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銭売り賽蔵

2005年10月28日 | 読書
銭売り賽蔵

山本一力

集英社

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舞台は江戸深川、賽蔵は庶民が日常の生活で使う文銭を売る銭売りが商売。

しかし、この銭売りが良く解らなかった。
当時の流通貨幣は小判・二分金・一分金・二朱金・一朱金の金貨と一分銀・二朱銀・一朱銀・五匁銀・丁銀・豆板銀の銀貨、それから文銭と云う銅貨が有りました。
金貨は小判1枚の一両を基準とし、それ以下を4進法の単位で表す計数貨幣、銀貨は重さがそのまま貨幣としての価値である秤量貨幣、銭(銅貨)は1個が1文である計数貨幣として存在し、それぞれその時々の相場によって交換が行われました。
高額の金貨や銀貨は呉服屋、高級料亭や遊郭などでは使えますが、庶民が利用するお店では釣銭に困るので受け取りたがらない。
職人や商人も賃金を金貨や銀貨で貰ってもそれで銭を買わなければ支払いに充てられない。その為に金貨や銀貨を文銭に両替する銭売りが活躍すると云うわけだ。

時代劇に登場する両替商ってのも有るが、銭売りは店を持たない担ぎ売り・辻売りの商いです。

銭売りは両替商から銭を買う、銭緡(ぜにさし)これは穴あきの一文銭96枚を縄に通して両端を結び、百文緡と呼ばれていた。4文が縄代と手間賃と云う訳で、両替商の儲けです。
当然96文しか有りませんが、この緡1本で100文として通用するんです。
実にどうもおおらかな時代ですな。

銭形平次が腰にぶら下げていたのが緡(さし)で投げていたのがこの文銭です。
今の貨幣価値で大体1文10円ぐらいでしょうか。

10両盗れば首が飛ぶ、2両の金が払えずに娘を身売りする。そんな時代の1両って今のお金でいくら位なのかと思ったら、基準にする物で大きく変わりますが、1両が大体6,000~7,000文です。
落語に登場する「ときそば」は16文、大工の賃金(1日当たり)400文、弥次喜多では道中饅頭1個5文、甘酒10文でしたから、まあ、大体1両6~7万円ぐらいでしょう。

銭売りはこの銭を売り、手数料と変動相場制の差益を稼ぐんですが、両替商を通さずに銭座から直接銭を買うことが出来れば儲かります。
賽蔵はその鑑札を持つことが出来、商売を更に拡げることが出来るようになった。

江戸時代の貨幣制度の勉強になりました。読んでるうちに、早く幼なじみのおけいと一緒になればいいのにと思いながら読み進みました。

★★★★・(5★満点で星4です)

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