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『ダークナイト』

2008年08月03日 22時20分51秒 | 映画レビュー
原題: THE DARK KNIGHT
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 152分
監督:クリストファー・ノーラン
製作:
チャールズ・ローヴェン
エマ・トーマス
クリストファー・ノーラン
製作総指揮:
ベンジャミン・メルニカー
マイケル・E・ウスラン
ケヴィン・デラノイ
トーマス・タル
キャラクター創造:ボブ・ケイン
原案:
クリストファー・ノーラン
デヴィッド・S・ゴイヤー
脚本:
ジョナサン・ノーラン
クリストファー・ノーラン
撮影:ウォーリー・フィスター
プロダクションデザイン:ネイサン・クロウリー
衣装デザイン:リンディ・ヘミング
編集:リー・スミス
音楽:
ジェームズ・ニュートン・ハワード
ハンス・ジマー
出演:
クリスチャン・ベイル ブルース・ウェイン/バットマン
マイケル・ケイン アルフレッド
ヒース・レジャー ジョーカー
ゲイリー・オールドマン ゴードン警部補
アーロン・エッカート ハーベイ・デント検事
マギー・ギレンホール レイチェル・ドーズ
モーガン・フリーマン ルーシャス・フォックス
エリック・ロバーツ
ネスター・カーボネル
モニーク・カーネン
ロン・ディーン
キリアン・マーフィ
チン・ハン
リッチー・コスター
アンソニー・マイケル・ホール
キース・ザラバッカ
コリン・マクファーレン
ジョシュア・ハート
メリンダ・マックグロウ
ネイサン・ギャンブル
マイケル・ジェイ・ホワイト
ウィリアム・フィクトナー
マシュー・オニール
エディソン・チャン
オススメ度:

ストーリー:
ゴッサムシティでは、バットマンとゴードン警部補が手を組み、日々の犯罪に立ち向かっていた。だが、白塗りの顔に裂けた口の“ジョーカー”と名乗る正体不明の男が闇の世界で頭角を現わし、バットマンを嘲笑うかのごとく次々と凶悪事件を引き起こしていく。そんな中、新しく赴任した地方検事のハーベイ・デントは正義感に燃え、バットマンとも協力して犯罪の一掃を強力に進めていく。それでも凶行の手を緩めず街を混乱に陥れるジョーカーは、いよいよバットマンたちを窮地に追い込むための謀略を開始するのだった。


コメント:
全米オープニング10日間の興収338億円。
映画史上最高の興行収入を記録しているあの『タイタニック』に迫る出足である。

本作がヒットしている理由は単純に三つある。

1.今なお人気の衰えないキャラクター”バットマン”シリーズであること
2.”バットマン”シリーズに登場する最も代表的な悪役”ジョーカー”の再登場
3.そして”ジョーカー”を演じるのが今年1月にこの世を去ったヒース・レジャーであること

特記すべきはやはりヒース・レジャーについてだ。
はっきり言って”すばらしい”の一言!!

僕の記憶の中にはジャック・ニコルソンが演じた
あの”ジョーカー”のイメージが未だに濃く残っており、
不気味なメイクと笑い声に異様な恐怖を感じていたものだ。
ところがだ、そんな恐怖の対象だった”ジョーカー”の
イメージをヒースはあっさりと超えてしまっている。
史上最悪の敵役を映画史に誕生させたと同時に、
狂気に満ちた名演技を観客の記憶に植え付けたのだ。

彼の演技はホントにすばらしい。
エンドロールではホントに涙を流しそうになるくらい感動してしまった。
彼の演技には、何かとても重く圧し掛かるメッセージが感じられ、
俳優としてのプロ精神がひしひしと伝わった。
彼がすでにこの世にいないと思うと辛くてたまらない。
本作のヒットは彼が亡くなったからではない。
彼の俳優魂が自然と作り出した賜物に過ぎないのだ。


話は内容に移って、
そんな敵に立ち向かう”バットマン”といえば、
生身の人間にちょっとした小細工を施した程度のヒーローである。
悪の力に染まりつつあるゴッサムシティで、
愛と復讐に苛まれながら孤独なヒーローを演じている身なのだ。
彼は金持ちなところ意外、普通の市民と何ら変わりない。
ただ悪の根絶を祈るためにやっていることが、
逆に周りの人間を苦しめ次々と事件に巻き込まれていく。
事件が起きれば彼が起こしたものだと言われ、市民はそんな悲壮感を持つヒーローを
”闇の騎士(ダークナイト)”と呼ぶ。

そして”バットマン”とは対照的な位置にいる正義、ハーベイ・デント検事。
”法”のもとで悪を裁くその姿から市民は彼を”光の騎士(ホワイトナイト)”と呼ぶ。

また彼ら二人の間に挟まれ愛と生きる道に悩むレイチェル。
過去に”バットマン”と愛し合い、現在はハーベイの恋人という難しい立場である。

そんな3人を獲物にしたのが”ジョーカー”だ。
善人なものが持つ”愛””正義”を利用し人を殺すことで喜びを感じる。
まさに極悪非道の代名詞ともいえる悪役ぶりを見せ付けられるのだ。

正直言って、ここまでダークな物語は見たことがない。
アナキン・スカイウォーカーがダースベイダーに変わる物語なんててんで可愛い物だ…。
”ジョーカー”が起こす悪事の全ては言葉で語れない物ばかりである。
これは劇場に言って自分の目で確かめてしかないだろう。

とにかく本作は暗くて、悲しくて、ひたすら重い。
”愛”と”正義”そして”裏切り”…。
誰を信じればいいのか分からない状況が続き、希望があるようで最後まで見えない。
まさしく”バットマン”シリーズならではの”闇”につつまれた暗い物語である。

ヒース・レジャーの遺作となってしまった本作。
とにかく残念で仕方がないが、ぜひともこれは劇場で見て欲しい。
シリーズ最高であることは間違いし、
アクション、ドラマとしての完成度もかなり高いものになっている。

この映画を観ずして今年の映画は語れないと思う今日この頃である。


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