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◆「GOTH 僕の章」
人の残虐性を好む嗜好を自覚している「僕」
そしてその性格を見抜いた、森野夜。
二人のアンソロジー。
学校の中で浮いている森野夜と、表面上は穏やかに暮らしている僕なのだが、お互いには友情を感じているとか、そういうのじゃないところが、斬新。というか、怖い。
「僕」はこうして、どんな大人になっていくのだろう。
上手く立ち回って、そこそこの人生を送るのだろう。因果応報なんていうものは、存在しない。
「僕」の抱えている闇は、もしかしたらそういうことなのかもしれない。つまり、物事はただそこにあるだけで、それが何かに影響したり、転じて災いを呼ぶということにはならないということ。因果を応報する存在、たとえば神、はいないということではないだろうか。
読後、考えさせられる作品である。