原題: THE READER
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: アメリカ/ドイツ 上映時間: 124分
監督:スティーヴン・ダルドリー
製作:
アンソニー・ミンゲラ
シドニー・ポラック
ドナ・ジグリオッティ
レッドモンド・モリス
製作総指揮:
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
原作:ベルンハルト・シュリンク 『朗読者』(新潮社刊)
脚本:デヴィッド・ヘア
撮影:
クリス・メンゲス
ロジャー・ディーキンス
プロダクションデザイン:ブリジット・ブロシュ
衣装デザイン:アン・ロス
編集:クレア・シンプソン
音楽:ニコ・ムーリー
出演:
ケイト・ウィンスレット ハンナ・シュミッツ
レイフ・ファインズ マイケル・バーグ
デヴィッド・クロス 青年時代のマイケル・バーグ
レナ・オリン ローズ・メイザー/イラナ・メイザー
アレクサンドラ・マリア・ララ 若き日のイラナ・メイザー
ブルーノ・ガンツ ロール教授
オススメ度:★★★★☆
ストーリー:
1958年のドイツ。15歳のマイケルは偶然出会った年上のミステリアスな女性ハンナに心奪われ、うぶな少年は彼女と彼女の肉体の虜となっていく。やがて度重なる情事のなかで、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読することがふたりの日課となる。ところが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。たまたま傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席に座る彼女を見てしまったのだ。裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは隠し続けようとしていることに気づく。その秘密を知るただ一人の者として、マイケルは葛藤し、答えを見い出せないまま苦悩を深めていくのだが…。
コメント:
考えれば考えるほど、言葉では語ることが難しい映画だ。
本作のキーワードは”コンプレックス”。
コンプレックスとは、ある事柄と、本来無関係な感情とが結合された状態。
人間誰しもひとつくらいコンプレックスを持っているのではなかろうか?
だが他人からすれば、それは言われてみないとわからないものである。
それを一生隠し通すか、それとも開き直ってしまうか…。
もし人生のうちで、自らのコンプレックスを公の場で認めざるを得ない
瞬間がきたら、自分ならどうするだろうか?
この選択によりハンナの人生は大きく左右されることになってしまう。
そもそもなぜハンナは法廷で自らを苦しめる判断に陥ってしまったのか。
それは彼女のモラル面に問題があったのだと思う。
”文盲”というコンプレックスを必死で隠そうとする挙句、
自らが犯した過ちを見極めることができなくなっている。
ナチスの戦犯で裁判にかけられている状況においても、
優先順位を見失い全く持って無知な発言ばかりが目立ってしまう。
自分の秘密 > 仕事 > 他人の命
こんな項式が出来上がってしまっている。
また過去に15歳のマイケルとの情事を繰り返したことも、
大人の女性としては軽はずみな行動ではなかろうか。
寂しさを紛らわすためなのか、はたまた人の弱みを見ては助けたくなる、
母性本能がそうさせてしまったのか。
謎多き女性であることには違いないだろう。
もちろん自分のことを喋らない人間のことはわからないし、
いざ助けようにもどうしようもなくなる。
ただ若さゆえに彼女を愛し続けたマイケルは
最後に真実を知りながらも、彼女の生き様を見届ける結論に
至ってしまったように感じた。
それは残酷なものでもあり、やさしさのようでもあった。
戦時中ゆえに”文盲”がどのように扱われていたのかわからないが、
もっとハンナが自らのコンプレックスと素直に生きていられれば、
結果はもっと違うものになっていただろう。
愛、コンプレックス、裁判が重なりあった内容で、
いろんな見応えを感じることができた作品に出会えた。
そして最後に言いたいのが、アカデミー賞6回目のノミネートで見事
主演女優賞に輝いたケイト・ウィンスレットへのお祝いの言葉
”おめでとう”
そして素晴らしい演技に感謝する
”ありがとう”
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: アメリカ/ドイツ 上映時間: 124分
監督:スティーヴン・ダルドリー
製作:
アンソニー・ミンゲラ
シドニー・ポラック
ドナ・ジグリオッティ
レッドモンド・モリス
製作総指揮:
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
原作:ベルンハルト・シュリンク 『朗読者』(新潮社刊)
脚本:デヴィッド・ヘア
撮影:
クリス・メンゲス
ロジャー・ディーキンス
プロダクションデザイン:ブリジット・ブロシュ
衣装デザイン:アン・ロス
編集:クレア・シンプソン
音楽:ニコ・ムーリー
出演:
ケイト・ウィンスレット ハンナ・シュミッツ
レイフ・ファインズ マイケル・バーグ
デヴィッド・クロス 青年時代のマイケル・バーグ
レナ・オリン ローズ・メイザー/イラナ・メイザー
アレクサンドラ・マリア・ララ 若き日のイラナ・メイザー
ブルーノ・ガンツ ロール教授
オススメ度:★★★★☆
ストーリー:
1958年のドイツ。15歳のマイケルは偶然出会った年上のミステリアスな女性ハンナに心奪われ、うぶな少年は彼女と彼女の肉体の虜となっていく。やがて度重なる情事のなかで、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読することがふたりの日課となる。ところが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。たまたま傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席に座る彼女を見てしまったのだ。裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは隠し続けようとしていることに気づく。その秘密を知るただ一人の者として、マイケルは葛藤し、答えを見い出せないまま苦悩を深めていくのだが…。
コメント:
考えれば考えるほど、言葉では語ることが難しい映画だ。
本作のキーワードは”コンプレックス”。
コンプレックスとは、ある事柄と、本来無関係な感情とが結合された状態。
人間誰しもひとつくらいコンプレックスを持っているのではなかろうか?
だが他人からすれば、それは言われてみないとわからないものである。
それを一生隠し通すか、それとも開き直ってしまうか…。
もし人生のうちで、自らのコンプレックスを公の場で認めざるを得ない
瞬間がきたら、自分ならどうするだろうか?
この選択によりハンナの人生は大きく左右されることになってしまう。
そもそもなぜハンナは法廷で自らを苦しめる判断に陥ってしまったのか。
それは彼女のモラル面に問題があったのだと思う。
”文盲”というコンプレックスを必死で隠そうとする挙句、
自らが犯した過ちを見極めることができなくなっている。
ナチスの戦犯で裁判にかけられている状況においても、
優先順位を見失い全く持って無知な発言ばかりが目立ってしまう。
自分の秘密 > 仕事 > 他人の命
こんな項式が出来上がってしまっている。
また過去に15歳のマイケルとの情事を繰り返したことも、
大人の女性としては軽はずみな行動ではなかろうか。
寂しさを紛らわすためなのか、はたまた人の弱みを見ては助けたくなる、
母性本能がそうさせてしまったのか。
謎多き女性であることには違いないだろう。
もちろん自分のことを喋らない人間のことはわからないし、
いざ助けようにもどうしようもなくなる。
ただ若さゆえに彼女を愛し続けたマイケルは
最後に真実を知りながらも、彼女の生き様を見届ける結論に
至ってしまったように感じた。
それは残酷なものでもあり、やさしさのようでもあった。
戦時中ゆえに”文盲”がどのように扱われていたのかわからないが、
もっとハンナが自らのコンプレックスと素直に生きていられれば、
結果はもっと違うものになっていただろう。
愛、コンプレックス、裁判が重なりあった内容で、
いろんな見応えを感じることができた作品に出会えた。
そして最後に言いたいのが、アカデミー賞6回目のノミネートで見事
主演女優賞に輝いたケイト・ウィンスレットへのお祝いの言葉
”おめでとう”
そして素晴らしい演技に感謝する
”ありがとう”