◆「自由恋愛」
岩井志麻子なので、ホラーにカテゴリーしたが、ホラーにあらず。ま、人間心理の怖いのを描いてると言えばそうかもしれないが、これでホラーっつーのもね(苦笑)
大正時代に正反対の境遇になった女学校の同窓生二人の物語で…。多少「えっ」って部分もあるが、それぐらいで終わっている。ようするに、よくかけているけれど、一体何が言いたかったのか、筋を言うのは簡単だけど、それだけって感じなのだ。
しかも、すでにドラマ化が決まっているそうで、その配役がその衣裳をつけた帯がついていて、これが激しく興ざめさせる。ようするに、あの役者ならここはあーするんだろうね、とか、あーいう表情をするに違いないとか、想像できてしまうのだ。
うん、ようするにそういうことなんだと思う。つまりは、こちらに想像力を、それを羽ばたかせるものがない、と。
決して面白くなかったわけじゃないんだけど(読み始めたら止まらなくて、一気に読んでしまった)満足感は得られなかった。