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『恋愛適齢期』

2007年04月03日 01時09分57秒 | 映画レビュー
製作年度:2003年
上映時間:128分
監督:ナンシー・マイヤーズ
出演:ジャック・ニコルソン 、ダイアン・キートン 、キアヌ・リーヴス 、フランシス・マクドーマンド 、アマンダ・ピート 、ジョン・ファヴロー
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
ハリーは未だに30歳以下の女性としか付き合ったことがないと豪語する63歳の独身プレイボーイ。ある時、彼は若い女性マリンと海辺に建つ彼女の母親の別荘で甘い週末を過ごしていた。だが、そこへマリンの母エリカもやって来る。エリカは人気劇作家でバツイチの54歳。自分よりも年上の男と付き合う娘に面食らいながらも、当人同士の問題と口出ししないことに。そんな時、突然ハリーが心臓発作で倒れてしまう。大事には至らなかったものの、しばらくは安静にする必要があるとのこと。エリカは仕方なくハリーの健康が戻るまで看病することにしたのだが…。



コメント:
昨日は『ホリデイ』で感動させられた。そしてその感動が冷めやらぬうちに今日は『恋愛適齢期』を鑑賞。そう、二日連続でナンシー・マイヤーズの作品を堪能させてもらったのだ。そしてこれを観終わったあと完全に気付かされた。ナンシー・マイヤーズは間違いなく恋愛映画の天才だということを。

2本の作品を観てまず凄いと思ったのは、最初は先が読めないほど複雑なシチュエーションにも関わらず、最後はとても自然な流れで話をうまく収めているというところだ。しかも本作では熟年恋愛という少々難易度の高い設定。物語の入り方やキャラの設定がとても複雑な関係なだけに、最後まで誰と誰がくっつくのかわからない展開になっている。
この年の差を感じさせない若々しい恋愛を演じてくれるたのが、ジャック・ニコルソンとダイアン・キートンの二人だ。そしてその二人の魅力を存分に引き出してくれたのがナンシー・マイヤーズ。もうこの人の演出に関してはパーフェクトとしかいいようがない!主演の二人がとても若々しくそして生き生きしており、素敵な男女を演じることに成功しているのだ。

しかし熟年恋愛をただ描くだけではおもしろくない。そこに何が必要かといえば”ユーモア”とそれなりの”知性”だ。ナンシー・マイヤーズはそれもちゃんと理解している監督である。例えば、セックスの直前に血圧を測るシーン、老眼だということをアピールするシーン、ニコルソンが階段を息切れしながら上るシーンなどの”ユーモア”的要素。これらは別に挿入しなくても物語に差し支えのないシーンだが、観ている者を安心させる要素になっている。そういった気配りがより一層物語をリアルに感じさせてくれるのだろう。そしてセリフの全てに”知性”を感じることができる。まあ”知性”というよりは”駆け引き”といった方が正しいのだが、チャットのシーンなどではその駆け引きがうまく表現されている。恋愛っていくら歳をとっても結局そういったことの繰り返しなんだということを感じさせてくれるシーンの連続だ。

またキアヌ・リーヴスをサブキャラとして扱ってるところが憎い。あの大スターがこうも薄く見えてしまうのが不思議でたまらない。それだけ他の俳優を魅力的にみせてくれる映画なのだろう。

これから観る人には、ぜひ見事に表現されたナンシー・マイヤーズの世界に溶け込んで頂きたい。


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