露の音 幽かな独り言

 
軌跡を見失わないよう
     追憶のよすがを
       記憶の欠片を遺したいのです

ご褒美

2012-02-29 17:09:15 | 日記


4年に1度の今日

自分へのご褒美

ずっと行きたかった博物館へ




多少彷徨いながら住宅地を抜け

観光地の程近く

溶け込むように佇む目的地

お洒落な洋館に辿り着きました


お伽噺に出てきそうな扉を抜けて

一歩足を踏み入れた其処は

アンティークな空気の漂う異空間


大型のオルゴールに囲まれたカフェを横目に

カーブを描きながら伸びる階段を上り

薄暗い展示室へ


品良く並ぶ

美しい調度品として愛されたオルゴール

解説と共に

次々と歌い出す自動演奏装置

そのシンプルな仕組みからは考えられない

豊かな音が溢れだす


奏でられる優雅な旋律と共に

シリンダーからディスクへ

少数貴族の特権から多くの人へ

オルゴールの歩みを聴きながら

20世紀初頭の人々が

身近に音楽を楽しむ姿に思いを馳せる

その優雅な空間の裏には

職人の精密な技術と

弛み無い努力が透けて見えるよう


科学の進歩は凄いことだとは思いますが

電気も電子信号も使わずに

ディスクの自動交換やリピートといった

現代のデジタル音楽機器にも通じる機能

其れを薇の力のみで実現するカラクリ

昔の人もかなり凄い技術を持っていらしたのですね


一番驚いたのは

リードオルガンの音を奏でるオルゴール

シリンダー式なので

それほど大きくはない木の箱

なのに

オルガンの音が響く不思議

まるで魔法のよう


次に見たのは

アンティークの調度が並ぶ

居心地の良さそうなお部屋

インク壺 ビールジョッキ 椅子

日用品の数々に

オルゴールが組み込まれていて

カラクリ仕掛けの音楽に彩られた生活を垣間見ました

何て素敵な文化でしょう


そして

わたしの大好きなオートマタ

道化師とはいうものの

美しい造作の顔を持つお人形

じっと見てても飽きません

磁器の顔と精巧な衣装による人形としての美

精密なカラクリが演出する機能の美

組み込まれたオルゴールの奏でる音楽の美

オートマタって凄まじい芸術品ですね



装飾の施された美しい調度品

剥製が棲む鳥籠

見るだけでも十分に楽しい

でも

薇の独特の音

透き通った音色

豊かに響く旋律

耳を楽しませることに本来の魅力がある


オルゴールがますます好きになりました


外観も内装もとっても素敵な博物館

またいつか

足を運んでみたいものです


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