作品なのに作りが荒いので、★★★☆・(5★満点で星3.5です)
追記
小説 蝉しぐれ
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映画の中に奉納試合が無かったので、興津新之丞が登場しない。
秘剣村雨の伝授場面がないので、加治織部正が登場しない。
杉内道蔵が登場しないので、ふくが大八車を押し、欅御殿へ乗り込むときに布施鶴之助が居ない。
後半の山場、秘剣村雨で刺客を倒す場面もない。
と云うように、長編の多くの部分を削って作られていますが、2時間の映画に収めるにはやむを得なかったんでしょうね。
映画としては、月日の経過を美しい自然で見せるところは気に入りましたよ。
しかし、蝉しぐれの夏の暑さが今一伝わって来ない。文四郎(市川染五郎・子役石田卓也)が謀反人の子として周囲から虐げられている描写が少ない等、全体的に説明不足のように思います。
加治織部正が登場しないので、ふく(木村佳乃・子役佐津川愛美)を匿う先を追っ手が見張っている危険がある横山邸にしてしまったのは少し安易だったかな。
五間川を舟で下り城下の横山邸へ向かう際、橋の上に与之助を出したのは演出の失敗でしょうな。
身分制度の厳しい時代にお互いを想いながら別々の道を歩まなければならなかったふたり、二十年の時を経て結ばれたラストシーン、それを映像に表さなかった手法は観る者の感性に任せたということか。
緒形拳(父・牧助左衛門)、原田美枝子(母・登世)、大地康雄(青木孫蔵)等の脇役の演技が良かっただけに、ふかわりょう(小和田逸平)、今田耕司(島崎与之助)の演技にはがっかりですな。しかし、子役の佐津川愛美の演技には胸を打たれるものがありました。
折角の良い作品なのに作りが荒いので、★★★☆・(5★満点で星3.5です)
追記
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村雨という技があったのですね~
さっぱりわかりませんでした。
記事を読ませていただくと、重要人物が出ていない・・・
やはり原作を読みたくなりました!
原作を読んでいて、思い入れのある方にはちょっぴり不満もある映画だったようですね。
2時間あまりに納める時は切り捨て部分があるのも仕方ないとはいえ・・・。
でも、原作がしっかりした世界観をもっているので、多分どんな監督が描いても平均点以上の作品にはなるだろうなぁと思います。
来年公開の「武士の一分」も楽しみです。
原作は長編小説ですが、引き込まれるように読んでしまいました。
文四郎はふくに殿のお手が着いた事を知り、その後剣の修行に打ち込み、藩有数の剣士になるのですが、その辺の伏線が活かされていないのが残念です。
ミチさま、コメント有り難う御座います。
映像は綺麗でしたね、ただ役者の演技で黒澤明監督や山田洋次監督だったらこのカットはオーケーしないだろう、なんてのが有りましたね。
「武士の一分」は山田洋次監督が木村拓哉を遣うらしいですが、私しゃキムタクは結構時代劇に向いてるんじゃないかと思うんで期待してますよ。
この映画は、構想15年といいますから、随分試行錯誤もあったのでしょうけれど、観賞側と製作側で、ぴったりの価値観…といったようなことは、これからもずっと無理そうですね。
原作を読んだばかりなのでどうしても比べてしまう私がそこに居ました。
特に親友の逸平と与之助の配役には興味が有ったので、がっかりしてしまいましたな。
豪華脇役陣の演技が良かっただけに・・・。
長編の多くの部分を削って作られていますが、2時間の映画に収めるにはやむを得なかったんでしょうね。
このブログのバックが素敵ですね。
うん、やはり2時間で収めるには、いろいろと監督も葛藤があったのではないでしょうか。
TV版で丁寧に細部のシチュエーションを描いたので、映画では、情感と風景に迫ったのでは、と感じました。
どっちにしても、多くの人に見ていただけてるので、応援団の私としては嬉しい。
庄内地方は藤沢周平氏の作品を読んでいる私にとっては、一度は訪れてみたい地ですね。
TB&コメントありがとうございました。
>蝉しぐれの夏の暑さが今一伝わって来ない
↑確かに、そう思いました。
蝉しぐれの割りに、蝉の声が静かだなぁ・・と。
もっと蒸し暑いでしょう・・と思っていました。
それに加え、私もお笑い二人にはがっかりでした。
すごく残念です。
オススメの原作、読んでみたいと思います。