シネブログ

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『ブレイブ ストーリー』

2007年05月07日 23時05分02秒 | 映画レビュー
原題 BRAVE STORY
製作年度:2006年
上映時間:111分
監督:千明孝一
出演:松たか子 、大泉洋 、常盤貴子 、ウエンツ瑛士 、今井美樹 、田中好子
オススメ度:★★☆☆☆

ストーリー:
ごく普通の小学5年生ワタル。平凡だった日常はある日突然崩れ去る。家族がバラバラとなってしまった現実を信じられないワタル。そんなとき、転校生ミツルの言葉を思い出す。それは、“幽霊ビルの階段の上に、運命を変える扉がある”というもの。ワタルは家族を取り戻したい一心でその扉の中に飛び込んだ。そこは剣と魔法の不思議世界“幻界(ヴィジョン)”。やがて“おためしの洞窟”に辿り着いたワタルは、体力平均、勇気最低、総合評価35点の判定を下され、“見習い勇者”としてこの冒険の旅を開始するのだったが…。



コメント:
原作は宮部みゆきでとても評価されている作品であることは知っていた。それに予告編などを観た感じ登場人物も底々好みであったし内容も全く嫌いなものではなかった。しかしそれらの期待がそもそも間違いであったことに気付く。

地上波で鑑賞したためどれ程編集でカットされてしまったのか知らないが、とにかくストーリーが雑で展開が早すぎる。まるでRPGのいいトコ撮りを見せられているような感覚だ。特に印象に残るシーンもなければ、最後まで何を言いたいのかメッセージ性も欠けていたように思える。結局、冒険ものを描きたかったのか?それとも家族愛を描きたかったのか?そこがはっきりしないというのが結論である。まったく不完全燃焼な作品であった。

一番の原因は宣伝の仕方にあるのかもしれない。本業で活躍する声優を起用せず、メインキャラには人気のある芸能人を起用して話題性を高めているのには不満が募ってしまう。これではアニメとして成り立っていないように感じてしまうのだ。映画の出来が悪いから声優でカバーしようという魂胆が見え見えな気がしてならない。とても残念な結果だ。

本作は、よく出来た原作を映画化するに当たって、一番やってはいけない悪いお手本のような作品になってしまっているのではないだろうか?いい原作であるならば『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』シリーズのように何部かに分けて映画化するのが一番効果的だ。そこまで気が回らなかった製作側にも問題があるだろう。

映画化するのであれば、原作ファンのみならず全ての人が理解できる内容に仕上げることが映画人としての最低限の勤めだと思う。普段あまり批判的なレビューを書かない僕だが、久々にオススメできない作品に出会ったため参考までに投稿させてもらうことにした。とにかく今は、いつか本作が全てを満たした作品で復活することだけを願うことにしよう。