親しみのあるお名前、信頼できるお名前
そんな方々ばかりが並んでいて
更には表紙がとっても可愛かったので
すぐに買いに行きました
『再生』
何度か読んだお話も、初めて読むお話も
どれも怖くて気味悪くて、とっても素敵でした
思えば
わたしのミステリ嫌いを一転させてくださった
綾辻行人先生
初めて手に取った本は『眼球綺譚』でした
そのため初めて読んだ綾辻先生の作品は「再生」
今回のアンソロジーに惹かれた一番の理由でもあります
ミステリの大家と知ってはいたというのに
何故かホラー作品から手に取ったあたり
やはり捻くれているようです
『十角館の殺人』を読むのはずっと後のことですが
心惹かれるものがあってずっと本棚にありました
その中で特に好きなお話は「特別料理」
ただ単にヒトの肉を食べる、というだけでは
少しもぞっとしないのです、わたし
実際に食べる気になるかと言われたら
どうでしょうね
そもそも食べること自体が気分の良いことではないので
他の食べ物と同等の嫌悪感を抱くのは確実でしょう
ともあれ
ただ単にヒトの肉を食べる
ということ以上の味付けがなされていたので
とても好きなお話なのです
現在楽しく読み進めている
『夜のリフレーン』
幻視者として名高い皆川博子さんの短編集
美しく、妖しい物語の数々を堪能する中で
またしても心惹かれるお料理のお話に出会いました
「スペシャル・メニュー」
喜劇的に描かれた絶望的な未来
ふいに突き落とされる深い闇
喜劇の余韻でくすくす笑いながら
苦い後味を楽しみました
苦い毒を含んだ物語に病みつきになって
結構な年月が経っているのですが
まるで飽きることなく、新たな苦みを求め続けています
ものを食べるのは大嫌いですが
物語を味わうのは楽しくて仕方がないのです
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