読書記録

とりあえず、読了本をあげていくつもりです。
…もしかしたら、映画とか、ゲームとかまで…たどりつくのかww

尾田栄一郎【ONE PIECE 44】

2006年12月07日 | コミック
オンライン書店ビーケーワン:One piece 巻44
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◆「One Piece 44 帰ろう」

 ついにエニエスロビー編が終わりました。
 号泣の、44巻です。

 うーーーーーーーー。
 メリーがぁ(号泣)
 まぁ何を語ってもネタばれなので、多くは語りませんが、やっぱりキーパーソンはウソップなんだと思う。
 エニエスロビーでは「そげキング」として活躍(?)してたけど、肝心なところで…。前の巻でサンジに「自分のできることをしろ」といわれたウソップだけど、そのことを誰よりもしっかり胸に刻まなければいけないのは、ウソップなんだろう。
 確かに、化け物のように強い麦わらのなかで、ウソップはあまりにも普通だ。
 でも、ウソップにはウソップの役割があり、ウソップでできないことがちゃんとある。ただ、そのことに自分が気づかなければ、無意味だ。
 そして、そういうことは誰にでも言えることじゃないのかな。
 
 ワンピ読んで、子供たちがそういうことに気づくといいなぁ。

遠藤徹【姉飼】

2006年12月07日 | ホラー(邦人)
オンライン書店ビーケーワン:姉飼
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◆「姉飼」

 ホラー小説大賞の受賞作です。
 帯には「ホラー大賞史上最強の奇作!」とあります。
 単行本が出たときに、ちょっと立ち読みして、面白かったので文庫おちを待っておりました…。

 立ち読みしたところだけが面白かったみたい<をい
 人間であったはずなのに「姉」という化け物に作られた女達の描写は、とてもホラー。それにとりつかれる主人公のあり方もホラー。
 で、どうよ、となると空白。
 まぁ、見世物小屋的なところを目指したといえば、それはそれで成功してると思うんだけどね。

 中の「キューブガールズ」は面白かったです。はい。

秋月こお【嵐の予感】

2006年12月07日 | 文学ww 邦人
オンライン書店ビーケーワン:嵐の予感
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◆「嵐の予感」

 富士見交響楽団シリーズの……何作目だww

 定演を前に、古参のメンバーと新しく入った音大生との間に、ぎくしゃくするものが…っていうのが嵐の予感。
 ま、ちょっと風が強いかなって程度で、嵐にはなってとりません。
 それよか、相変わらずの激務な守村くんが心配だww 
 物語に色々いれたい気持ちがわからんでもないが、これだけになるといくらフィクションでも無茶じゃないと思うんだが。

 と、一番がっくしだったのが、前に出た単行本「クラシカル・ロンド - 富士見二丁目交響楽団シリーズ」の書下ろしが2本はいってたこと。
 うーーー。こんなんだったら、単行本は買わなかったよぉ。
 
 なんつーか、こういうせこい商売は、非誠実っていうんじゃないかなぁ。


乙一【GOTH 僕の章】

2006年12月05日 | ミステリー(邦人)
オンライン書店ビーケーワン:GOTH 僕の章
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◆「GOTH 僕の章」

 人の残虐性を好む嗜好を自覚している「僕」
 そしてその性格を見抜いた、森野夜。
 二人のアンソロジー。

 学校の中で浮いている森野夜と、表面上は穏やかに暮らしている僕なのだが、お互いには友情を感じているとか、そういうのじゃないところが、斬新。というか、怖い。
 「僕」はこうして、どんな大人になっていくのだろう。
 上手く立ち回って、そこそこの人生を送るのだろう。因果応報なんていうものは、存在しない。
 「僕」の抱えている闇は、もしかしたらそういうことなのかもしれない。つまり、物事はただそこにあるだけで、それが何かに影響したり、転じて災いを呼ぶということにはならないということ。因果を応報する存在、たとえば神、はいないということではないだろうか。

 読後、考えさせられる作品である。

乙一【GOTH 夜の章】

2006年12月05日 | ミステリー(邦人)
オンライン書店ビーケーワン:GOTH 夜の章
【BK1】     【amazon】

◆「GITH 夜の章」

 森野夜(もりのよる)が拾った1冊の手帳が導く、連続殺人。
 人の残虐性を見たがり、見るために行動までする、夜と「僕」のアンロソジー。
 
 第3回本格ミステリー大賞受賞作。

 乙一は、天才である。
 こういう視点はちょっと思いつかない。
 そして、かなりエグいシーンがあるのだが、不思議とどの場面も静かだ。現実感がない、というわけではない。これは、主人公達が自分たちの周りをシールドしているという感触なのだろう。
 それを、行間で読ませるのだから、やっぱり乙一は天才である。

 「犬」にはやられました。
 別のアンソロジーで読んでたんだけど(つか、それでよかったので乙一を読んでみる気になった)やっぱりすごかった。
 完敗ですww

加藤典洋【村上春樹 イエローページ2】

2006年12月05日 | 評論
オンライン書店ビーケーワン:村上春樹イエローページ 2
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◆「村上春樹イエローページ2」

 大学のゼミでの村上春樹研究をまとめた2冊目。
 「ノルウェイの森」から「ねじまき鳥クロニクル」までを論じている。

 1でも思ったけど、もしかして一番まともな評論かも。
 春樹を論じるとなると、どうも世の中、春樹を通した自分を、好意的にしろ悪意が見えてるにしろ、とにかく自分を論じたものが多数だ。もしくは、作品をとおして春樹という存在を論じたりしている。
 純粋に作品だけ、というのは難しいのかもしれない。
 が、仮に海外の作家であったらどうなのだろう。その人のバックボーンについて語ることは多少あっても、その作品を通じた自分や、その作家を通した自分、などを評論することはあまりないと記憶している。
 
 とはいえ、日本的な部分がないわけじゃない。
 多少、くどい部分があったりして、春樹を通した自分を語るぎりぎりの線で踏みとどまっているところもある。
 うむ。この本の面白さは、その境界を波乗りしているようなところか。

 しかし、前に読んだ斉藤美奈子の「文壇アイドル論」での「村上春樹は、テレビゲーム」というのが、やっぱり一番のように思う。
 うん、これ以上の言葉もこれ以下の言葉もないだろう。

よしながふみ【大奥2】

2006年12月03日 | コミック
オンライン書店ビーケーワン:大奥 2
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◆「大奥2」

 よしながふみが描く、男女逆転の大奥。

 疫病で男が人口の半分になった世界で、どうして役割までも男女逆転になったかという謎を描く2巻。
 
 よしながふみは天才でございますm(__)m
 感服いたしました。
 はあ。

 家光の病死を隠すために、家光の影武者(?)に仕立て上げられた少女(家光の娘)と、種として大奥に無理矢理いれられた、のちの「お万」との恋の始まり。
 少女の立場も、お万の立場も、それぞれに辛い。その痛みを抱き合ったような最後のページの抱擁には泣けた。

 よしながふみをまだ読んでない人は、即読むべし。
 読んでないのは、人生ソンしてるぞ。

村上春樹【「これだけは、村上さんに言っておこう」…】

2006年12月03日 | ノンフィクション
オンライン書店ビーケーワン:「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
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◆「「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?」
 
 「「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?」の続編。
 相変わらず、くだらない(失礼)質問からきつい質問ヘビーな質問に、飄々と答えている村上春樹なのである。
 加えて、これには韓国、台湾からのメールもはいっている。
 さすがに、韓国、台湾だととても政治的なのだ。やれやれ。

 私は毎度、PCの横において起動するのを待っている間とか、読み込んでる間にちょろちょろと読んでいたのだが、多分こういう読み方が一番にあってるんだろう。そんな感じ。
 でもって、前のにもよく出ていたけど「小確幸」(ちいさいけどとても幸せになること)の大切さ、つか、そういうのを感じられることの幸せというのを、一緒になって感じていた。
 人生「小確幸」がたくさんあると幸せなんだ。

 肩の力をぬいて、でも毎日こつこつと、生きる。
 そんな普通で、大切なことに気づかせてくれる。

 

カズオ・イシグロ【日の名残り】

2006年11月24日 | 文学ww 翻訳
オンライン書店ビーケーワン:日の名残り
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◆「日の名残り」

 イギリスの名家に勤める執事、スティーブンが元同僚と会うために旅にでる。その間、思いをめぐらせる。

 伝統的なイギリスと本の裏にあるが、その通り。
 でもって、この主人公が執事としては優秀なのかもしれないが、人間としては面白みがさっぱりない。さっぱりないんだけど、だんだんシンパシーを感じてくる。
 カズオ・イシグロ、上手い!
 「品性」という言葉がポイントのように出てくる。品性が失われた時代に、あえてこれを問うという、手法は古めかしいが切り口は斬新なのである。
 つまり、古い皮袋にいれた新しいぶどう酒か…。

 村上春樹が、「わたしを離さないで」を絶賛していたのが、納得。
 さっさと、文庫になってくれるといいんだがな。


荒川弘【鋼の錬金術師15】

2006年11月23日 | コミック
鋼の錬金術師 (15)
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◆「鋼の錬金術師15」

 リサ・ホークアイによって語られるイシュヴァール戦役。

 漫画であろうと、人の残忍さを、戦場で失われるものを、正面に描こうとしている荒川弘なのである。
 「人殺しの目だ」と自分を見て、リサを見て、呟くロイの心のやわらかさが切ない。
 ともあれ、ええええっていうのは、ロイとリサの関係でしょう。
 そういう関係があったのか。へえええええ。
 でもって、関係を明確にしたってことはこれからの展開が…。

 にしても、悪党っぷりが半端じゃないです、キンブリー。
 いいねぇ<をい

梨木香歩【家守奇譚】

2006年11月19日 | 文学ww 邦人
家守綺譚
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◆「家守奇譚」

 亡くなった友人の生家の留守を預かることになった主人公に訪れる奇譚の数々。

 100年ぐらい前という設定が、効いている。
 たくさんの不思議が違和感なく人間と共存している。不思議なのだけど、当たり前という感覚が、懐かしくて嬉しい。
 イメージは波津彬子の「雨柳堂夢咄 」に近いだろうか。
 日本に生まれてよかったなぁとしみじみ思う秀作である。


瀬尾まいこ【天国はまだ遠く】

2006年11月18日 | 文学ww 邦人
オンライン書店ビーケーワン:天国はまだ遠く
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◆「天国はまだ遠く」

 なにもかも上手くいかなくて自殺しようと辿り着いた山奥の民宿で、次第に癒されている話。

 どうやら瀬尾まいこが山奥の学校に赴任になって、その地のことを書きたかったってことだけみたい。
 主人公の自殺しようという気持ちも、立ち直っていくところも、リアルティがない。まぁ、こういう類の小説にリアルティをもとめるのは間違ってるんだろう。うん、大人のための童話という感じか。
 ある意味、スローライフへの提唱かもしれない。
 なので、スローライフを啓蒙しようとしている人は、小難しいテキストを使うよりこれを使った方が効果あると思うよww

加納朋子【ささらさや】

2006年11月17日 | ミステリー(邦人)
ささらさや
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◆「ささらさや」

 事故で夫をなくし、赤ん坊をかかえて一人になったさや。彼女を助けるために夫は幽霊(?)になって彼女を助ける。

 とかくと、心霊ものっぽいですが、しっかりミステリーです。
 加納朋子お得意の身近な謎、ってやつですね。
 でもって、脇役がいい味をだしてます。「レインレイン・ボウ」でもそうだったけど、加納朋子はお年寄りをきっちり(ちょっとステレオかなと思う部分もあるけど)描いてるところがいいですね。
 ともあれ、夫のゴーストが現れるのは、都合よすぎだし、そうやって助けるのは実際彼女のためになるの?と思わないでもないですが、ま、これは大人の童話だから。
 と、いいつつ、最後の別れのところで、号泣してしまったのでした。
 ははは。


加納朋子【レインレイン・ボウ】

2006年11月17日 | ミステリー(邦人)
レインレイン・ボウ

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◆「レインレイン・ボウ」

 高校のソフトボール部の仲間が、通夜の席で再会した。その7人の女性のそれぞれの視点で、生活とその中の謎を描く。

 短編の中に小さな謎を含みながら、全体として大きな謎を描きながら展開していく。ゆえに、全てがわかる最後の「青い空と小鳥」は圧巻である。
 短編集は、どこから読んでも普通いいけど、これだけは絶対順番に読みましょうww

 7人いると、おいおいって人もあるし、気の合いそうな人物もいる。と、こういうことを感じるほど入り込むことができて、面白かった。
 特にオバちゃんたちと戦う「雨上がりの藍の色」が痛快でよかった。
 ようするに何かを変えるには、愚痴を言っても無意味で、行動をおこすことしかない、とストレートに訴えてきてるところがよかった。
 中学生ぐらいに読ませると、いいんでないだろうか。

大崎善生【孤独か、それに等しいもの】

2006年11月17日 | 文学ww 邦人
オンライン書店ビーケーワン:孤独か、それに等しいもの
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◆「孤独か、それに等しいもの」

 大崎善生の短編集。
 「八月の傾斜」
 「だらだらとこの坂道を下っていこう」
 「孤独か、それに等しいもの」
 「シンパシー」
 「ソウルケージ」

 どれにも描かれているのは、孤独と死と喪失である。
 特に「孤独か、それに等しいもの」がいい。
 いわゆる「双子もの」である。だが、この双子もので、いい作品というのはめったにないのである。私は、萩尾望都の「半神」が最高であっるとずっと思っている。そして、それに順ずるものはないと。
 出たww
 「孤独か、それに等しいもの」は「半神」の次によかった。
 ちょっと導入が余分なのかと思わないでもないが(短編だから、もっとしぼってもよかったのかもしれない)ぱたんとシーンが変わるような効果は、確かに出ている。
 
 くーーー。
 泣かされてしまったよ…。