【amazon】 【BK1】
◆「ホームズとワトスン 友情の研究」
ホームズとワトスンの歴史が真面目に書かれた、ノンフィクション(ww)
ここまで細かく語られるとはドイルも思わなかっただろうから、聖典(ドイルの作品のこと)には矛盾が一杯。それを、あーだこーだと推察したり、解釈したり、ご苦労様って感じ。
学術書っぽいんだが、作者の熱が全体を後押してて、なんだかんだとするっと読めてしまう。でもって、ホームズとワトスンの人物像もしっかり浮かび上がってくる。上がってくるが、これが微妙。あくまで聖典に忠実なので、ある時にはTVドラマの役者のようであり、ある時には別の映画の役者のようであったりと、ホームズをいう像の芯はしっかりしてるのに、輪郭が曖昧。こういう部分は、作者の上手さなんだと思う。好きなあまり、こういう人物像だと押し付けてくるようなのは、しんどい。でも書くほうは、こーなのよぉって書くほうが楽しい。この作者、この部分のバランスが卓越していると感じた。
なかなか面白かったっす。