シネブログ

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『トンマッコルへようこそ』

2007年05月25日 00時02分50秒 | 映画レビュー
原題:WELCOME TO DONGMAKGOL
製作年度:2005年
上映時間:132分
監督:パク・クァンヒョン[監督]
出演:シン・ハギュン 、チョン・ジェヨン 、カン・ヘジョン 、イム・ハリョン 、ソ・ジェギョン 、スティーヴ・テシュラー
オススメ度:★★☆☆☆

ストーリー:
朝鮮戦争が続く1950年代。山の奥深くに、他の土地から隔絶し自給自足の生活を送る不思議な村“トンマッコル”があった。笑顔が絶えず、争いごともない平和なその村に、ある日アメリカ人パイロットのスミスが操縦する飛行機が不時着する。その後、道に迷った韓国軍兵士2人と北朝鮮人民軍の兵士3人もそれぞれ村に姿を現す。村で顔を合わせた両軍兵士たちはすぐさま武器を手に一触即発の状態に。しかし、戦争を知らない村人たちは、そんな彼らを気にする様子もなく、のんびりした日常も変わらない。いつしか兵士たちも打ち解けていき、笑顔を取り戻していくのだったが…。



コメント:
ちょっと待ったぁぁ~~!!
本作が戦争映画だとは知らなかったぞ。。
予告編を観た感じだとファンタジックな感じがしてただけに残念で仕方がない。

トンマッコルという村に連合軍、韓国軍、人民軍の3組の兵士がやって来る。敵意をむきだしで睨み合う彼らだが、戦争を知らない純粋な村人たちに影響されて次第に争うことを忘れていく…。

と、ここまでの展開はすご~~っくよかった。全くの敵同士だった兵士たちが一緒に畑仕事をしたり、イノシシ退治をしたり、ラグビーで遊んだりして絆を深めていく。久石譲のまさにジブリのような穏やかな音楽と共に進んでいくストーリーは人間の忘れかけた心を取り戻してくれるかのようだった。

だが、最後の展開はマズイ…。
村のみんなが打ち解けて楽しんでいる頃、トンマッコルの村にある兵隊が米兵スミスを探しにやってくる。僕はまさかこのシーンで争いが始まるとは思ってもいなかった。きっと不思議な娘ヨイルや純粋な村人たちが何か特別な力でこの場を解決してくれるだろうと…そんな期待を持ったのもつかの間、あっさりと殺し合いを始めてしまう兵士たち。
「なんで~~~っ!!」
と、叫ばずにはいられなかった。これまでの人間関係は一体なんだったのか!?
おまけにその勢いで、爆撃にやってくる部隊と一戦交えようとしているではないか。こうなってはどう転んでも戦争映画への道まっしぐらである。しかも必要以上に流血シーンが多くて『ブラザーフッド』を思い出してしまったくらいのリアルさ。この映画に流血は必要ないだろ!とツッコミをいれたくなるほどのものだ。

この映画は一体何を伝えたいのだろうか?
一時は戦争を忘れた兵士たちが、例え村を守りたいからといって別の敵へ戦争を吹っかけてもいいのだろうか?
他に村を救う手段を思いつかなかったのだろうか?

力に対して力で対抗したら、戦争の繰り返しなのになぜそれがわからないのだろう…。
せっかくタイトルに”トンマッコル”=”子供のように純粋な村”というすばらしいものがついているのに……残念な終わり方だ。。