よかったら、読んでみてね
ゆうこ:(ナレーション風に)私は、商店街の片隅で占いをやっている「それがチャームポイントのゆうこ」。今日も、世の中の迷える子羊を待っています。夕方4時30分。小腹から大腹になりかけたころ、お客さんがやってきました。
ゆうこ:うげぇ~ん!うっうっうっ、うげげげぇ~ん!
???:あれっ?どしたんですか。どこか痛いの?苦しいの?
ゆうこ:うっうっ…ううう。大丈夫なんだけど、かっこいいイケメンさん、うっうっ、あなたのお名前は?
???:電流を流される前に、シュシュッと手を拭いたので、「シュシュてちゃん」と呼ばれています。
ゆうこ:ごめんね、シュシュてちゃん、取り乱して。どっこも痛くないんだけど、先に私の話を聞いてくれる?
シュシュて:いいですよ、ゆうこ。お先にどうぞ、プリーズプリーズ。
ゆうこ:まぁ、いつの間に私の名前を。今朝ね、どうしてもカップ焼きそばが食べたくなって、朝の6時に飛び起きて、台所でお湯を沸かしてたら・・・
シュシュて:あー、無性にジャンクなもの食べたくなるときってありますよね。
ゆうこ:そう。そしたら、いつもはヨダレ垂らして、ピンクの浮き輪つけてだらしなく寝てるお姉ちゃんが起きてきて、「私も食べたいから、ゆうこ、先に顔洗ってきていいよ」って…。
シュシュて:お姉ちゃん、優しいんですね。
ゆうこ:そうなの。4年に一度、ほんと、たまーにだけど、そういう日があって、ちゃちゃっと顔を洗って、髪をポニーテールにして、台所に行ったら、もうね、早々と焼きそばがテーブルの上にあって、おまけに食後の連勝ゆも置いてあったの。
シュシュて:はぁー、お姉ちゃん、手早いんですね。
ゆうこ:そうなの。食べる時だけ、異常に仕事が早くなるんだけど、ゆうこもおなかがちょーすいてたから、3分位で焼きそば完食して、連勝ゆも飲み干したら…。
シュシュて:あのっ、あの、さっきから言ってる、「連勝ゆ」って何なんですか?
ゆうこ:あっ、知らない?知らないよね。サンタフェ家に代々受け継がれてる飲み物。
練乳多め、しょうが少し、白砂糖パラパラにお湯を注いで、食後に飲むと、その日かならず、迷子の子供か大人に…。
シュシュて:はぁ、もしかして、道を訊かれて、案内して、喜ばれる。結果お互いが良い気持ちになれる、ミラクルの飲み物、ってことですか?
ゆうこ:そう、大正解。シュシュてちゃん、飲み込みが早いわね。食べ物の好き嫌い、ないでしょ。そういれば、シュシュてちゃんの悩みってなーに?
シュシュて:あれっ?僕が最初に悩み聞いてもらっていいんですか?そしてぼく、歯は全部自分の歯なんで。
ゆうこ:だいぶ、ゆうこ落ち着いてきたから、プリーズプリーズ。
シュシュて:あのー、ぼく、結構多めの人達とチーム組んで、ココナッツミルクを売る仕事してるんですけど。
ゆうこ:うんうん。
シュシュて:なんかぼくだけ、キャラがあんまり立ってないんです。なんとかもう少し、目立ちたいんです。
ゆうこ:そっかぁ~。うんうん。この時代、みんなそういうトコ悩んでるっぽいものね。
私はだれ?ここはどこ?ブドウの種は飲み込んでいいの?ラーラーラー♪
シュシュて:あのっ、あの、ゆうこ、違うとこに一人で行かないで。
ゆうて:そんなシュシュてちゃんに、朗報です!!
シュシュて:はい?
ゆうこ:あなたは今日から、シマウマになればいいのです。
黒と白のシマもよう。馬というより、ロバっぽい体つき。英語で言えば、「Mountain Zebra」。
和名でいえば、ヤマシマウマ。お腹には、縞模様は入っていない。
草食で、南アフリカの山地でのびのび暮らせばいいのです。
シュシュて:ちょっと、ちょっ、ゆうこ、戻ってきて。謎の巫女さんみたいですよ。
ゆうこ:はっ、ごめんね、シュシュてちゃん。連勝ゆ、三日続けて飲むと、いつもこうなっちゃうのよ。ごめんごめん。
シュシュて:シマウマかあ~。うーん…。
ゆうこ:キャラが立ってないとか、目立たないとか、全然そんなことないよ。充分オーラはあるし、心の横断歩道をまじめにまっすぐ、誠実にわたっていけば、いつかいいことあるし、うんうん。大丈夫!
シュシュて:なんか、ゆうこ、「心の横断歩道」とかって、なにげにいい言葉風なの使って、無理やり一大事解決しようとしてません?ガルルル、ガルル…
ゆうこ:えっ!?そんなことないって。落ち着いて、シュシュてちゃん。どうどう。
シュシュて:ぼく、馬じゃないです!黒と白のシマウマです。あっ!!
ゆうこ:まだ、「シマウマになればいい」って言ってから、3分しか経ってないのに。
ふっふっふ、もう自分ですべてを受け入れたわね。(ニヤリ。不敵な笑み)
ゆうこの巫女人生にかけて、シュシュてちゃんを立派なシマウマにしてみせる(鼻息荒め)。
・・・なーんてね。うそうそ。
シュシュて:For real?(マジで?)
ゆうこ:ごめんね。でも一個だけ、シュシュてちゃんと、シマウマの共通点があるわ。
シュシュて:もーう。何ですか!(ふつうに怒)
ゆうこ:シュシュてちゃん、自分では気がついてないと思うけど、あなた、心臓は動いてるわよ。
シュシュて:当たり前です。動いてないと大変ですよ!
ゆうこ:あっ!まちがえちゃった。心臓が、もとい、肝が据わってる。俗に言うところの、「胆力」があるから大丈夫。
シュシュて:そうかなぁ~・・・うーん!?
ゆうこ:シマウマも、山地で生きるために、心臓が大きいんだって。みみずばれ商店街の、駄菓子屋のおばちゃんが言ってたもん。ゆうこのポニーテールにかけて、信じて!!
シュシュて:わかりました。ゆうこを信じてみます。なんとなくスッキリしたので、帰ります。あっ、でも…。
ゆうこ:なーに?
シュシュて:どうして、「心の横断歩道」って言ったんですか?
ゆうこ:それは、そのぉ~。シマウマって、英語でなんていうか、言ってみて!
シュシュて:「Zebra zone(ゼブラゾーン)」。本当にこれでスッキリしたので、帰ります。ゆうこ、またね。ばいばーい。
ゆうこ:シュシュてちゃん、ばいばーい、またね。これで一大事解決。
さぁ、そろそろおやつの時間だから、みみずばれ商店街の、「あぶくぜに屋」のたい焼き、買いにいこ!!
長ソデのボーダーの服の下は、ポコンと出た、かわいいおなか。「それがチャームポイントのゆうこ」でした。
前回は有岡大貴くん編でしたが、今回は岡本圭人くん編です。
ほんっとに、種無しブドウが美味しくて困る、ほうほうほでした