のぶのぶの音楽雑記

演奏会のお知らせだけでなく、色々なことを書いていこうと思います。

チェンバロ?クラヴィコード?オルガン?ピアノ?

2019-05-13 13:12:51 | 日記
「古楽をモダンで演奏する」ということをやり始めて何年になるでしょうか…まだまだ浅いはずです。ブクステフーデを演奏した時から数えればまだ2年ほど?
スカルラッティだけで演奏会に出たこともありました。それはもう5~6年ほど前になりますかね。

そうやって色々やっていくうちに、自分はパッヘルベルとブクステフーデという作曲家を生涯のテーマにしようと固まったわけです。バロック時代というのは、とにかく食欲旺盛で、様々な試みがされていました。つまり、今でこそ古い音楽であっても、当時は最新の音楽(前衛的と言っても過言ではないほど)だったわけです。
ベートーヴェンの悲愴ソナタやショパンの2番のピアノソナタなんかはよく言われますね。

さて、その古楽。いや、あえて古楽界と言いましょう。
学生の時から、モダンピアノで演奏することについて、しばしば色々な方々に厳しいことを言われました。そんな意見があるのも重々承知しております。「ピアノで演奏するとうるさい」などとも言われました。パーンチ(o゚∀゚)=○)´3`)∴したいのをグッと堪えたのを覚えてます(笑)

ではモーツァルトやベートーヴェン、なんならショパンは?
もちろん今のピアノとは違うことは皆さんよ~く理解されているはず。でも何も言わないでしょ?
その点で言えば、一番理解できないのは、どこの音楽大学も必ず入試にバッハを弾かせること。平均律…これを必ず「ピアノ」で弾かせますよね。
平均律はたしか楽器の指定が無かったはず(鍵盤楽器というのを前提に)…チェンバロでもクラヴィコードでもオルガンでも良かったんですよね。と言うより、曲によってバッハの持つイメージは違った、と言うのが正しいのかも。

パッヘルベルの有名な「アポロンの六弦琴」も「オルガンまたはチェンバロ」だったと思います(あやふやでごめんなさいw)。
ハイドンの鍵盤楽器のためのソナタHob ⅩⅤⅠ/37あたりは表紙に「チェンバロまたはフォルテピアノ」とありました。

このように曲によってはある程度の自由というか、演奏者に任されている部分があったように思います。現代であればピアノでの表現も1つの手段ではないでしょうか?

ところが、やはり古楽界ではそれは認められないという方もたくさんいるようです。例えば…ピアノでの音は当時にはありえない響きだ、と言うんです。たしかにそれは仰る通り。バッハは今のピアノの音を知りませんし。でも、当時の響きを再現するには当時の楽器が必要ですし、当時の音楽理論を徹底的に知らなければなりません。そして場所。今のようなホールはありませんし、宮廷かもしれないし、民家かもしれない。しかも当時の建物で…となると、もうほとんど不可能なことでしょう。

例えば、高い方の音はルネサンス~バロック時代、天に近い音域と考えられたため、人間には遠くに聴こえるという見方があったため、pで演奏されることがあります。逆に低い方の音は地上を表すためfで演奏されることがあります。それはチェンバロでは難しいけれど、クラヴィコードやピアノには向いてます。

今挙げたものはごくごく一部の表現ですが、色々踏まえて私はピアノでの表現は1つの手段だと思っています。
「ピアノで演奏したけど、チェンバロの音に魅せられて」とか、「やはりチェンバロで演奏すると当時の雰囲気が出る」など、その道での表現も素晴らしいですよね。少しでも近付くためにチェンバロ、クラヴィコードを勉強していますが、やはり雰囲気が全然違います。

最初の方に書いたように、バッハの生きていた頃にはブクステフーデの音楽は前衛的でした。つまり実験的な試みがあったんです。それなら「古」楽を現代の楽器で演奏する、という矛盾じみた実験もあってよいと思うんです。その実験の1つが去年演奏したパッヘルベルのプレリュードでした。オルガンのための曲でしたが、演奏自体は可能でした。もちろん、演奏することによって見えた欠点もありましたが、同じくらい良い面もありました。

数年後、もしかすると「ピアノなんてありえない!」なんて言ってるかも…?(笑)いや、きっとないな。正解というのは無いのでしょうが、こればっかりは音楽をやめるまでずっと向き合っていかなくてはいけない問題だと思います。

私はチェンバロの音もクラヴィコードの音も好きです。オルガンは特に好きです。ですが、モダンピアノも含め、どの楽器にも良い点悪い点(悪いというのは強い言葉だけど💦)があると思ってます。

様々なことが可能な現代。「こんなことになってしまった」ではなく、「こんなことも出来るようになった」と捉えられれば楽しむ幅が広がると思っています。
バッハはすでにたくさんのピアノ演奏がありますが、それ以外の昔の作曲家の曲はピアノで演奏される機会はまだまだ少ないです。だからあまり良く言われないのかなぁとも思うのですが…
勉強はとても大切で、もちろんずっと続けていきますが、それと同時に、どうしたら良く聴こえるのかということも考えなければならないのかな…と思うようになりました。

えーピアノでの演奏かぁ…という思いになる方へ、小さな小さな一石を投じることができれば…と思って書いてみました(笑)

以上、雑記でした。

じゃバイバイ(^-^)/
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